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インフレーション宇宙論への反論2
インフレーション宇宙論への反論 1
田 敞
インフレーション宇宙論(佐藤勝彦。BLUEBACKS)を基に考えてみます。
(以下{ }内は上記本よりの引用)
問題1 アインシュタインの言葉
{「私は、神がどのような原理にもとづいて、この世界を創造したいのかが知りたい。そのほかのことは小さなことだ。私がもっとも興味を持っていることは、神が宇宙を創造したとき、選択の余地があったかどうかだ」}
この言葉に対して佐藤氏は次のように述べています。
{もしも、宇宙の創生から進化までがすべて物理学の法則にもとづいて決められているならば、宇宙創造において神が自分の意図で何かを選択する余地はない。しかし、もしも神が物理学を超えたものであるならば、神に選択の余地はある。はたして宇宙の創造とは、物理学の法則のみで答えられるものなのか、そうではないのか}
{そして実際にいま、宇宙創生について、物理学の言葉で語ることのできる時代になっていると考えています。}
考察1
アインシュタインの相対性理論は、光が絶対で、他のものはそれによって決められるということです。キリスト教では、神が宇宙を作ったとき、まず「光あれ」と言ったということです。これにそっくりです。実際、ビッグバン宇宙を最初に言い出したルメートルはキリスト教の牧師で科学者です。そして、これこそ、聖書の科学的な解釈だと牧師たちは喜んだと言います。
インフレーション宇宙論は{宇宙創生について、物理学の言葉で語ることのできる時代になっていると考えています。}と手放しでいえることでしょうか。どうもそうではなさそうです。
考察2
{宇宙創生について、物理学の言葉で語ることのできる時代になっていると考えています。}
ということですが、そうでしょうか。考えてみます。
インフレーション、ビッグバン宇宙論(インフレーションの後ビッグバンが起こっている)では、現在の宇宙は、観測できている物質やエネルギーは宇宙の4%に過ぎず、後の96%はなにか分からない不可思議なものでできているということです。96%ものものが物理学では語れないのですから、とても{物理学の言葉で語ることのできる時代になっていると}は言えません。
また、最初に起こったインフレーションも、その膨大なエネルギーが無から突然湧きだしています。この宇宙のすべての物質とエネルギーと、96%もあるという謎のエネルギー(ダークエネルギー)と謎の物質(ダークマター)を作った元になっている何かです。それが一瞬より短い時間に起こっているといのです。これはもちろん今の物理学では解けていません。
また、インフレーションから、ビッグバンになった仕組みも謎です。空間の膨張の仕組みも今の物理学では解けていません。空間は何でできていて、どのような仕組みで膨張するのかも今の物理学では謎です。
この宇宙の創生も、現在の膨張宇宙もほぼすべてが謎で占められています。とても、{物理学の言葉で語ることのできる時代になっていると考えています。}とはいえない状況ではないでしょうか。
以下、詳しく見ていきます。