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タイムトラベルと双子のパラドックスについての疑問1

(「Newton」ニュートンプレス・7,2017)

2017,8,29

著者 田 敞

 

(以下{ }内は、上記本よりの引用)


問題

双子のパラドックスが起こる原因

答え

1 速度によって時間の進み方が変わる、という考え方が間違っている。

2 見る人が変われば、動いている方が変わる、という考え方(相対性原理)が間違っている。


問題1

1 速度によって時間の進み方が変わる

考察1

これは実証されていません。したがって、定説ではなく仮説の段階です。いくら多くの学者が支持していても、科学は多数決ではなく実証が基本ですから、定説にはなれません。

ジェット機に時計を乗せた実験で証明されたということですが、これは誤差の範囲を出ません。また、検証実験もおこなわれていません。したがって実証にはなりません。

ナビの人工衛星は相対論を加味して時計を調整しているということですが、これは、相対論が正しいとして人工的に調整しているので、自然現象を観測したことにはならないので、実証にはなりません。

考察2

(1)本の例(兄弟で年齢が異なる)から

速度によって時間の進み方が変わる結果、宇宙旅行をしてきた兄が地球に帰ってきて弟に会うと、兄の方が若くなるということです。

この本では、兄が56歳、弟が80歳という設定です。

2000年に兄が出発したとします。

帰ってきた兄は、2056年にいます。弟は2080年にいます。2056年の人と、2080年の人が握手して話をします。こんなことがあるはずがありません。現実世界の中でいまだかつて過去の人と話をすることができた人はいません。現在と過去の人が会うことができるのは、相対論か、SF小説か、アニメの中だけです。

もちろんこの現象は相対論が正しいとした時の仮定だけで、実証できていません。

帰って来た宇宙船は2056年にいます。それに弟が乗り込むと、弟は2080年から2056年に行くことになります。片足をかけると、片足は2056年、他方は2080年にいることになります。

これは他の誰でも起こります。誰でも、帰って来た宇宙船に乗りこむと、2080年から2056年にいけます。降りれば、また2080年にいけます。

これは宇宙船の時計を2080年に合わせれば解消するということではありません。宇宙船の機体そのものの時間が遅くなって時刻が2056年になっているのですから時刻を変える手立てはありません。(ガモフという人は、簡単に時計を合わせて、元に戻っためでたしめでたしと言っているのですが)

この本では兄から見る場合も書かれています。その時は、宇宙船が止まっていて、地球や惑星が往復します。兄は宇宙船にいて、地球が宇宙船から離れていって、2010.8年になぜか折り返して、2021,6年に停止している宇宙船に到達します。このときの宇宙船の時刻は2036年だということです。宇宙船がそのばで向きを変えると、14.4光年先で、地球が折り返すのです。とても不思議な現象が起こります。宇宙船が振り返ったことを、一瞬で14.4光年先の地球にどうやって知らせたのでしょうね。

それはさておき、やはり上と同じことが起こります。異時刻の兄と弟が会うことになります。誰かが宇宙船に乗り込むと、そのとたんに、14.4年未来の宇宙船に乗り込むことになります。

 

(2) 宇宙の物質の速度と、現在時刻

もし、速度によって時間の進み方が違うなら、今あるすべての原子は異なる時刻にいることになります。宇宙開闢以来すべての原子は異なる速度を経過しているので、異なる時刻に存在していることになります。すると、すべての原子は、異なる時刻の宇宙に存在しているはずです。同一時刻の宇宙には原子が1個しか存在していないはずです。2017年8月23日7時34分13秒の宇宙には原子が1個しかないということになります。2017年8月23日7時34分13秒の宇宙は空っぽです。ところが、実際のこの時刻の宇宙にはちゃんと地球や太陽がありました。見えないけれど無数の星が存在します。

相対論効果で時刻が異なっても、同時に存在するというのが相対論かもしれませんが、異時刻の物質が同時に存在するという不可思議を説明し、実証しなければなりません。

ニュートンの、時間はすべて同じ速度、という考え方なら何の矛盾も起きません。宇宙のどの原子も常に同一時刻にあるのですから、2017年8月23日7時34分13秒には、宇宙のすべての原子の時刻は2017年8月23日7時34分13秒です。宇宙のすべての原子は同時刻に存在するのですから、現実の宇宙と矛盾はありません。

 

問題2

2 見る人が変われば、動いている方が変わる。(相対性原理)

考察

 アインシュタインは列車と軌道でこれを説明しています。

 相対性原理では、軌道から見ると列車が動いて見えるから列車が動いている、列車から見ると軌道が動いて見えるから軌道が動いている、ということです。

 これは明らかに間違いです。

 列車の車輪が回転すると軌道が動くということはありません。運動エネルギーの法則に反します。

軌道が動くということは、地球が動くということです。列車のエンジンの出すエネルギーでは地球は動きません。また、質量のはるかに小さな列車と大きな地球が車輪の作用反作用の力で動くと、列車の方が動くことになります。地球は質量が大きすぎて動きません。誤差にもならないでしょう。まして、この本にあるように、宇宙が動くとなると、お話にもなりません。どのようにして、巨大な銀河を動かすのでしょう。どのようにして、100億光年の先の銀河を動かすのでしょう。光で情報を伝えたとしても100億年かかります。動いて見えるから動いている、では子供だましにもなりません。

 今見えているアンドロメダ銀河は230万年前のアンドロメダ銀河です。今現在のアンドロメダ銀河は違う場所にあります。今見えているすべての星や銀河は過去にあった場所の星や銀河です。今見えている太陽も、8分過去の場所の太陽です。現在時刻の星も太陽も見えません。動いているように見えるからといっても現在の星は宇宙船から見ることはできません。

 すると、1万年過去の星が動いているように見えるから、1万年前の星が動くということになります。過去に時間をさかのぼって宇宙全体の現象を変えるのです。すごい目力です。

今ある銀河は見えないから動いているようには見ることはできません。その銀河はどうします。どのようにして、動いているのを見たから動け、という情報を伝えるのでしょう。

実際に見るということではなく、見えたとしたら動いているということなのかもしれません。しかし、それでも、20億光年先に現在ある銀河を動かすエネルギーと、動かす方法を述べる必要があります。動いているように見えるはずだから、動いているというのは物理法則ではありません。

結論

太陽が東から西に動いて見えるから太陽が動いている、とか、星が東から西に動いて見えるから星が動いているという天動説は、ヨーロッパのキリスト教世界で長く信じられてきましたが、理論からも、実際の観測からも今は否定されています。見え方と実際の動きは異なります。

その天動説にアインシュタインは戻ったというわけです。

 (地動説の考え方は、コペルニクスが、イスラム世界の考え方を取り入れたことから始まったということです)