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ブラックホールの写真3
田 敞
朝日新聞(2019,4,18)記事より
(以下{ }内は上記新聞より引用)
問題
{今回撮影されたブラックホール}の写真では円盤の下半分が明るく写っている。
{一般相対性理論では、ほぼ光速で光源が移動すると、進行方向に強い光が発せられるとされる。}
{国立天文台の本間希樹教授は「周囲のガスがブラックホールと同じ方向に回転している可能性が高い」と説明。ブラックホールは下側が地球向きに自転している可能性があるという。}
考察
1 {ブラックホールは下側が地球向きに自転している可能性があるという。}
ということは、円盤はそれと同じ方向に回転しているということになる。円盤の下側が地球に向かって動いているということのようだ。
すると、円盤はレコード盤の回転のように、面に対して水平に回転しているのではなく、面に対して垂直に回転していることになる。星ができるときにできる円盤とはまるで違った回転だ。
(1)遠心力との関係
この回転では、回転軸が、円盤を上下に分ける円盤の直径の線になる。
すると、軸に近いところは、ほとんどその場で回転することになる。その場の回転だから、ブラックホールに対する遠心力はほとんどなくなる。すると、その部分の物質はブラックホールに落ち込んでしまう。写真のような円盤にはならない。
(2)光の写り方と、円盤の回転速度
また、地球に対しても、軸に直行する直径の交わる円盤部分(写真の一番下側)が、地球に対して一番速度が速く、そこから遠ざかるにつれて速度が遅くなる。すると、観測される光の強さが変わることになる。ところが、この映像では円盤の下半分がほぼ均一に光っている。速度の差が出ていない。不思議な現象である。
(3)回転する円盤
普通、円盤はレコード盤のように回転する。降着円盤という。それだから、遠心力が発生し、円盤はブラックホールになかなか落下しない。円盤の回転はブラックホールの引力によって発生しているから、引力に見合う遠心力が発生するからなかなか落下しない。それは太陽系の惑星が太陽に落下しないことや、月が地球に落下しないことや、土星のリングが土星に落下しないのと同じ原理である。また、星ができるときにできるガス円盤も、水平に回転している。その中から惑星が生まれる。また、極から、ジェットが噴き出す。このブラックホールと同じような形である。円盤の回転方向は違うけれど。
このように、リングの下側が地球向きに回転しているというのは他では考えられない現象である。
(4)ドプラー効果
このリングの回転だと、地球に近づいてくる下側の光はドプラー効果(相対性理論ではない)で青方偏移し、遠ざかる上側の光は赤方偏移することになる。電波望遠鏡で観測すると、赤方偏移している上側が可視光や紫外線が赤方偏移して電波になるので、より多くの電波領域の電磁波があるので、遠ざかる上側の領域が明るく映るのではないだろうか。近づいてくる下側は、電波が青方偏移して、可視光や、紫外線になってしまうので、電波望遠鏡には写らないことになるので、暗くなってしまうのではないだろうか。光速に近い速度で回転しているということだから、ドプラー効果も半端ないだろうから、青色偏移している下側の領域の電波はほとんどが可視光以上の電磁波になって、電波望遠鏡には写らないのではないだろうか。{一般相対性理論では、ほぼ光速で光源が移動すると、進行方向に強い光が発せられるとされる。}としても、可視光がいくら強くなっても、電波ではないので電波望遠鏡には写らないことになる。
2{{一般相対性理論では、ほぼ光速で光源が移動すると、進行方向に強い光が発せられるとされる。}
(1)光源の移動と光の関係
一般相対性理論ではなく、普通の現象の場合、{ほぼ光速で光源が移動すると}、ドプラー効果で、光は大きく青方偏移するはずだ。すると、円盤から出た光が電波の領域だとしても、ほぼ光速で光源が移動すると、電波として出ていた電磁波は可視光線よりさらに青色偏移し、エックス線や、ガンマー線の領域になるのではないだろうか。すると、これらの光は、電波望遠鏡では見えなくなる。電波望遠鏡で見えているのだから、円盤から出ているのは、エネルギーの低い光である電波であることになる。
(2)相対性理論と、ほぼ光速で移動する光源
{ほぼ光速で光源が移動すると}、特殊相対性理論では時間がほぼ止まります。たとえば、時間の進み方が100分の1に遅くなるとします。すると、地球の1秒間に、円盤の時間の進み方は100分の1になります。すると、地球の1秒間に、円盤は、100分の1秒分しか進めません。円盤の速度が秒速25万kmの場合、地球の1秒間にすすめる円盤の距離は2500kmになってしまいます。地球から見た円盤の速度、すなわち、宇宙空間に対する速度は100分の1、秒速2500kmに落ちてしまいます。
このほかに、ブラックホールのすぐ外では、重力が極端に強くなっているはずですから、一般相対性理論では、やはり時間の進み方が極端に遅くなります。二つが重なると、地球に比べて、時間の進み方が1000分の1になってしまう可能性があります。ブラックホールの内側では時間が止まるのですから、可能性は十分あるでしょう。すると、秒速25万kmで回転する円盤でも、地球の1秒間に250kmしか進めません。宇宙空間に対する速度は秒速250kmです。
するとどうなるかというと、円盤の遠心力が足りなくなります。ブラックホールの強い重力に引きこまれて、あっという間に円盤はブラックホールに落ち込んでしまうでしょう。すると、円盤ができる時間がなくなるでしょう。銀河は、少なくとも数10億年も存在していただろうから、今も、円盤が観測されるということと矛盾します。
また、円盤がブラックホールの内側に落ち込んだとたん、時間が止まるので、円盤はそこから動けません。次々落ち込んでくるガスはそこに溜まり続けるでしょう。
なにが間違っているかというと、速度や重力で時間が遅くなるという、相対性理論が現実世界と矛盾しているのです。
このことは次のことからも分かります。
{ブラックホール本体からジェットが噴出していると確認できれば、本体の回転を強く示唆し、ジェット生成の解明にもつながる。}
一般相対性理論では、ブラックホール本体は強い重力のために時間が止まるということです。時間が止まると、なにものも動けません。宇宙最速の光も、0秒間では、0mしか動けません。時間が止まると、すべてはストップしてしまいます。時間が止まったブラックホール本体は動けないので回転できません。相対論ではそのはずです。ブラックホールが回転しているという考え方は、ブラックホールも時間が止まっていないということが前提になります。矛盾を抱えています。相対論では、相対論効果で時間が速くなろうが、遅くなろうが、止まろうが、現実の物質は地球と同じように動きます。地球時間で考えたときと変わりがありません。この、ブラックホールやその周りの円盤やジェットもしかりです。時間の遅れや、停止は考慮しなくても大丈夫です。地球時間と同じ速度で動きます。すなわち、相対論は考えなくてもいいということです。
(3)強い光が発せられる。
{強い光}とはどういう意味だろう。周波数が高いという意味でしょうか、それとも、量が多いということでしょうか。
この場合、写真では明るく写っていることから述べているので、光の量が多いということなのでしょう。電球1個より、2個が明るくなるということと同じ現象なのでしょう。相対性理論では、光源が動くと、光の明るさが増えるということのようです。
このほかに、上に書いたように、光源が動くと光の周波数が変わります。光が波の性質を持っているから起こるドプラー現象です。光源が動くと、光源の前方に出る光は、周波数が高くなり、後方に出る光は、周波数が低くなります。光速に近い速度で光源が動くと、光の偏移は極端に大きくなります。今回の写真では強度は写っているけれど、偏移は写っていないようです。解像度の問題か、もともとの光の問題かは分かりませんが、写っている電波の偏移を見つけると、もとの光の性質が分かるのではないでしょうか。
(ドプラー効果は相対性理論とは関係ない現象です)
問題2
{撮影されたブラックホールの形はほぼ「真円」だった。いびつな形をしていれば、一般相対性理論の予言と矛盾する可能性があったが、実際のずれは10%以下だった。}
考察
同じ紙面に、ブラックホール上空から噴き出すジェットの想像図があった。ジェットはブラックホールから離れたところから斜め上方に噴出している。このときの円盤の絵は楕円である。なぜかというと、真円の円盤を斜めから見たとして書かれているからである。地球に対して斜めのジェットに垂直な円盤は、おのずと、地球にたいして斜めになるからです。
このブラックホールから噴き出すジェットの写真を、ハッブル宇宙望遠鏡で撮っています。その写真では、ジェットが斜め上方に噴出しています。想像図と同じです。もちろん円盤はガスの中だし小さすぎて写っていません。ジェットの先端も写っていません。
このことから考えると、今回のブラックホールの周りの円盤も想像図のように斜めに映らなくてはならないはずです。斜めなら楕円形に映るはずです。ところが発表された映像では真円に近く写っています。斜めなのに真円に映っているなら、実際の円盤は楕円形であるということです。
もし、このブラックホールの円盤の映像のように、地球にほぼ正対しているなら、ジェットは地球に向かって噴き出しているはずです。ハッブル宇宙望遠鏡の写真と異なることになります。
そのあたりはどうなっているのでしょう。
問題3
{ブラックホールの中心付近から光速に近い速さで噴き出している「ジェット」と呼ばれるガス。}
{ブラックホール本体からジェットが噴出していると確認できれば、本体の回転を強く示唆し、ジェットの生成の解明にもつながる。}
考察
ブラックホールからは、一般相対性理論によると光も出ないというのが定説です。もちろん物質も出ません。ジェットは物質だから、ブラックホールの中心付近からは出てこれないはずです。ブラックホールから出ているジェットの想像図では、ジェットの先端はブラックホールの外にあります。なぜそこから出るのかは、実際に写ってみないと分からないということのようです。
問題4
ジェットがどこから噴出しているかは{今回の撮影でも特定できなかった。}
考察
ブラックホールの想像図では、ジェットはかなりブラックホールに近いところから出ています。円盤の内径くらいの位置です。撮影している範囲の中です。とすると、写っていてもいいはずです。ハッブル望遠鏡でははっきりと映っているのですから。もちろんハッブルの可視光望遠鏡ではその先端は塵の中だから写りません。しかし、電波望遠鏡では写ってもいいはずです。なぜ写らなかったのでしょう。ハッブル望遠鏡で撮った写真では、ジェットはこの銀河の外まで飛び出しています。かなり強力なジェットであるから、その先端が写らないのは不思議です。高温で、光速に近い速度だから電波を出さないということかもしれません。しかし、高温で、光速に近い速度の円盤が電波を出しているのだから、ジェットも電波を出してもおかしくありません。
それとも、想像図と違って、ジェットの先端はブラックホールからずっと離れていて、この映像の範囲の外なのかもしれません。今後の観測を待つしかないでしょう。
問題5
ジェットと、相対性理論
考察
一般相対性理論では、光は空間の曲がりに沿って飛ぶということです。理由は、空間の曲がりが直線だからということです。
ブラックホールの近くは、極端に重力の強い場所です。それは、円盤がほぼ光速で回転しても飛び散らないことから類推できます。ということは、一般相対性理論ではこのあたりの空間は極端に曲がっているということも分かります。(ブラックホールの近くでは万有引力が強いことは、相対論でなくても起こります。万有引力の場合、あるのは引き合う力だけですから空間は曲がりません)
すると、この極端に曲がった空間が直線ということになります。
すると、光はこの曲がりに沿って飛びます。空間の曲がりが直線だからというのが一般相対性理論ですから。直線である曲がりに沿って飛ぶ光は、ブラックホールの周りをぐるぐる回るとまではいかなくても、螺旋を描いて飛ぶことになるはずです。{遠くの光が曲がる「重力レンズ効果」を補正して計算した}とありますから、それを補正しているのでしょう。ただ、遠くの光だけでなく、近くの光も曲がります。なぜなら、遠くの光も、近くの光も、ブラックホールの近くの空間の曲がりに沿って飛ぶからです。光源が遠い近いは関係ありません。空間の曲がりはブラックホールの近傍で起こっている現象なのですから。
すると、ジェットも、ブラックホールの近辺から真っすぐ飛びだすと、空間の曲がりに沿って飛ぶはずです。空間の曲がりが真っすぐなのですから、真っすぐ飛ぶということは、空間の曲がりに沿って飛ぶということですから。
すると、地球から観測すると、光と同じように曲がって見えるはずです。
ところが、ハッブル宇宙望遠鏡の写真では、ジェットは真っすぐ飛んでいるのが写っています。エディントンの観測した太陽近傍の星の光のようには曲がっていません。太陽の重力でさえ曲がるのに、ブラックホールの近傍ではどうして曲がらないのでしょう。
物質は空間の曲がりに影響されないのでしょうか。一般相対性理論では、空間の曲がりが直線です。光も、物質も真っすぐは真っすぐですから、物質が真っすぐ飛ぶと、地球から見ると曲がることになります。
ハッブルのジェットの写真と相対論は相いれません。
まとめ
万有引力では円盤は水平に回転します。多くの例があります。しかし、この円盤は垂直に回転しているといいます。ジェットも写っていません.円盤の向きが地球に正対しています。ハッブル宇宙望遠鏡の写真と一致しません。相対性理論なのに、速度や、重力で時間が遅くなることも考慮されていません。
このように、不可思議なことが起こっているのが今回の映像です。なぜでしょう。相対性理論で解析したからではないでしょうか。
実際の物質の動きは相対論とは異なります。相対論に無理やり合わせると矛盾がいっぱい出てきます。物質の動きが間違っているのか、相対論が間違っているのか、どちらかです。
2019年(令和1年)5月1日記 田 敞