南イタリア中心のツアーだったが、最後はちゃんと勝手知ったるホームグランドのミラノへ。この日はオプショナルツアーで、僕のイタリアの「実家」があるモデナへご案内。(お一人はミラノに残り、もうお一人はボローニャに出かけ、それ以外全員参加)目的は二つ。まずは2年ぶりに「実家」に行ってイタリアの家族に会ってくること。もう一つは皆さんをバルサミコ酢醸造元へご案内すること。目下パドヴァ在住で、以前はモデナの隣にあるボローニャに住んでいて、この一家とも親しくしている後輩のソプラノの木村暁子に来てもらった。僕がこうしてBevilacqua家のみんなと食事している時間、木村には参加者の皆さんを美味しいレストランにご案内してもらい食事が済んだところで合流、Bevilacqua家の長男Marioに先導してもらって醸造元へと行った。さて、上の写真左のRinaは87歳。心臓にペースメーカーが入っているし、循環器系が良くないので足がむくんで歩くのがつらそうだったが、幸いなことに頭はぼけておらず、食欲もあり一安心。僕の左のCheccaはお嫁さんで、写真に写っていないご主人Mauro(リナの次男)はあのパヴァロッティの友人で、この家で僕はパヴァロッティと食事をしたこともある。MauroとCheccaにはこの数週間後に初孫が誕生。Checcaの左はこれまた同居する(広い3世帯住宅)彼女のお母さん。こちらもお元気でなによりだった。本当に素敵な暖かい人たちです。 |
今や日本でもすっかりおなじみになったモデナ特産のバルサミコ酢。そこいらのスーパーでも売ってる安物と違って、ここで作っているのは伝統的手法で作られるホンモノ。僕は二軒こうした醸造元とおつきあいがあるが、こちらはモデナの郊外にあるペドローニさん。何度もコンクールで優勝している名醸造家だ。ここはその貯蔵庫で、中には甘酸っぱい香りが充満している。この樽からすくった極上の24年ものを味見させてもらいその美味に感激、見学後皆さんは(勿論僕も)お土産に何本も買い込んでしまいました。このお土産をもらった方はラッキーでしたね! |
ペドローニさんの庭に大きなドングリが・・・。比べるものが周りにないのでわからないが、長さはゆうに4センチちょっとはあろうという立派な実がたくさんなっていた。ここではバルサミコ酢だけではなく、やはりモデナの名産である、アマーロのようなくるみのリキュール「ノチョーラ」や、赤の発泡性ワイン「ランブルースコ」も作っているので僕は併せて購入。おみやげがどんどん重くなってしまった。ランブルースコはとっくに飲んでしまったが、ノチョーラはもったいないのでちびちびやっていて、まだだいぶ残っている。 |
![]() ペドローニさんの近所の教会。なかなかいい色に塗られていた。周りはランブルースコやトレッビアーノといったワイン用のブドウ畑。鶏が放し飼いになっていたり、豚の鳴き声も聞こえてきたりというのどかな田園地帯。熱く太陽が照りつけ残暑厳しく、夏が復活した最後の日だった。 |
モデナからの帰り道ポプラ並木に沈む夕日。後日日本に帰ってから、テレビでナポリ郊外のソンマ・ヴェズヴィアーナ古代ローマ遺跡発掘の番組が放映された。その番組のエンディングでやはり美しい夕日が最後に映し出されていたのだが、その時字幕に「9月21日夕方」とあった。これと同じ夕日だったわけだ。数日前まで滞在していたナポリでも美しい夕焼けだったようだ。 |