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2001.08.06 2,5-ジブロモ-p-ベンゾキノン合成 (18

今日は、合成の1段階目としてヒドロキノンに臭素2当量を 求電子置換反応させて2,5-ジブロモヒドロキノンを合成する反応を 行った、が結晶が出るはずのところで極少量しか生成せず。
使用量の検討を行ったところ、臭素が必要量の7割しかなかったこと が判明。臭素置換ベンゼンは元に比べ置換活性が低くなるので、 反応容器中にはヒドロキノン30% + ジブロモ体70%ではなく、 モノブロモ体60% + ジブロモ体40%となっていると考えられる。 実験書には多段階再結晶&濃縮で最終収率87%とあるので、 はじめの結晶化分でほとんど出てこないのも納得がいく。
今度不足の臭素を継ぎ足してみることにし、今日はおしまい。


2001.08.07 Friedel-Craftsアルキル化による1,4-ジ-t-ブチル- 2,5-ジメトキシベンゼンの合成(II)

以前に失敗したFriedel-Craftsアルキル化に再挑戦。
濃硫酸でt-ブチルアルコールからt-ブチルカチオンを生成し、 p-ジメトキシベンゼンに求電子置換反応を行った。 乾燥させて再結晶させると無色の板状晶が生成した。 濾取と秤量はまだ。

C6H2(C4H9)2(OCH3)2
fig.17 1,4-Di-tert-butyl-2,5-dimethoxybenzene

CAS Number []


2001.08.08 Friedel-Craftsアルキル化による1,4-ジ-t-ブチル- 2,5-ジメトキシベンゼンの合成(III)

一晩放置したら溶媒が全部とんでしまったので、 再結晶をやり直した。無色の薄い板状晶。
粗生成物の濾取時に、濃硫酸のため濾紙が溶けてしまって細かい 生成物を失ったためか、収率はかなり低い。


2001.08.09 2,4-ジメチル-6,7-ベンゾ-1,5-ジアゼピニウム 硫酸水素塩の合成 (19

o-フェニレンジアミンとアセチルアセトンを酸触媒で縮合させて 環化させ、共役鎖をもった環状シアニンを合成する実験。
o-フェニレンジアミンの酸溶液にアセチルアセトンを加えるとすぐに 呈色し、硫酸を滴下したところ、多量の塩が沈殿した。 塩は紫色の針状または細い柱状の結晶。

C6H4(NHC5H7NH)+
fig.18 2,4-Dimethyl-6,7-benzo-1,5-diazepinium ion

CAS Number []


2001.08.21 ジフェン酸の合成 (20

アントラニル酸をジアゾ化し、これを銅(I)イオンの存在下還元的に カップリングしてビフェニル誘導体のジフェン酸を合成する実験。 今日はカップリングの終了まで。
水酸化銅(I)の黄色は普段見慣れていないので新鮮。


2001.08.22 ジフェン酸の合成(II)

今日は昨日得た青色の反応溶液を攪拌後加熱還流して、得られた 緑色溶液を酸性にして生成物を遊離させた。濾取と洗浄、 再結晶はまだ。

(C6H4COOH)2
fig.19 Diphenic acid
1,1'-Biphenyl-2,2'-dicarboxylic acid
CAS Number []


2001.08.23 ジフェン酸の合成(III)

昨日遊離させた生成物を濾取したところ、土のような茶色の固体を 得た。 これを精製するのに炭酸水素ナトリウムでまず中和したところ、 ひどく泡立ち、この泡の始末で今日のところは終了。
脱色と再結晶は今度。


2001.08.27 ジフェン酸の合成(IV)、 ベンゾイン縮合によるベンゾインの合成 (21

精製の続き。活性炭と煮沸して濾過してみたが、液色は変わらず。
酸を加えて生成物を析出させてみたところ、淡褐色の粉末状固体を 得た。 色がまともな有機化合物っぽくなったので、これで精製は終了。
今日はベンズアルデヒドをチアミンを触媒として縮合させる ベンゾイン縮合の実験もはじめた。一晩放置してベンゾインが 生成するのを待つ。


2001.08.28 ジフェン酸の合成(V)、 ベンゾイン縮合によるベンゾインの合成(II)

ベンゾイン縮合の反応液を冷却し、攪拌棒でこすったりして みたが、全くベンゾインの結晶が出てくる気配がない。
よく見たらベンズアルデヒドの試薬瓶の底に安息香酸の結晶が 大量に析出していた。要蒸留らしい。反応液はもう一晩おいて みるが、どうも安息香酸の妨害で反応が進んでないようだ。
ベンゾインが得られず、その先の実験予定は潰れてしまったので、 昨日得たジフェン酸をもう一度精製してみた。がほとんど変化せず。 そのうち純度の試験をしてみるかな。


2001.08.29 ベンゾイン縮合によるベンゾインの合成(III)

今日はベンズアルデヒドの蒸留。といってもその準備まで。


2001.08.30 ベンゾイン縮合によるベンゾインの合成(IV)

ようやくベンズアルデヒドを蒸留してベンゾイン縮合を開始。 今日は、ベンズアルデヒドを加えた瞬間にチアミンが安息香酸に 潰されるといったことはなかったと見えて、加えてもさほど液色の 黄色に変化なし。どうなることやら。


2001.08.31 ベンゾイン縮合によるベンゾインの合成(V)

結晶化。今度はちゃんとベンゾインの結晶が生成した。 無色の針状晶。まともな結晶を見たのは3週間ぶり。何か嬉しい。
ベンゾインが得られたので、これをさらに変換していきたいのだが、 収量が少なく(収率が非常に悪く...どうしたんだろ)、 必要量が確保できていない。 ということで次回もベンゾイン縮合をベンズアルデヒドの 蒸留からする見込み。

C6H5COCH(OH)C6H5
fig.20 Benzoin
2-Hydroxy-1,2-diphenylethanone
CAS Number []


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