1-ナフトールを出発物質として、2,4-ジニトロ-1-ナフトールの
アンモニウム塩(マルチウスイエロー)と、
2,4-ジニトロ-1-ナフトールの誘導体を順次合成する実験。
今日は1-ナフトールをマルチウスイエローに変換した。
2,4-ジニトロ-1-ナフトールの少量をを保存用にエタノールから
再結晶させたが、時間までには結晶が成長していなかった。
fig.7 Martius Yellow
2,4-Dinitronaphthalene-1-ol ammonium salt
CAS Number []
2,4-ジニトロ-1-ナフトールの黄色針状結晶ができていたのでこれを
濾取した。
今日はマルチウスイエローから色々な誘導体を得ようとしたが、
どうやらこれを還元して得られる2,4-ジアミノ-1-ナフトールを
劣化させてしまったために、誘導体が生成しなかった。
マルチウスイエローの関連化合物の合成は、マルチウスイエローを
使い尽くしたためにいったん終了。
残りの時間でサリチル酸をアセチル化してアセチルサリチル酸を
合成。それらしいものを得た。
fig.8 Acetylsalicylic acid
2-(Acetyloxy)benzoic acid
CAS Number []
フェノールと無水フタル酸から酸塩基指示薬の
フェノールフタレインを合成した。
生成物は緑がかった光沢のある黒色固体だったので、
明日精製する。
昨日得た生成物は、フェノールフタレインを含んでいて、 アルコール溶液はアルカリで赤く呈色したものの、 全体としては何だか分からないものだった。
fig.9 Phenolphthalein
CAS Number []
再度フェノールフタレインの合成を行い、水に溶けない淡色の
結晶性固体を得た。
この固体はエタノールには溶けて、この溶液を塩基性水溶液に
加えたところ赤く呈色したので、この固体はフェノールフタレインの
粗結晶であると考えられる。
思いつきで(というか、「基礎有機化学」(H. Hart著)の中で見つけた
からなのだけれども、)フェノール-イミンである
2-ヒドロキシベンザルアニリンをサリチルアルデヒドとアニリンから
合成した。ともに液体である反応物質を混合するとすぐに黄色の沈殿
が生成したので、これを濾取した。精製、結晶化は次回。
とりあえず一昨日合成して得た固体がエタノールに溶け、
これに水を加えた混合溶媒には溶けにくく、氷冷によって結晶化した
ので、この方法で結晶化を行った。その結果、黄色の結晶を得たが、
あまり綺麗な結晶にはならなかった。
2-ヒドロキシベンザルアニリンは、「基礎有機化学」によると、
フェノール-イミン(淡黄色)から光の照射によってケト-エナミン
(赤色)に変化し、暗所でまたもとのフェノール-イミンに戻る
フォトクロミズムを示すとあったが、今回得た生成物を半日
日光に曝しても色の変化は見られなかった。
このものが2-ヒドロキシベンザルアニリンであるかどうかは今後
検討する。
fig.10 2-Hydroxybenzalaniline
2-[(E)-(phenylimino)methyl]phenol
CAS Number []
p-ニトロトルエンを塩基性下でグルコースにより還元し、
アゾキシ化合物の4,4'-ジメチルアゾキシベンゼンを合成する実験。
黄褐色の不快な臭いのする固体を得た。
fig.11 4,4'-Dimethylazoxybenzene
Bis(4-methylphenyl)diazene oxide
CAS Number []