グリシンと水酸化銅(II)から銅錯体であるビス(グリシナト)銅(II)
を合成する実験。
水酸化銅(II)にグリシンの水溶液を加えて加温したのち放冷すると、
はじめに淡青色の細かい針状晶(cis-体)が得られ、これに水を加えて
加熱し撹拌すると淡紫色の細かい板状(?、ともかく針状ではない)晶
(trans-体)に異性化した。
fig.12 cis-Bis(glycinato)copper(II)
CAS Number []
fig.13 trans-Bis(glycinato)copper(II)
CAS Number []
紫外光を当てると蛍光を発する色素のフルオレセインを久しぶりに
合成した。
無水フタル酸とレゾルシノールのモル比1:2混合物を塩化亜鉛で
脱水縮合する方法と、混合物を濃硫酸で脱水縮合する方法の2通りの
方法で行った。
今日は合成完了までで、生成物の分離は今度。
gif.14 Fluorescein
3,6-Dihydroxyxanthene-9-spiro-1'-3H-isobenzofuran-3'-one
CAS Number []
フルオレセインの合成では、濃硫酸で縮合させた方からは
フルオレセインの赤黄色粉末が得られた。
一方塩化亜鉛を用いた方は、精製の最終段階で褐色の粘性のある
液体になってしまった。
今日は、2-アミノアントラキノンを水酸化カリウムと融解して
縮合させて青色の堅牢な染料であるインダントロン
(インダンスレン染料の一つ)を合成する実験も行った。
fig.15 Indanthrone
CAS Number []
今日はサークルオリエンテーションのためあまり実験は 行わなかったが、アルカリ融解によって得られたものを還元して 精製した。
インダントロン合成は、昨日還元して精製した青色の塩を酸化して
インダントロンに戻し、これを得た。
ほとんど黒色の粉末で、微量をとると青く見える。
今日は、この間行った銅グリシン錯体の合成実験と硫酸触媒による
Frieder-Craftsアルキル化の実験も行ったが、時間に押されて
急いだためか、どちらも失敗した模様。
銅錯体の方は、不純物の除去の方法を考え中。
Frieder-Craftsアルキル化の方は、生成物を失ってしまったので
いったん終了。反省すべきこと数多し。
先週の実験で得た銅錯体(cis-体)の沈殿のうち、純粋な部分を
とって水を加えて加熱してtrans-体の結晶を得た。淡紫色の板状晶。
今日は、昨年の5月に合成した緑色のコバルト錯体も発見。
今日の実験は見学会での演示。
今日の生成物は暇なときにでも精製するか。
今回も実験見学会での演示。今回はフェノールフタレインを 合成しようと思ったが、原料のフェノールを準備段階で試薬瓶から 量りとっておいたところ、予備実験の時にもう既に水を吸っていて 具合が悪かったので、急遽同様の反応機構で合成される フルオレセインの合成を演示することにした。