ジャスミンの風

                                         
                                           
T マラウイの地質



T.マラウイの地質


 マラウイは汎アフリカ変動帯に属しており、紅海からアフリカ東部を6,000km余りに亘って南北に縦断する断層陥没帯(=東アフリカ大地溝帯;
Great Rift Valley)の内の最南端「ニアサリフトバレー」内に位置する。約4,000万年前に始まったこの東アフリカ大地溝帯の活動は現在も続い
ており、キリマンジャロ山やケニア山などの火山はその名残りである。この大地溝帯は今なお1年に5mmぐらいずつ開いていて、今後1億年続く
とすればアフリカ大陸は500km幅の大海峡で2つに分裂するであろう、と見積もられている。

南北に細長いマラウイ湖はこの時生じた断層湖で、最大水深は706mに達する。西湖岸のリビングストニア山にマラウイ・リフト(3km以上の厚さ)
の一端が露出しているのが見られる。

 マラウイの地質は大きく4つに分けられる。基盤を形成するBasement Complexは6億年ほど前に出来たものでマラウイ全体の85%を占め、花
崗岩や片麻岩等から成る。コランダム(ルビー,サファイア)を初めとする各種宝石や大理石・ひる石さらに金やプラチナ等の貴金属も包含されてい
る。これを覆う堆積岩や火成岩から成るKaroo Systemは当国の経済を担うとされる石炭やウラニウム鉱床を含んでいる。Chilwa Alkaline
Provinceはカーボナタイトと呼ばれる特殊な鉱物や霞石閃長岩から成り、希少鉱物やリン鉱石・ホタル石等を産出する。マラウイの南部に位置
する同地域においては1986から1988年にかけて日本の金属鉱業事業団によって詳細な鉱床探査が行なわれた。さらに今から1億年前以降に
生成したUpper Jurassic- Quaternary Sedimentsの中でも比較的新しい第3紀および第4紀層中には、石灰岩やカオリナイト粘土・ボーキサイ
ト(アルミの原料)・シリカサンド(チタンを含む)等を包含している。また漂砂鉱床として河川の砂礫中で見つけられる金(砂金)もこの中に含まれ
る。

 なお上述のマラウイ・リフトから成るマラウイ湖およびそれから流れ出るシレ谷下流域は、石油や天然ガスの胚胎も期待されている。

一方、地質図を眺めているとHot springという名称が各地に見られるが、火山活動はなお活発であることを暗示しており、地震も皆無とは言えな
いと思われる。






東アフリカ大地溝帯


東アフリカ大地溝帯の崖面




マラウイ・リフト






マラウイの地質図



                                         
                                           


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