ジャスミンの風

                                         
                                           
はじめに



はじめに



 短期SVとして3月末にマラウイへ来て、はや任期を終えようとしている。指導科目は「非金属鉱物資源」ということで、このたびJOCVからこの
「マラウイの鉱物図鑑」の原稿作りを依頼された。ちょうど当国の採掘現場を走り回って(総走行距離3,000km以上)まとめたものがあり、また当
初の目標の一つとして、マラウイの子供たちの教育・文化機関として鉱物資源博物館のような学習・啓蒙施設ができれば……ということもあった
ので、二つ返事で引き受けることになった。
 もとよりここに紹介した鉱物類は当国で産出するもののほんの一部であり、全体を網羅 したものではない。将来はもう少し内容を充実させて
英語あるいはチチェワ語に訳し、現 在所属している「マラウイ産業技術研究所」に残していくことにしている現場で採取した 鉱物の標本箱と合
わせて、当国の一般の人たちへの案内書(ガイドブック)、また子供たち の学校での教材にでもなれば……と思ったりしている。
 特に宝石については想像していた以上の種類のものがあるが、東アフリカ大地溝帯の南端部に位置する当国でこれらが産出されても何の不
思議もない、と思われる。ダイヤモンドを含む可能性のある鉱物も賦存しており、ジャカランダの花の紫色にも似ているタンザナイトの例を出す
までもなく、大自然に恵まれた当国で新しい宝石が見つかるかも知れない。その意味では、マラウイはリッチな国と言えよう。そんな夢を持たせ
る図鑑になれば本望である。



            2006年10月 ジャカランダの花の散り始めたブランタイアにて

 

                            横 山 羌 泰      





                                         
                                           


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