ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 2-7





一日おいて13日の早朝(7:00発)のエアマラウイ便で、今度はタンザニアの首都ダルエスサラームに向かいました。
インド洋に面した当地は標高が低いせいかマラウイに比べると蒸し暑い。早速市内のJ社を訪ねて、対応してくれたタンザニア大好きという女
性社員から国内便の航空券や種々の書類を受け取り支払いを済ませました。

近くの国立博物館等で時間つぶしをした後搭乗したエアタンザニアは予定よりも20数分早く離陸。20:00に着いたキリマンジャロ空港から65km
ほど東側にあるモシの街(キリマンジャロ登山の玄関口)へタクシーで向かいました。空には星が見え、明日のキリマンジャロ山を身近に臨むの
を夢みながらベッドイン。




翌早朝起きたところ、予期に反してあいにくの曇り空。宿舎の周辺をうろついてみるがいっこうに晴れる様子はありません。レセプションの係員
に聞いてみると、キリマンジャロ山は午後か明日には見られるだろうとのこと。
どこかで聞いたような文言だなと思って考えてみると、ここはモスレム(イスラム教徒)が多く住む所で宿舎のすぐ近くにはモスクも建っています。
「インシャアッラー(神の思し召しがあれば…)」ということである。聞くと彼もモスレムとのこと。もうすぐラマダン(断食月)が始まるらしい。


キリマンジャロ山を臨むのはあきらめて、朝食後、待ち合せたサファリドライバー兼ガイドJohnの車に乗り込んでサファリに出発。ジャンボ !!(ス
ワヒリ語で「こんにちわ」)。
道の両側は一面のと うもろこし畑で、今は収穫の時期とかで家族総出で刈り入れをしている光景があちこちで見られました。コーヒー畑も所々
にあります。アルーシャの街を通り抜けてひたすら西に向かって猛スピードでひた走る。
2時間ほど走って着いたのがマニヤラ湖国立公園。眼下に広がる広大なマニヤラ湖。草原の上にはインパラ・バッファローが群れており、優雅
に歩くキリンの姿も数頭見える。また遠くに広がる湖にはペリカンやフラミンゴの群れ、湖畔をユックリと散策する一頭のカバ。さらには、見られ
ないと思っていた木登りライオンが枝の上で足をダラ〜ンとして寝ている姿も間近に…。また待望のアフリカ大地溝帯の一部が露出している大
きな崖面にも遭遇。どれもこれも素晴らしいながめで感激しました。

昼食後、更なる期待を胸にンゴロンゴロに向けて出発。舗装道路がンゴロンゴロ自然保護区の入口で地道に変り、ガタゴト揺られながら夕刻
に到着。外輪山の上から眺めるクレーター内(直径20数kmで世界最大のカルデラ) は壮大で、池あり草地ありブッシュありで雄大の一言に尽き
る。はるか下にバッファローの群れや象の動いているのが見渡せる。



寝そべるライオン




この日はこの外輪山の上に位置するロッジで一泊。欧米系の若いカップルや熟年のグループが多く、夏休みが終ったせいか日本人に出会うこ
とはありませんでした。
バイキング方式の食事や雰囲気も満足できるものでした。


ンゴロンゴロのクレーター



翌15日は7:30にゲームドライブに出発。突然道路の脇上の朝もやの中から大きな象が現れて驚かされました。600m下のクレーター底面まで
下りて行くに従って視界はよくなり、ハイエナやヌー・シマウマ・バッファロー・キリン等が数限りなく現われ、さらに単独行動のダチョウ・象の家
族・ガゼルの群れ・かんむり鶴,大きな池の中ではカバの大群・ひょうきんなイボイノシシ等も見られました。草むらに隠れている2頭のヒョウも…
…。
Johnからは「ストップという声をかけてもらえればいつでも止まるから」と言われていたが、首にぶらさげた双眼鏡を覗いたりカメラで撮影する
のに追われて、忙しいことこの上ない状態。さらに驚いたことに、ライオンの群れの近くで停車していた時には、大きな雄ライオンが車の下の日
陰に入り込んで寝転がってしまいました。動くに動けなかったのですが、しばらくするとゆっくりと起き上がって出て行ったのでやっとのことで移
動可能となりました。


車の影で寝転ぶライオン



ランチボックスでの昼食後、今度はセレンゲティ国立公園に向かう。途中立ち寄ったオルドヴァイ渓谷は最古(数100万年前)の人類発祥の地ぁ
w)ニ言われる場所で、現地担当者から発掘の状況等の説明を受けながら正面に広がる採掘跡を眺めて当時の状況に思いを馳せることしば
し。

再びセレンゲティに向かう途上にはマサイの集落が所々にあって、赤い布を着て杖を持ったマサイ族の青少年が牛や山羊を追っているのを見
掛ける。水の入った袋を背中に抱えたりして運ぶ女性たちの地位は低く、一夫多妻制とのこと。

マサイ族



我がサファリ車はでこぼこ道を猛スピードで走るので舞い上がる砂塵がすごい。他の車を遠くから見るとまるで砂漠を走るキャラバン隊のよう。
たまに地上から巻き上がって走り回る竜巻も見掛ける。
セレンゲティの区域に入ると、一本道の両側に見えるのは見渡す限り地平線のみの荒野という感じ。やがてサバンナ〜ブッシュ〜低木〜中木
と景色が徐々に変わって行き、途中でパラパラと雨に見舞われるが大したことはなく、18:30過ぎにようやくセレンゲティの北部にあるロッジに
到着。



16日はくもり時々晴一時雨という天候だったが、ロッジからは草原上を優雅に歩く3頭のキリンや一心に草を食む2頭のバッファローが見下ろ
せ、清清しい光景でした。8:00にロッジを出掛けたゲームドライブでは、岩の上に悠然と寝そべる雌ライオンや気持ちよさそうに砂浴びをする
象,木陰で母ライオンが捕った動物の肉を目の前にしてこちらをキョトンとした目で眺めている子ライオン。さらにはハンティングしたばかりのイ
ンパラの肉を川の縁で貪る2頭のチーターのそばでその様子をしばし見入りました。





周りには水を飲みに集まった多くのシマウマたちが今や遅しとチーターの立ち去るのを待っています。チーターが少しでも肉の前を離れるとい
つの間にか集まって来たハゲワシたちが残り肉に群がります。
木々を盛んに揺すってキャッキャと吼えるヒヒたちの声も聞こえます。


ロッジに一旦引き返して昼食を摂り、展望台から雄大な風景を眺めながら休息。14:30に今度は中部地区を目指して出発。象・キリン・バッファ
ロー・ジャッカル・インパラ・ガゼル等が次々に色んな場所で姿を現わす。木の上でガゼルの肉を食べる斑点模様のヒョウを見つけ、しばしスト
ップして眺める。
他にも原色の美しい鳥たちやベルベットモンキー・ダチョウ・ヌー等も見掛ける。

ダチョウ



ヒヒ



また捕獲したばかりのシマウマの肉を食べる数頭のライオンの周りではそれを狙うブチハイエナがウロウロしており、時折雄ライオンが威嚇し
て追い払おうとする、がしつこく近づいて行く風景。こんなに度々ライオンに出会えるのは運がよかったとJohnに言われました。

ライオンの食事を狙うハイエナ




立ちっぱなしで相当疲れたところで中部地区のロッジに到着。心地よい疲れをバスタブに浸かって癒しながら、共生している野生の王国のあり
さまを振り返ることになりました。




17日はサファリ最終日。
8:30にロッジを出発して一路アルーシャに向かって帰途に。途中でもライオン・キリン・インパラ他多くの動物や鳥たちに出くわしました。



15:00頃着いたアルーシャの街外れにある店で、待望のタンザナイトの原石をルビーの原石と共に入手(いずれもこの周辺に産地あり)。

タンザナイトとルビーの原石



見上げると空は快晴。Johnに訊ねると今日は90%ぐらいの確率でキリマンジャロ山が見えるとのこと。気持ちがはやるばかりであるがまだ遠
い。やがて左前方に当国第二の高峰メルー山が見えて来る。頂上付近は白い雲で覆われているが、徐々に取除かれて行くのが眺められる。
アルーシャの市街地からこのメルー山を反時計回りに周って走ること30分余りの郊外でようやくストップ。

17:00。刈り取った後のとうもろこし畑前方かなたに火山特有のなだらかな裾野を持つキリマンジャロ山が見える。頂上はうっすらと雲に隠れて
いるが、やがて氷河をいただく頂上付近が現われて来る。念願のキリマンジャロ山 !!。しばらくの 間、このアフリカの最高峰(標高5,895m)の雄
姿ををじっと眺め続ける。

夕景のキリマンジャロ


ここからキリマンジャロ空港まではすぐの距離。

18:00に空港前に到着。ここでJohnとはお別れで、充分満喫出来たというお礼を言ってチップを手渡す。アサンテ・サナ !!(スワヒ リ語で「どうも
ありがとう」)。
折りしも夕陽が沈むところで、空港の前で茜色から紫紺色に変りゆくキリマンジャロ山の頂上を満足感一杯でジーっと眺め続ける。やがて暗青
色になって見えなくなりました。まさにキリマンジャロ山一帯の夕暮れ時の青紫色を模したとされるタンザナイトの色そのものである。一時はあ
きらめかけただけに胸いっぱいで21:40発のエアタンザニアに乗り込みました。期待通りの成果が得られたタンザニアの旅でした。



翌18日、ダルエスサラームの宿舎で目覚めた時には雨。昼前に到着したブランタイア空港を出たところでは、かなり咲き出した紫色のジャカラ
ンダの花が目に優しく迎えてくれました。考えてみればタンザナイトを思わせる色です。それ以降、街中でジャカランダを目にする度に待ち焦が
れていたこともあって、両者の思いが重なり合ってウキウキした気分になります。



以前に訪れたマラウイ内のリウォンデ国立公園(マラウイ湖から流れ出るシレ川沿いにあって、カバや象等が沢山見られます)での写真を添え
ておきます。

シレ川の夕景








↑ ナイルわに



カバと象 ↓



Zikomo Kwambiri !! (=Thank you very much.)






                                         
                                           


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