ジャスミンの風
マラウイ便り 7-1
Mwadzuka bwanji ? (=How have you woken up?)
これで始まるいつもの朝のあいさつがようやくスムーズにできるようになったと思ったところで、年の瀬も押し詰まり当地滞在も1ケ月を切りまし
た。
こちらは雨季に入って曇り空が多くたびたび雨が降ります。激しい雷雨もあります。昼間の気温は30℃ぐらいで少し歩くと汗ばみますが、雨の
後はかなり涼しく過ごしやすくなります。
JICAからは帰国時の段取りの連絡が入るようになり、帰国モードになりつつあります。
今回最後のマラウイ便りをお届けします。
11月半ばにMinistry of Finance(財務省)の現場監査?があり、調査所の所長は別用で行けないとのことだったので案内して来ました。相手は
女性一人を含む3名で2日がかりでした。残っていたテント宿営地から現場へは1kmほどで歩いて30分ぐらいで行けるのですが、彼らは当方の
説明をそこで聞いただけで「現場はまた……」とのことで、特に問題無く終わりました。
12月9日に現場作業が再開され、トラックで再びテント宿営地に向かいました。メンバーは賄いのおばさんを入れて4名で、皆前回とは違った顔
ぶれになりました。
現場では毎日のように雷雨に見舞われたのですが、雨上がりには調査している丘にかかる大きな虹が見られたり(ダイヤモンド探査にとって良
い兆候だと喜んでいるのですが)、テントの周りでは夜に目の前を蛍がスーッと飛んで行くのを何回も見かけました。夜空には時折流れ星が眺
められたりもして、自然の恵みの有難さを感じました(テントのそばまで長さ1mほどの毒蛇が来たこともありました)。
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現場の丘に架かる虹 |
ちょうど今はマンゴーの収穫時期で、現場周辺でも緑色や黄色の実をたわわにつけた樹が至る所にあります。甘くてみずみずしいので、一日
に何個も口にしました。
帰りにも10ケほどもらって来ました。前回に続いてホロホロ鳥も食べました。やはりチキンと違って、コクがあり噛み応えもあっておいしいです。
どちらも現場では重宝しました。
テントの前で朝食 |
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14日(金)には近くの村から出る車に便乗し(途中で激しい雨に出会い、荷台に乗っていたのでずぼ濡れになりましたが)、Mangochiの街でミニ
バスに乗り換えてZombaまで帰って来ました。3時間半余りかかります。ちなみにMangochi〜Zomba間(≒280km)のミニバス運賃は400円ほど
です。
翌土曜日に、調査所の受付をしている女性の次女の結婚式と披露パーティに招待されていたためで、朝から式の会場の教会の集会所(8時開
催が9時に変わっていました)に、午後には1923年設立という老舗のゴルフクラブのホールで催されたパーティに出掛けて行きました。
結婚宣誓書
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紙幣投げ入れ風景
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娘さんは18才、相手も23才とどちらも若くて、学校で知り合ったそうです。式もパーティもキリスト教国なので通常のものとあまり変わらないので
すが、何といってもアフリカ式の大音響の音楽に合わせての踊りながらの紙幣投げ入れが当国の特徴です。当方も銀行で小銭に交換した紙
幣を持って参加しました。
赤ちゃんを背負ったお母さんも派手にリズムをとって踊ります。
途中で当地恒例の停電で音楽が途切れたり、また激しい雷雨に見舞われたりというハプニングがありましたが、皆平気です。
彼らを見送ってホテルへ帰って来たのは17:30を回っていました。
翌日(日曜日)に現場へ帰ったのですが、Mangochiの街からの道中が大変でした。
待ち合わせ場所のスーパーの前に行ってみると、期待していた車の代わりに現場で雇っている男性が自転車を持って待っていました。そこから
現場まで25kmあまりは登り道で大丈夫かなと思ったのですが、他に方法がありません。仕方なく自転車の荷台に乗って走り始めました。
途中飛び出して来たヤギと接触し転倒したりして、案の定2,3km行ったところで後ろのタイヤがパンクしてしまいました。最寄りの村で修理してい
るところに、現場近くまで行くという車がやって来てこれ幸いと乗せてもらいました。が、10kmほど山道を走ったところにあるちょっとした集落でこ
こまでということで降ろされてしまいました。
現場の近くの村で |
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現場まではまだ10kmほどあります。肩掛けバッグとリュックサックを持っていたのですが、歩くことにしました。多少のアップダウンはあるが全体
的には緩い登り道で、途中何度か休憩しながらいくつかの小さな集落を通り抜けて行きます。
出会った何人かの村人たちには自転車に乗って行けと誘われたのですが、丁重にことわりました。
空は曇ってはいたが幸い雨には至らず、一本道を2時間あまり歩いてテント宿営地には17:00前にたどり着きました。Mangochiの街から実に5
時間かかったことになります(車では通常1時間弱)。
賄いのおばさんが早速かかり湯を用意してくれたのですが、疲れてしばらくは使う気にもならず机に突っ伏していました。途中でどこかでメガネ
を失くしたことに気づき、休憩した所に少し引き返して探してみたのですが見つかりませんでした(Zombaのホテルに帰れば予備があるのです
が)。散々な目に会いました。
現場作業要員がもう一名あとから来ることになっていたのですが、国からの燃料費用のバウチャーが未だ受領されていないとかで遅れていた
ので、報告書のまとめをしなければいけないと言って、23日に一人先にZombaへ帰ってきました(前日に前回と同じく今回のメンバーで写真入り
の寄せ書きを作りました)。Zombaでは現場での生活と比べると全ての面でやはりホッとします。懸念していた下痢やマラリアにも罹らず無事帰
って来ることが出来たのは幸いでした。
気がつくとホテルの中庭にはトンボがいっぱい飛び交っています。
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