ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 6-1




Muli bwanji ? (= How are you ?)


昨年に続き今年も紅葉が遅れ気味という風に聞いていたのですが、北日本では大雪との とで、気候温暖化と関係あるのでしょうか?
当地での生活も残り2ケ月足らずとなり、蒸し暑い雨季を迎えています
(昼夜とも室内気温は27〜30℃ぐらい)。時には激しい雷雨に見舞われます(すぐに止みますが)。街中では小粒の桃が出回るようになり、時々
ホテルの朝食にも出てきます。
つい先日のことですが、ホテルのレストランに夕食に出掛けようと中庭を歩いていたら、何やら光るものが目の前をスイーッと通り過ぎました。
よく見るとホタルでした。アフリカでは初めての経験でした。隣接する植物園に消えて行くまで眺めていました。


また、11月初めの土・日曜日にはJICA関係者13名と、ここZombaの山の上でキャンプを楽しんできました。あいにく曇り空で小雨模様でした
が、かなり上に登るので夜は結構冷えました。ギターに合わせて歌ったり(知らない歌が多かった)、火を囲んで話し合ったり、カレーやおにぎり
に味噌汁・焼き海苔等の日本食を久し振りに味わったりして(デザートに羊羹も)、かなり若返った感じになりました。
周辺の山道を歩くと、自然のキイチゴやラズベリーが幾らでも採って食べられます。途中の道ではパッションフルーツやいちごも売っていまし
た。
キャンプ場の中には虹鱒の養殖場があり、大〜小に順に分けられた生簀には沢山の鱒が泳いでいました(フライフィッシングが出来るのは2ケ
月後ということ)。
マラウイ人の若者やパキスタン人のグループ・欧米人カップル等も来ていて、にぎやかに騒いでいました。
是非またやろうということで、みんなそれぞれの任地に帰って行きました。良い気分転換になりました。
12月に入ると中断していたダイヤモンド探査の再開予定です。


キャンプ





2年目の今年は海を見たかったので、10月の半ばに南アのケープタウン周辺を訪ねて来ました(10日間の任国外旅行)。当初は業務にからめ
て、南アのダイヤモンド発祥の地キンバリーの鉱山とヨハネスブルグにある旧金鉱山のテーマパークも入れて希望したのですが、JICAからは治
安の関係で許可されませんでした。ちなみにヨハネスブルグは世界一治安の悪い都市と言われています。


ヨハネスブルグ空港でいったん表に出て国内線に乗り換えて着いた立法府のあるケープタウンは大都会で、先進国並みに賑わっており、周辺
の他のアフリカ諸国の街とは比べものになりません。次々と建てられつつある新しい高層ビルの間には、銀行や市役所等時代物の重厚な建物
があちこちに残っており、昔の威厳を誇っているようにも見受けられます。
治安も一部を除いて特に問題なく、夜中でも街中を歩けます。ちょうど滞在中に、ラグビーのワールドカップで南アが旧宗主国のイングランドを
破って優勝した時には、大通りに面した中2階の屋根の上に大勢の男女が登って国旗を振り回したりして、夜遅くまで大騒ぎしていました。

ケープタウンは海に面しているせいかいつも風が強くて(突風状態の時もよくあります)、半袖では寒いくらいでした。物価は日本の7割ぐらい(?)
で、日本を含めて世界各国のレストランが数限りなくあります。いかやたらのフライ・ケープロブスター・ムール貝・車海老等のシーフード料理や
Sushi- barでのにぎり寿司やさしみ等マラウイでは望むべくもない食事をこの時ばかりと満喫して来ました。

シーフード料理



 バックパッカー宿に泊まった時には、2年間かけて自転車で中国から中央アジアを通ってアフリカ大陸を縦断して来たという日本の若者と同室
になり、近くのタイレストランでウエイトレスをしながら当地の大学でFine Artを勉強している日本の女子学生と一緒に、手製のまぐろ丼をご馳走
になったりしました。
世界一周の航空券で旅を続けているバイク好きの女性や、文化人類学の研究でボツワナへ行く途中の京大の修士課程の学生(彼は2週間後、
ナミビア〜ボツワナ〜ザンビア〜ジンバブエをバスで経由して、マラウイの我がZombaを訪ねて来てくれました)や、中国人経営の近くのSushi-
barでウエイターのアルバイトをしている日本のバックパッカーたちとも出会い、色々情報をもらい気楽に過ごすことが出来ました。バックパッカ
ー宿に居ると、色んなことをしている各国人に出会えます。
宿のすぐそばには24時間営業のコンビニがあったので、重宝しました。


 着いた翌日には、ネルソン・マンデラ元大統領たちが長年幽閉されていたロベン島を訪ねました。テーブル湾を囲む防波堤から外海に出ると
強風で船が左右前後に大きく揺れるが、船上からは遠ざかっていくテーブルマウンテンが雲ひとつ無い青空に映えてくっきりと眺められました。
名前のとおり頂上はナイフで切ったように真っ平らに見えます。

テーブルマウンテン



当時の収容施設を残し世界文化遺産にも登録されているロベン島には往時の宿舎や監視塔などが保存されており、実際に収容されていた男
性が説明役をしてくれました。帰りには、ここに住み着いて木陰で寛ぐペンギンの家族に出会ったりしながらの3時間半あまりのツアーでした。




別の日のケープ半島一日ツアーでは、テーブルマウンテンの南側斜面に広がる広大なカーステンボッシュ植物園を訪れて、自然に近い状態の
種々の草花・樹木を見たり、半島東側のフォルス湾に面するミューゼンバーグでは紺碧の海上に数頭の鯨が遊泳しているのが見られました。こ
こは長く連なるいい波が来るのでサーファーに人気があり、先のバックパッカー宿の同宿者たちもよくサーフィンに来るとのことでした。潮吹く鯨
を眺めながらサーフィンが出来るという、何とも雄大な光景です。

ペンギン



さらに南下して古い建物の建ち並ぶサイモンズタウンを過ぎると、アフリカン・ペンギンが生息するボルダーズ・ビーチがあります。道路からつづ
れ折れの木製の柵を伝って海岸に降りて行くとヨチヨチ歩きの沢山の野生のペンギンの群れが見られます。風が強いので、抜け落ちた羽毛が
いっぱい飛んできて我々の顔に当たるのも愛嬌です。30分ほど飽きることなく見学し、近くのレストランで水面下をスイスイ泳ぐペンギンを眺め
ながらイカのフライ等のシーフード昼食を済ませ、いよいよ待望の喜望峰自然保護区に入って行きます。
途中では子供を抱いたヒヒの群れや優雅なダチョウの姿が見られました。道路の終点で車を降りて、海抜248mの灯台のある展望台に登って
行くと、眼下には半島の最南端ケープ・ポイントが見えます。


喜望峰



さらに西側1kmほど先に、あのポルトガル人のヴァスコ・ダ・ガマも見たという喜望峰(Cape of Good Hope)があります。三つ指のように分かれ
た先端岩肌の地表面は、風が強くて短い草が繁茂するだけの殺風景な眺めですが、回り込んで車で崖下まで行くと、「アフリカ大陸の最南西端」
と東経・南緯度を記した標識が立っています。
当日は風がやや強いものの晴れていて波は穏やかでしたが、往時は強風で遭難する船が多くあったとのことです(発見時は「嵐の岬」と呼ばれ
ていたようです)。
ケープタウンから片道70kmほどの旅程で、宿舎に帰り着いたのは夕刻の6時半前だったが、9時間余りの楽しいツアーでした。同乗者は、アメリ
カ人夫妻3組・カナダ人夫妻1組(いづれも熟年カップルでリピーターも居りました)それに子供2人を連れたインド人家族の計12名で、当方だけが
一人旅でした。

海の色のきれいだったのが強く印象に残っています。






                                         
                                           


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