ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 3-3



ここZombaは独立後1975年まで首都だった所で、静かな街中を歩くと旧議会棟など古き良き時代の英国の面影を残すしっとりと落ち着いた街
で、Zomba Plateauと呼ばれる高原の一画に開かれた涼しい所です。朝夕は半袖だと肌寒く感じます。日本に例えると、商業都市Blantyreが
大阪とすれば、ここは文化学術都市の京都といった所です。マラウイ大学の本部や経済学部・法学部、地球科学科他の理学部等を擁する
Chancellor Collegeのある学園都市でもあります(ちなみにBlantyreには土木・建築・機械・電気等の工学部-Polytecnic-があります)。緑に囲
まれた広大なキャンパス内には数棟の男女寄宿舎もあります。




女子大生


今回の配属先となるGeological Survey(地質調査所)はホテルから坂道を下って10分ほどの所に本部があるのですが、ノートパソコンを毎日
持ち運びするため、車で送り迎えしてもらうようにしています。あごひげを生やした所長は去年Blantyreから訪ねたことがあって顔見知りで、学
究肌の地質専門家です。いつも忙しい忙しいと言いながら、あちこちに電話をかけ回っています。
技術職員は約40名で、今やもう古くなった英国保護領時代に作成された地質図の見直し作成プロジェクトを精力的に進行中で、他に国土全体
の地質構造探査や鉱物資源の調査・情報管理・利用促進等の業務を実施しています。これらの鉱物探査プロジェクトのうち、マラウイ湖南端
部にある金・ダイヤモンドの探査業務に当面携わることになりそうですが、昨年の滞在で当国には想像していた以上の有用鉱物が賦存してい
ることが分かり、実際はしばらく様子を見た上でどれかを選んだら……と言われています。今月中に行動計画書を作成して提示する予定です。



所長を初め職員たちに自己紹介した時に、タケヒロは長すぎるので「タケ」と呼んでもらいたいと言ったところ、その後所長秘書(女性)からは"
Mr.タケ"と呼ばれて、「Mr.はいらないんだ」と答えて笑いあったりしています。
執務室も階上のベランダの付いた大きな部屋(エアコン付き)を用意してくれました。所長にインターネットを頻繁にしたいと話したところ、一週
間ほどでBroad-bandを導入してくれることになりました(現在は電話回線利用のみで速度が遅いので)。日本の旧地質調査所や旧金属鉱物事
業団の知り合いとか大学の研究室の先生たちと何度も情報交換をする必要が出てくると考えています。

             


ティータイムには所長秘書がクッキー付きの紅茶かコーヒーを用意してくれます。
所長の趣味は山歩きだそうで、そのうちお供させてもらおうかと思っているところです。奥さんは教員をしていて、名古屋に1ケ月間滞在したこと
があるようです。





Zombaは外食の出来るレストラン(食堂?)が少なくて、食事には昨年滞在したBlantyre以上に手こずりそうです。スーパー等の店舗も小規模の
ものしか無く商品も少なめですが、市場では豊富な野菜が安く手に入るそうです。簡単な自炊も考えに入れなければならないかも……(今まで
ほとんど未経験 !!)。もうしばらくすると、マラウイには珍しく当地では栗も手に入るようです。配属先では運転手付きの車をいつでも利用可能と
のことなので、時々Blantyreに即席ラーメン(中国製)等の買出しに行くことになりそうです。
今は夕食はホテルのレストランを利用している(1,000円以内で食べられます)のですが、注文してから出てくるまで少々(?)時間がかかるので、
単行本を持っていくことにしています。



過日街中を歩いていると、Mr.YOKOYAMA? と声をかけられました。当方は覚えていなかったのですが、昨年Blantyreの同じ「マラウイ産業研
究所」に勤めていた青年で、今はそこをやめてZombaで勤めているとのことでした。突然話しかけられて驚きました。


近くの銀行で、現金引出し用Money Card(24時間可能)の発行手続きも済ませました。受け取るまで3週間ほどかかるようです。


ともかく始まったばかりなので、公私ともあせらずじっくりと構えていこうと思っています。
ホテルの周りは山に囲まれ、近くにはゴルフ場や植物園それに虹ます等のフライフィッシングのできる渓流等があって、ちょっとした別荘気分を
味わっています。空気も澄んでいて、夜には南十字星やオリオン座がくっきりと見えます。

                    


初出勤してから4日目には、所長が要人との会合があって首都Lilongweに行くというので、同行して近くにある「石炭分析試験所」と「陶磁器研
究所」を視察して来ました。出発の日は道中が真夜中になったので、真っ暗闇のサバンナの中の一本道を100km/時以上のスピードで疾走す
る公用車(運転手付きのLand Cruser)からは天の川を含む無数の星が見事に見られました。
小さい時に岡山の田舎で見た光景を久し振りに思い出しました。なお感動的だったのは、前後左右360度地平線の先まで星が瞬いており、目
線の高さで見られたことで、ず〜と見とれていました。遠くアフリカに居ることを実感させられたたひと時でした。



Lilongweに3泊しての帰途、立ち寄った数ケ所の青空市場で物売りたちにわっと取り囲まれて、所長自ら家族や友人たちのためにと言って、ト
マトやたまねぎ・じゃがいも・ピーマン・キャベツ・たまねぎ等を大量にうしろの荷台に積み上げて買っていました(値切るのを楽しみながら?)。
ピーナツ(食べてみると半生が多いが、車中でのおやつにはよさそう)もありました。マラウイらしいいつもの出張帰りの彼らの行動です。


          


Zikomo(=Thank you)!! 19/Apr./2007 Zombaにて



                                         
                                           


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