ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 3-1






マラウイ2回目の第一報をお届けします。



"Mwadzuka bwanji?""Ndadzuka bwino,kaya inu?""Inenso ndili
bwino,zikomo.""Zikomo."



暖冬の影響で今度こそは見られるかと心待ちにしていた桜の花に今年も見放され(8月からのジャカランダの紫色の花を待つことにします)、香
港・ヨハネスブルグを経由して、3月27日昼前に再度マラウイ入りしました。香港行きのJAL便では成田空港で乗客が一時間近く遅れてきたお
陰で、かろうじてヨハネスブルグ行きのSA便に乗ることが出来ました。またヨハネスブルグに到着する前に「急病人が出たのでモーリシャスに
緊急着陸します」というアナウンスがあり、そこで一時間余り待たされました。詳細は分からなかったのですが容態は無事だったようで、ヨハネ
スブルグ空港では何とかマラウイ・リロングウェ行きの便に間に合い、事無きを得ました。お陰で低い高度から山並みのうねるマダガスカル島
を見下ろすことが出来ました。

今回は10ヶ月間の滞在予定で、クリスマス・新年は当地で迎えることになります。今度も単身赴任です。

*当初は2月末に出発予定で、配属先も去年と同じ「マラウイ産業研究所」だったのですが、先方の都合で、
  3月26日出発・配属先は出発直前に「地質調査所」に変更になりました。





4ケ月振りのマラウイは丁度雨季の終りかけで、室内気温は25〜27℃ぐらい。当国の主食であるメイズと呼ばれるとうもろこしの収穫が始まっ
たところで、青空市場や路上で山のように積み上げて売られています。
日中は帽子が不可欠で、街中を歩くとすぐに汗ばみます。が、これから徐々に寒くなっていきます。
今回の第一印象は、ブラックアフリカの真っ只中にまたやって来たな、ということでした。


JICA事務所の現地スタッフたちも顔を覚えていて、皆笑顔で迎えてくれました。3日間のJICA現地事務所での研修が終った後に、一緒に来た2
人のSV(シニアボランティア)の希望でさらに4日間の現地語(チチェワ語)のレッスンを受けました。ちなみに冒頭の文言は朝のあいさつのやり
とりで、
"How have you woken up?" "I have woken up alright,and you?"
"I amfine,too.Thank you." "Thank you."
という意味で、なかなかサッと出て来ないのですが、これで話しかけると確実に親しみを持ってくれます。



この研修の合い間を縫ってイースター休日に、Lilongweの東方100kmほどの所にあるSalimaからマラウイ湖畔のSenga Bayへ行ってみまし
た。Lilongwe〜Salima間は例のギューギュー詰めのミ

ニバス、そこから先はこれまた満員のピックアップ・トラックの荷台で、立ちっぱなしの人も居ました。が、ともかくも久し振りの漁村風のだだっ
広い海のようなマラウイ湖(面積は四国の1.5倍)畔にたどり着き、捕った魚を細竹で編んだむしろのような上で日干しにしたりしているのがあち
こちに見られます。小さな食堂で長く待たされてチキンライスの昼ごはんを食べ、沸きあがる入道雲や水平線のかなかにうっすらと見えるモザ
ンビークの山々を眺めて、一日かけてグッタリとして帰って来ました。





また別の日には、昨年10月にUNESCOの世界文化遺産に登録されたばかりというRockPaintings(岩絵)を見に行きました。ここはLilongweの
南方100kmほどのDedzaという所にあり、ちょうど観光業務の指導に来ていたJOCV(青年海外協力隊)の女性隊員が企画したツアーに空きが
あり、トラックを改造した屋根の無い頑丈な車で10数人で出かけました(運転手はジブチ人とのこと)。朝から雨が降ったり止んだりするややこし
い天候で、一時間遅れで出発した車は国道からはずれるとぬかるみ道でさっそく後輪が深くはまり込み、どうなることかと思ったのですが、30
分ほどかかってやっとのことで抜け出すことができました。



車から降りて、牛や山羊の放牧をしている急な山道を登ること1時間余りで(案内者はすぐそこだと言っていたが)見晴らしのよい窪んだ岩場に
出ました。崖面を見ると一面に赤や白の顔料で鹿や牛のような動物や人の絵が描かれていて、石器時代や鉄器時代のものだということです。
そこで涼しい風に吹かれて眼下に広がる雄大な草原を眺めながら、途中のガソリンスタンドで買ってきたビスケットと水の昼食を摂りました。周
りには柵も何も無く近所の子供たちが遊びまわっているので、いたずらで絵をはがしたりしないのだろうか?と心配になるくらいの無防備さで
す。





皆で写真を撮り合ったりして下山し、帰途中の村の広場でマラウイの伝統的な女性たちの奇声を発して身体を折り曲げる踊りや、男性たちの
仮面を付けた踊りを鑑賞しました。どれも単調な曲調ですが、子供もおとなもアフリカ人ならではの身のこなし様です。天性のものなのでしょう
ね。Lilongweの宿舎に疲れて帰り着いた時は真っ暗になっていました。雨の後は車の上で強烈な太陽光線を浴びたお陰で、腕や顔の皮が真
っ赤になって水ぶくれができ一通りむけてしまい、2,3日ヒリヒリしていました。いまだに跡形は残っています。





                                         
                                           


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