ジャスミンの風

                                         
                                           
1 SV活動とリフレッシュメント  カンボジア



(製作中)



  勤めていた建築・土木の設計監理会社を定年退職後、海外滞在業務(リビア,インドネシア・スマトラ,台湾 他)を含めてそれまで培ってきた技術や知識・経
験を積極的に発展途上国に移転することで、自分の専門が現地で活かせる喜びを実感することができるのでは…との思いで、JICA(国際協力機構)のシ
ニア海外ボランティア(SV)として東南アジアのカンボジアおよび南部アフリカのマラウイに赴任した。



 2003年4月から2年間滞在したカンボジアでの指導項目は「土木工学」で、首都プノンペンにある学校(日本の高専と大学を合わせたような教育機関)で、
主に同校の教師を指導するというものだった。特に、生徒たちに土木に興味を持ってもらうためには、身近な題材を使った映像が有効だと考えて、彼らカ
ンボジア人にとって心の拠り所といわれるアンコール遺跡を取り上げ、「アンコール遺跡修復と土木工学」というテーマで授業を実施した。NHKの"プロジェ
クトX "で放映された、アンコールワット遺跡の修復手法を、日本人の石工が現地の若者たちに厳しく伝授していく物語のビデオや、JSA(日本国政府アン
コール遺跡救済チーム)の現地事務所を訪ね、豪雨に対する水はけ等種々の工夫をこらした往時の施設の修復状況を撮影したビデオを数本借りてきて
VCD化し、教材とした。この企画は非常に好評で、貸して欲しいという生徒や教師たちの依頼が相次いだ。  




また、当校の電気・電子工学科に比べ入試競争率が圧倒的に高い土木工学科の生徒たち(中でも何故か女生徒の割合が多い)に対して、アンケート調査
を実施した。質問内容は @なぜ土木工学科を選択したのか、 A将来どういう職業に就きたいか、ということで、前者については「カンボジアの発展に役立
つことができる」、「給料の良い職を得やすい」、後者については、「土木技術者や土木工学の指導者」、「地方でなく、都会で職に就きたい」 等々であった。
男生徒が現実的なのに対して、女生徒は「信じられない何かを作り出すことができる」、「有名な土木技術者になりたい」等、あこがれを描いて夢想的な(?)
回答が多かった。法制度をはじめインフラの整備が極端に遅れている同国では、教師にとっては給料が安くて(当時の月給は20〜30 USj)副業に頼ら
ざるを得ないので、本業に専念する時間がなかなか取れない、また生徒たちにとっては、卒業しても適切な就職先がない(知り合った現地の建設会社や設
計会社等を紹介したりしたが)、等々の大きな課題を抱えていた。





                                         
                                           

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