ジャスミンの風 旅・たび・旅(海外編)>韓国の旅
この日は今回の旅行のメインイベント『板門店ツアー』!!
これまでに3回韓国に来ていますが、板門店に行くのはこれが初めて。
今回私たちが利用したのは、「大韓旅行社」のツアー。
朝、ゲストハウスの車で旅行社の入っているロッテホテルまで送ってもらいました。
ツアーの出発は10:30なので、その時間より少し早めに旅行社に行き、料金(1人70,000ウォン)を支払いました。
出発時間まで旅行社の前で待っていると、やはり人気ツアーだけあって次々とツアー客が集まってきました。
この日のツアーには50人くらい参加していました。
板門店ツアーは、もともと2日前までに予約をしないといけないのですが、参加人数が多いと希望日に行けない事もあるので、できればそれよ
り早めに予約を入れたほうがいいと思います。
ちなみに今回私たちは、日本からインターネットで申し込みました。
さて出発時間になったのでバス乗り場に移動しました。
この日は2台のバスで出発です。
バスが動き出してしばらくすると、ガイドさんからこのツアーに関する注意事項がありました。
まず服装についてですが、以下の服装は板門店ツアーでは禁止されています。
ジーンズ地のもの(Gパン、Gジャン等)、Tシャツ、半ズボン、ミリタリースタイル、ミニスカート、肌の露出が多い女性服、サンダル、男性の長髪
または整髪されていないヘアースタイルetc・・・。
次に板門店内での行動の注意事項
撮影は決められた場所のみ、見学場所によっては指をさしてはいけない、決められた場所以外は立ち入らないetc・・・。
(もし一人でも守れない人がいるとツアーが中止になることもあるそうです。)
こんなに規則の多いツアーは生まれて初めてです。
こんなに注意事項があるなんてびっくりです。
なんだか普通の観光ツアーに参加しているのとは違い、ちょっと緊張感があります。
注意事項の説明が終わると、板門店についての説明や軍事境界線ができるまでの
南北朝鮮の歴史をガイドさんが語ってくださいました。
ガイドさんの説明を聞きつつ1時間ほどバスに揺られていると、韓国を流れている“漢江(ハンガン)”と北朝鮮との境界線になっている“臨津江
(イムジンガン)”の合流点が見えてきました。
そして“臨津江”沿いにバスを走らせていると、川の向こうに薄っすらと北朝鮮の土地が見えました。
緑が多い韓国側の土地に対し、北朝鮮側は山は土がむき出しで木もあまり生えてはいませんでしたし、家も少しある程度でした。
歩いて行けそうな距離にある2つの国なのに、土地の様子だけでもこんなに格差があるなんて、何だか見ていて複雑な気持ちになりました。
それからしばらく進んで、最初の訪問先の『肉弾十勇士忠魂碑』と『韓国従軍記者追悼碑』に到着しました。
ここを15分程見学したあと、そこからバスで5分くらい行った所にあるレストランで昼食をとりました。
甘辛い醤油ベースのお汁で煮たあつあつのプルコギは、おいしくて御飯がついついすすんでしまいます。
私たちは家族3人で1つのお鍋だったのですが、きれいになくなりました。
1時間くらいランチタイムをとり、いよいよメインの『板門店』へ出発です。板門店に近づくにつれ、川のまわりはグルグルと巻かれた鉄条網が
張り巡らされ、ところどころ見張り台もありました。
統一大橋というところで、韓国人の軍人さんが乗り込んで、一人一人パスポートチェックを受けました。
さあいよいよ板門店(JSA)の中に入ります。
ここからは、ソウルから乗ってきたバスからUN(国連)のバスに乗り換えます。
アメリカの軍人さんも1人付きます。
そのままバスで、まずキャンプ内の『ブリーフミーティングルーム』に移動しました。
バスを降りると一人一人に“GUEST”と書かれた緑色の札が渡されそれを胸に付けます。
そして席に案内されそこで各自1枚の書類が配られました。
この書類は何かというと、“このJSA内でなにが起こっても一切責任はもちません。”
というような内容が書かれていて、それに各自署名をするというもの。
そういえばバスでここまで来る間にガイドさんが、もし万が一ツアー中に銃撃戦になったら猛ダッシュで逃げてくださいとか言ってたっけな
ぁ・・・。
誓約書まで書かされるなんて、ほんとに何が起こってもおかしくない場所なんだと改めて
思ってしまいました。
誓約書を書き、そのあと板門店についてのスライドショーを見て、再びバスに乗り込み『自由の家』に向かいました。
『自由の家』とは、現在は南北間の連絡業務を行なっている施設です。
そこに到着するとまず2列に並んで、JSA共同警備地域や北朝鮮側の『板門閣』が見渡せる韓国側の見張り台に上りました。
この地区はとくに指差し禁止が厳しかった。
北朝鮮側を刺激しない為だそうです。
この会議場内にいる間、なんともいえない緊張感につつまれていて正直バスに戻った時、ホッとしました。
バスに乗って次の目的地に行くまでに、村の入り口がありました。
えっ、JSA内に村?!
そう、そこは『自由の村』というここが非武装地帯になる前から一般の人々が暮らしている村なんです。
ガイドさんの説明によると、この村に住む人々には税金の義務がないそうで、稼いだら稼いだ分全部まる儲けだそうです。
それだけ聞くとなんていい村なんだろうと思いますが、ここは非武装地帯とはいえ国境地帯。
なんと過去に2人の村人が北側に拉致されたそうです。
(その後その村人は戻ってきたそうですが・・・。)
やっぱり危険と隣り合わせなんだ。
次の目的地、北朝鮮の『ギジョンドン村』や景色が見渡せる展望台に到着。
しかしこの『ギジョンドン村』は、北朝鮮が韓国に北朝鮮を宣伝するために作られた村で一般人は住んでいないということです。
このあと『ポプラ事件の切り株跡』も車窓見学しました。
その場所は昔南北の境界線にポプラ並木がありました。
1976年8月18日、当時国連軍側が警備所の視野を覆っていたポプラの木を切ろうとしたところ、北朝鮮側がそれを阻止しようとして、ボニバ
ス大尉とバレット中尉を斧で切り殺したという悲しい事件がありました。
その時の慰霊碑が今ポプラの切り株跡に建てられています。
これで一通りの見学は終了です。
このあとJSAのおみやげ等を売っている売店に立ち寄りました。
そこからは、またソウルから乗ってきたバスに乗り換えて帰路に着きました。
17:00にソウルに到着しました。
この板門店ツアーは、ただボーッと見学するだけではなく、複雑な南北関係や平和問題などいろいろ考えさせられたツアーで参加してとても良
かったと思いました。
日程に余裕のある方は是非一度は参加してみてくださいね。
(今回ツアー参加者の中に足が不自由な方がいらっしゃったのですが、バスの乗り降りの時は運転手さんが、JSA内では軍人さん達がとても
親切に対応してくださってました。) |