ジャスミンの風

 我が校(PPI)ではｸﾒｰﾙ正月(4/13〜15)を挟んで3週間の休暇があり､のんびりと過ごしました。休暇の前の期末試験が終った翌日には､男女の生徒400
人余りと共に大型ﾊﾞｽを連ねて300kmほど西にあるﾀｲﾗﾝﾄﾞ湾沿いのｺﾝﾎﾟﾝｿﾑ(ｼｱﾇｰｸﾋﾞﾙ)へ遠足に行って来ました。生徒たちの人気投票で決まったそう
で､白い砂浜が続くﾋﾞｰﾁﾘｿﾞｰﾄで泳いだり､ﾋﾞｰﾁﾊﾞﾚｰをしたり､ｴﾋﾞやｶﾆ･ｲｶ等のおいしくて安い海鮮料理をおなか一杯食べたりして､先生や生徒たちと楽し
いひと時を過ごすことが出来ました。帰ってからしばらくは腕や背中の皮がむけてﾋﾘﾋﾘしてましたが……。校長の話によると､来年はｱﾝｺｰﾙ遺跡のあるｼ
ｴﾑﾘｱｯﾌﾟ旅行を考えているようです。

また先日は土木の教師の一人からﾌﾟﾉﾝﾍﾟﾝの北50kmほどのところにある彼の実家に遊びに行こうと誘われ､家内と娘ともども行って来ました。ｻｯﾌﾟ川沿
いの港町で彼のお姉さん家族が住んでおり､早速港で仕入れた鯰のような魚や鶏の丸焼き他の昼食をご馳走になり､帰りには特産のﾏﾝｺﾞｰやﾊﾟｲﾅｯﾌﾟﾙ
をいっぱいお土産にもらってきました。

その他PPIの副校長の娘さんの結婚披露宴に招かれたり､我が家で食事会を兼ねて同期10名ほどのS/V会を開いて和気あいあいとお互いの情報を交
換し合ったり､また新しく赴任して来たS/Vを食事に招いたりしています。時には土木の主任教師が奥さんと1才になったばかりの男の子を連れて遊びに
来たりもします。

またある日本人の紹介で､この4月から2年間日本へ国費留学するITC(国立ｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱ工科大学)土木工学専攻の女子大生が訪ねて来たので､困った時
のために､本人の了解を得て旧知のｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱからのの東京工大への留学生(ITC出身)の日本での連絡先を教えてあげました。ちなみに彼女に対しても
当校の生徒と同じ意識調査をしたところ､Q-1.土木を選んだ理由 としては､多くの開発途上国で高層ﾋﾞﾙが次々に建設されてるのを見て､ここｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱで
も高品質で近代的なﾋﾞﾙを建設したいと思ったから とのこと。またQ-2.将来就きたい職業 としては､ｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱのｲﾝﾌﾗを整備するべく立派な技術者になり
たい､ということでした。頼もしい女学生で､しっかり勉強して帰国し､ｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱ発展の礎になって欲しいと思います。

 我がPPIの校長はまだ若くて非常に意欲的であり､我々の質問に答えて種々の将来構想を語ってくれました。昨年のEngineer class(大学の学部相当)設
置に引き続き､今秋には大学院修士課程を設置する予定で､さらに来年以降には現在の土木･電気･電子の3学科に加えてIT(情報技術)学科および海洋
学科を増設する構想を持っているとのこと。大学院修士課程構想については先日忌引き休暇で一時帰国した時に京都大学大学院の教授2人を訪ね､意
見を訊いて来ました。国立大学はこの4月から独立行政法人化するということで､京大ではすでに昨年から新しいｶﾘｷｭﾗﾑで授業を行なっており､当校の
設置構想についても協力を快諾してくれました。また帰国時に学生相手にｶﾝﾎﾞﾃﾞｨｱでの体験を講演することを頼まれました。他の私立大学でのｶﾘｷｭﾗﾑ
についても知り合いの教授からE-ﾒｰﾙ等で情報を集め､校長や主任教師他と種々協議･検討してｶﾘｷｭﾗﾑ(案)を作成して所轄の教育青年ｽﾎﾟｰﾂ省
(MoEYS)に提出しました。当国の工学系の国立学校には未だに大学院が無く､今回が初めてのｹｰｽなので先行きどうなるか返事待ちの状況です。校長
からは講師派遣や教科書(英文)の紹介等も依頼されており､具体化すれば忙しくなりそうです。一方親しくしているJICAの専門家から｢道路陥没の原因と
なっている分散性土(浸水すると溶けていく粘土)の土質特性とその設計･施工上の対応策をさぐるための調査･試験･検討業務をJICAが近々発注する予
定であり､その内の土質試験を我がPPIの土質試験室で対応できないか?｣との話がありました。予算も相当とってあり願ってもない話なので､試験室と人
材をもう少し整備して受け入れるべく返答しました。詳細は校長や土木主任教師たちとも煮詰める必要があり､具体化すれば当校土木発展のためにも
大きなﾁｬﾝｽであり､是非とも実現させたいものです。この件でもまた忙しくなりそうです。

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