ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 12-1




マラウイ便り(3-6)  = 帰国を控えて =
                       
突然の大統領令による12日間の長い休暇が1月4日に終った (お陰で5日の出勤日には、
いつも重いなと思って運んでいたパソコンが軽く感じられるほどでした) かと思っていたら、
もう3月で帰国が目前に迫って来ました。
2月の同窓会は100名以上の参加者があったようで、ご同慶の至りです。出席出来ず残念
に思っているところです。

 マラウイはもう三回目になるのですが、2月に滞在するのは初めてです。1月〜2月はまだ
雨季の真っ最中で、今晴れていたかと思うと空が急に暗くなって、激しい雷鳴を伴った大雨
が降り出します。それが1〜2時間でピタッと止んでまたカーッと照りつける、という毎日で
す。気温は一日中ほとんど変わらず、室内で27〜29℃ぐらいです。空気が洗われてモザン
ビークの山々の遠景がクッキリと見え、マラウイ人の主食であるシマの原料となるmaize(白
っぽいトウモロコシの一種)も背丈が人間を越えるほどの高さになりました。収穫が間近で
す。今年は問題が無いようですが、2005年には雨が極端に少なくて大飢饉に陥ったそうで
す。ゴルフ場やホテルの中庭の芝生の緑も、今は目に染みるほどになっています。年末に
ホテルの中庭で大発生していたホタルも1月半ば過ぎにはほとんど見られなくなり、代わり
に今はトンボや蝶々が飛び交っています。  


モザンビークの山々




ホテルの中庭の彼方に架かる大きな虹(夕刻)
 2月の半ばに急にパソコンでE-メールの受発信が出来なくなって(タイトルの受信は可
能)、配属先(地質調査所)のコンピュータを使い、職員のE-メールアドレスを借りて、日本語
は添付資料として日本の家族を通じて受発信しています。たまたま今は事務所のネットが
不通なので、この「マラウイ便り」はホテルのパソコンを借りて発信しています。幸い他の機
能は変わりなく、Skype(インターネット回線を使った電話)も使えるので、家族とは定期的に
連絡は出来ています。2月に入り停電が急に多くなり、事務所,ホテルとも毎日のように見舞
われます。計画停電のようですが、長い時には6時間ほど続くこともあります。JICA事務所
もそれで終日休みにしたこともありました。自家発電機も追っつかず、こうなったらお手上げ
で停電の間はもちろんパソコンやコピー機等の電気製品は使えないので、調査所の職員た
ちは玄関先や庭に集まってダベッたりしてひたすら復旧を待ちます。ホテルのレストラン等
では、ろうそくの明かりで食事をしたりもします。不便この上もないのですが、待つしかありま
せん。仕事の効率やサービス等は二の次です。こういう国の発展の難しさを感じます。逆に
夜空には、宝石をちりばめたように無数の星が見えます。


  2月の初めの日曜日に、前から行きたいと思っていた南部のTea Plantation(茶畑)を見に
出掛けました。紅茶はこの国の数少ない輸出品のひとつです。調査所職員の車で(燃料費
はこちら持ち)、他の職員の家族も誘って同行者は計5人でした。先ずBlantyreのスーパー
に立ち寄って、ランチ用にマカロニやらビーフ・飲み物やらを買い込み、ムタリカ現大統領の
出身地であるThyolo(Zombaの約100km南)に向かいました。近づくにつれて緑の広野が広
がってきて、やがて左右のあちこちに茶畑が見られるようになってきました。そのひとつの
中に立つと、日本に居るようで何だか懐かしく感じました。オーナーはほとんどがイギリス人
で、イタリア人も居るとのことです。ここはまたマカデミアナッツの生産地でもあり、あちこちに
その木立ちが見られます。露店に置いてあるビニール袋入りのマカデミアナッツを幾つか買
い込み、今度は東に向かって車を走らせます。前方に当国最高峰のMulanje山(標高
3002m)を見ながら30分ほどでその麓に到着。ここも紅茶の大産地で、幾つもの茶畑が広が
っています。何故か「El Dorado」という名前の茶畑もありました。左右に広がる広大な茶畑
を見ながらさらに車を進めると、20分ほどでモザンビークとの国境に行き着きます。税関事
務所のそばに遮断機のような棒を渡してあるだけで、多くの人たちが行き来しています。通
りには国境の街らしくラジカセを所狭しと並べている店が目立ちます。その近くのレストラン
の一部を借りて昼食。朝はずっと晴れていたのですが、この辺りはいつも天候不順とのこと
で、Mulanje山の頂上はあいにく雲が掛かっていて見えませんでした。Mulanjeはまたパイナ
ップルが安く売られている所で、同行者たちもそれぞれ幾つか買いこんでいたので、当方も
よく熟れている小さいのをひとつ買いました(35円ぐらい)。後日食べてみたら甘くて満足でき
る味でした。ポツリポツリ降る中を、完全舗装された幅の広い道路(初代大統領の名をとって
Kamuzu Highwayと呼ばれている)をひた走って帰路につきました。ウツラウツラしながら
Zombaに帰り着いたのは午後4:30頃。全行程300km弱,9時間余りの気持ちの良い旅で、充
分な気分転換が出来ました。


ムランジェ山麓の茶畑






                                         
                                           


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