ジャスミンの風

                                         
                                           
マラウイ便り 12-2





 業務の方は、前回から進めていたMangochi西地区(ダイヤモンドの母岩である
Kimberliteの露頭あり)で追加の詳細調査をしてボーリング位置を3ケ所設定したの
ですが、他地区とのボーリング機器の調整,燃料費等の経費の不足,雨天等の問題で
未着工のままで待機中というところです。一方、今回新しく設定したMangochi東地区
(その昔に川の中で小さいダイヤモンドが見つかったという記録のある所で、対象面
積約200km2)では、広大な森林地帯であるため「衛星画像解析」の探査技法を用い
てKimberliteを探すべく、テキストを取り寄せて調査所職員共々勉強中です。ちょうど
ボツワナで日本政府の肝入りで「Remote Sensing Project」が立ち上げられ、マラウ
イも参加を表明しており、これからのその技術習得が待たれるところです(昨年、任国
外旅行でボツワナを訪ねた際に、その概要をヒヤリングして来ました)。
 また、1月の半ばに調査所の技術ミーティングがあり、そこでマラウイに来て以来の
当方の夢である「地質博物館設立構想」を披露しました。当国には豊かな自然(山地
や湖,温泉他)があり、様々な種類の宝石を初めとする有用な鉱物があり、同時に地
震や山崩れ等の自然災害に見舞われることもあるので、その実態をマラウイ人,特に
将来を担う子供たちに知ってもらうための施設です。資金や場所,人員の問題等あり
ますが、今年度の調査所の実施目標のひとつとして取り上げてもらえることになって
います。今後の楽しみです。


 2月下旬の一日、JICAの女性青年海外協力隊員が数学を教えてい
るBalaka Secondary School(中・高等学校)に出掛けて、マラウイの
地質や鉱物についてプレゼンテーションをして来ました。同校の
Science Clubの顧問もしているという彼女からかねてより頼まれてい
たもので、通常の授業の終った15:30〜17:00までで、50人ほどの生徒
が集まりました(男生徒が少し多め)。当国の理科では地質関係の内
容はほとんど教えられていないとのことだったので、地質図や写真や
図面それに鉱物見本等を使って、マラウイ湖等当国の豊かな自然の
でき方やアフリカ大地溝帯他の特殊な地質構造,多種多様の宝石を
はじめとする有用な鉱物資源,それに地震や土砂流等の自然災害の
実態について話しました。皆熱心に聴いてくれて、最後に「今調査して
いるというダイヤモンドはどこでどのようにして出来るのか?」とか「採
掘に際して環境汚染はないのか?」というような、答えに窮する質問も
ありました。



 終ったあとで、いつか実際に鉱物の見られる現場に行ってみたいという話が出たようで、ちょうどBalakaに
はセメントの原材料となる石灰岩の取れる石切り場や加工工場が幾つかあるので、機会があれば案内して
あげる、と約束してきました。彼らがどれだけ地質や鉱物の知識を持っているのか、またどこまで興味を持
ってくれるのか案じていたのですが、「Blood Diamond」の映画のことは知っていましたし、やったなりの効果
はあったようです。興味深かったのは、このプレゼンテーションは「家政」を教える教室で行なったのですが、
片隅にバスタブと洋式トイレが置いてありました。何故か?と聴いてみたら、生徒たちにそれらの使い方を
教えるのだそうです。考えてみれば通常の家庭にはこんなものはありません。トイレも戸外です。成る程
な!! と思った次第です。ミニバスでZombaへ帰って来たのは夜8時過ぎで路上は真っ暗でしたが、良い気分
転換になりました。









                                         
                                           


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