ジャスミンの風

 次に近況を報告しておきます。

 再プノンペン入りして以来 休み毎に近くのホテルのプールで水泳をしたりテニスをしたり､また土木の教師たちとカラオケに行ったりして気分転換をはか
っています。11/4には家族たちと120kmほど西方にあるKiriromという森林公園へピクニックに行ってきました。標高約1,000mで風があり､蒸し暑いプノン
ペンと比べると別世界で 絶好の避暑地となっています。当国では珍しい松林に囲まれた静かなレストランで昼食を摂っていると､いまカンボディアにいる
ことをフーッと忘れてしまいそうになります。

川の畔に涼しげな木製の休憩小屋が並んでいたり 上流に滝があったりで､休日にはクメール人の家族連れで賑わうそうです。近くにはエコツーリズムを
楽しめるハイキングコースもあり、そこは大気汚染防止のため車両通行禁止で、牛車で移動することになっているようです。一味会のハイキングコースに
如何でしょうか？ 農園で5kgもある大きなジャックフルーツを5.25$で買って帰りました。

  日曜日には隣の大家の娘さんたちとPark way squareという所のプールへ泳ぎに行ったり､一緒に衣服の買物(値段は日本の数分の一とか)等を楽しん
でいました。またJOCVが声楽を指導している国立芸術大学を訪れて アプサラダンスや器楽演奏の懸命な練習風景を見学したり､またS/Vが保母として
赴任している孤児院を訪問して子供たちと交流体験したりしました。皆人なつこくこぼれるような笑顔で迎えてくれました。道は遠いけれども カンボディア
の未来は暗くないと実感しました。

 私の赴任しているPPIでは11月半ばからの新学期に備えて入学試験があり､今回新設されたエンジニア・コース(大学の学部に相当)のうち土木工学科
の倍率は10倍以上で 他の学科(電気･電子)に比べてダントツでした。さらに合格発表結果は どういうわけか土木の定員40人の内10名が女生徒(応募者
57名)でした。ただでさえ民間企業が少なく就職多難な現状で先が心配になりますが､新しいカリキュラムも整って 当方も教材の準備中でおおわらわの毎
日です。

 10月の初めから3週間ほど、土木の教師2人を誘って公共事業運輸省(MPWT)内地図センター主催のGIS(地理情報システム)利用の講習会に参加して
来ました(日に2時間づつ)。当方を除いて参加者10数人は現地人なので講師の説明はクメール語ですが、配布資料やLCD Projectorで壁に映し出される
映像は英語なので何となく分ります。 持参したノートパソコンでのCD-ROMを使った実習では、カンボディア全体の地図その他のデータを組み合わせて
色々試してみて、どういうことが出来るのか大体分りました。その内 教師たちと復習がてら 実習をしようと思っています。

 また 同じ頃JICAの専門家から 施工が始まったばかりの病院の増築工事(平屋の試験室)の工事監理を頼まれました。地元の建設業者の動きがにぶ
いのでにらみを利かせて欲しいとのことで、当地の建設状況を知るよい機会なので、ボランティアで当面のあいだ引き受けることにしました。日本のよう
なきめ細かい品質管理は望むべくもありませんが､ここ1ケ月半ほどの間に床スラブ･柱のコンクリート打ちまで終わり､今は天井梁の準備中です。来年の
2月末まで続く予定です。

* JICAが10月より独立行政法人化して「国際協力機構」と改称し、先日文化勲章を授章した緒方貞子さんが新理事長となりました。 少しはガラス張りに
なるかと期待していますが・・・。

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