ジャスミンの風

                                         
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5/ 2(金) 曇り時々晴れ

  朝JICAへ寄って住居費認定申請書他を提出し、またJICAから数次ビザを取ったという記載の入ったパスポートを返してもらう。写真屋へ立ち寄って昨
日頼んでおいた現像とプリントを受け取ったあと、PPIへ向かう。映画館の前を通った時に 運転手に映画はよく見るか? と訊くと、一回しか見たことがない
と言う。カンボディア人は映画それもお化けものが好きで、カップルで見にいくことが多いらしい。看板の書き換えをしている周りに人垣ができているのを
よく見かける。独身なので仕方がないか とからかってみる。ちなみに入場料は0.5$ぐらいで 一回の上映時間は2時間程度らしい。PPIでは執務室の中や
実験室・実習場を見て回って、何か不足しているものはないか と点検する。JICAからの予算の割り当てがあるので、リストアップしてみる。プリンターのト
ナーと用紙、白板(大小とマーカー・白板消しとも)、レベルブック、ボール紙製の箱 その他文房具一式---。ブティに訊くと洗面台(現在実験室内に垂れ流し
の水道しかない)と冷水を入れて何時でも蛇口から取り出せるボトル(?)が欲しいと言う。洗面台はものさえあれば工事は生徒たちがやれるらしい。彼は
バイク(ホンダ製の中古)を持っているので 今度の日曜日に一緒に市場にでも行って、ものの確認と値段を調べてみることにした。またブティには書棚の
中の自分のものを整理するように言ったところ、すぐに実行してくれた。これで書棚の中はスッキリして、カバンに入れて持って来た色んな土木関係の書
物を並べ置くことができた。それにしてもよくのどが渇く。市場で買ってきた保冷用の水筒に冷蔵庫から氷水を入れて持ってきたが、よく冷えていておいし
い。家の大きな冷蔵庫は塊の氷と砕いた氷とそれに冷水が別々に出てくるので 重宝する。
 午後は写真屋で焼き増し分を頼んで 再びPPIへ行く。書棚の整理をしてから ブティの授業ぶりを参観に出かける。午後は有料のクラス。施工法の授
業のはずが、構造力学に変わっていた。女生徒が1人いる。やり取りしている言葉と書かれる文字はクメール語なので理解できないが、そのうち彼が白板
に梁やラーメン構造の図を書き出したので真剣に見出した。生徒とたわみや反力等の公式のやり取りをしている。が 昨夜の寝不足がたたり、まぶたが
下がってくる。16:30頃帰る時間になったので ありがとう と言って外へ出る。
 今日の夕食は白いご飯にカンボディア風野菜サラダ、デザートは例によって冷えたマンゴー。お腹一杯になる。メイドには一週間分のお金(5$/日×6日
=30$)を前渡ししておき、毎日の収支をノートに書かせて 週末に精算することにした。とりあえずこれでスタートしてみよう。
食後 写真を取りに行ったはよいが、玄関の鍵を部屋の中に置いて来たことに気づく。帰ってきて 門の鍵はガードマンに開けてもらったものの、メイドはす
でに帰ったあとで、裏口は閉まっていて中には入れない。仕方なく うす暗闇の中でアドレス帳をすかしながら隣の長女の番号を見つけ、携帯電話でコール
する。「出る時にはどうしたの?」と訊くので「その時にはメードがまだ居た」と返答。「分かった。すぐに行く」とのことで沢山の鍵を持って来てもらったところ、
なんと玄関の鍵は閉まっていないではないか。メイドが気をきかせて開けておいてくれたらしい。ソワタナにソーリー・ソーリーと平謝り。「どういたしまして」
と言って帰って行った。はづかし〜い !! 
 夜 久しぶりに血圧を測ってみると 142/84 とまずまずの値。持って来た治療薬も無くなって数日になり、診療所に行く時間も無かったので気にしていた
が 一安心。

    
                              ↑道路沿いの火炎樹

5/ 2(金) 曇り夕方一時雨

  食パンをレンジで暖めてもらい(ちょっと固めであるが) 紅茶で朝食。3枚もあり 目玉焼きも2ケあったので、これからは食パン2枚と目玉焼き1ケで充分だ
と告げる。昨日注文しておいたカンボディア茶を冷蔵庫で冷やした飲み物も水筒に入っており、それを持ってPPIへ出勤。時々飲んでみるが 香ばしくてお
いしい。今日も何か必要なものはないか と執務室の周りを点検。8時過ぎに若い先生テアンが入って来たので、今日の授業予定を訊くと、建設積算(工事
費の見積り)だと言う。9時前に出て行った。今までこの部屋で顔を見たのは 若いパイリンと彼とそしてブティだけである。他の古参の先生方は何処で何
をしているのだろう ?。実験室の窓ガラスが1枚割れているのを発見。また 出入り口の鉄製の扉が昼になると暑くなってくるので、断熱材がいるのでは---
と考える。あと 室内掃除用のホウキ・バケツ・雑巾 それに書類等を整理するためのボール紙製の箱を数個 等々。そのうちブティが授業から帰って来た
ので、彼にも必要と思われるものをリストアップするように言って、明日家へ来てもらって付き合わせ、それから値段を調べに行こう ということにした。構造
計算等のパソコンソフトとか実験器具・測量機器とか値段のはる大物は別途後日にJICAに申請することにする。今日は半ドンなので運転手には郵便局
経由で自宅まで送ってもらって 帰っていい と言って返す。
 昼食はご飯に魚の煮付け(上に香草が載っている)。食べてみるとアッサリしておいしい。理解してくれているようで、川魚ではないようだ。午後一時スコ
ールのような激しい雨があり、涼しくなったので2階のバルコニーでウトウトしていると、大きな音でベルが鳴り 不動産屋がメイド2人の雇用契約書(クメール
語と英語の両方)を持って来た。先日追記するように言っておいた内容(1ケ月間の試用期間、火事と盗難、それに家具等を壊した場合は彼女たちが責を
負う)を確認し、彼女たちにも納得させてサインをし合った。一時帰国している間も 維持管理を兼ねて部屋内外の掃除をするので、月々の支払いはしなけ
ればならないらしい。雨が上がった後 メイドと庭の石の上に座り込んで話をする。姉の方には 13才の男の子と8才の女の子が、妹には15才と10才の男
の子それに5才の女の子が居ると言う。貧しいのでお金を稼がなければ---とも。気さくに色々話してくれる。この家で何か問題があるか? と訊いてみる
が、何も無い と言う。何かあったら遠慮せずに言って欲しい と告げる。石張りの床は足の裏が真っ黒になるので、せめて週に一回は拭いて欲しい と言っ
たところ、日に2回モップ掛けしているけど 外からホコリが入って来る との答えが返ってきた。ちゃんとやるべきことはしてくれている。ありがとう、それを続
けて欲しい と言ったら うなずいていた。お互いに手探り状態だったのが、日に日に知り合うことができそうだ。
 夕食はなんと分厚いステーキにポテトフライ。ステーキは柔らかくておいしかったが、何しろボリュームがあり半分弱を残す。この半分で充分だ と告げ
る。デザートは昼食に続き スイカ。水気があり スッとする。夜 広くて暗い邸内にポツンと1人でいるのは最初は心細かったが、危険感はまったく無い。
ゆっくりと動き出したような一日だった。



                                         
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