AQUARIUM (準備〜水槽設置)


1-1 場所作り

今の部屋はけっこう狭いし、ラックはTV、ビデオ、プリンタで占有されていてる。
しかもあまり大きな水槽を用意すると、次にくる引越しで運び出せない、などを考え、今回は机の上においてもあまり邪魔にならない奥行きのあまりないものにしたい。

写真(下)は設置前の机。デスクトップとラップトップ、携帯電話とデジカメの充電器、テーブルタップなど電子機器、ケーブル類であふれかえっている。「どこだったら置けるかな」と考えながら机の上をメジャーで測ってみる。ラップトップの奥行きを考えると奥行き20cm以内の水槽なら何とか置けそうだ。

先に注意しておく必要がある。
それは設置する水槽台の強度だ。水槽内は一面水が張ってるわけだがこれは予想以上の重量になる。
今回設定しようとしている水槽容量はだいたい16〜17リットル。これに砂利、必要器具類を入れても25kgには到達しないていど。
日本で最もポピュラーな水槽サイズは60cm×30cm×45cm(だと思う)なので単純に考えても容量は81000立方センチメートル。つまり水の重量だけでも80kgに達するわけだ。これに砂を敷いたり器具を配置すると100kg弱に到達する。強度のあまりないラックなどに載せると水槽重量に耐えられず「ガッシャーン!!」なんてことになりかねない。
ちなみに私はまだ使用したことがないが大型の120cm水槽(120×45×45)だと水を張るとバイク1台くらい(約250kg)の重量に簡単に達する。
設置前には設置する水槽サイズに耐えられるラックを用意することも重要なことだ。
よくテレビ台などには耐荷重量なんてものが表示されていることがあるが、新規でラックを購入する場合はお店でこの辺もチェックしておきたいものだ。
(知人のなかには市販のもので強度の高いものはそれなりの値が張るので木材屋で材料購入して自作するひともいる)



出向いたショップは町田市内のお店「ティアラ」
今の住まいからだとR246を厚木方面に走らせ、R16で東名の横浜町田ICと反対方向にいくこと2分程度で到着できる。
そこは昔所さんのカスタムカーかなにかの番組で使用されていた「キャノンボールパーク」内にある。
海水魚、淡水魚、金魚、爬虫類、犬、猫などカテゴリーも豊富なショップ。
昔やっていたころは水槽サイズにそれほどバリエーションはなかった。が、最近はパソコンなんかでも省スペースなど住環境にあったものが出たりしているのと同様、水槽もオフィスデスクに置けるような15センチ立方体くらいのものなどさまざまなサイズが揃っている。これなら今回私が求めているあまり奥行きのないものも見つかりそうだ。

ということで今回は次のものをチョイスした。



450×190×210

これならパソコンをたたきながら横目で水槽を眺めることができる。もちろんパソコンを置いても水槽にぶつからない程度。これで机に向かっても多少は癒される(かな?)。


1-2 必要器具類

相手は生き物だからそれなりに住みよい環境を作ってやらなければならない。
水槽を設置するにあたって最低限用意してやらなきゃならないものは次のようなものである。

■ろ過装置
人間もそうだけど、生物が生きていく為には少なからずその環境は汚される。魚もしかり、食べかす、糞尿で水質は悪化していく。昔理科で学んだことはあるだろうけど、生態系の中には大きく分けて消費者、分解者、生産者とあったと思うけど、魚などの消費者が存在するならそれらが出す汚物を分解する分解者が必要となる。水槽内(もちろん自然界でも)で必要となるのが「バクテリア」だ。このバクテリアを住まわせる場所によりろ過方式は次のような方式がある。

・外部ろ過方式
ろ過器は水槽外部にある。ろ過能力が非常に高く、大型水槽に適している
・底面ろ過方式
槽内の砂利下層を利用する。ろ過能力は高い。敷き詰めた砂利がバクテリアの棲みかとなり、その下層から水を汲み上げて水循環をさせる槽内でクローズされたシステム。砂利を敷き詰めている為手入れはやや面倒。
・上面ろ過装置
よくあるポンプ、照明などがついてるセット水槽でポピュラーな方式。ポンプで水を汲み上げ、水槽上部にフィルターを用意してバクテリアを棲ませてろ過する。

今回選択したのは「底面方式」。水槽容量は最大でも18リットル、実際には砂利を敷いたり流木を置いたりするので16リットル程度。これで外部ろ過装置を使用したら水がグルグル回りすぎになってしまう。また、むかしから上面式はあまり好みでなかったので最初から選択外。
底面ろ過方式はこれ以外の方式で使用する水循環用ポンプは必要としない。
水をどのように循環させるかというと、エアレーションポンプ(水中に酸素を溶かすポンプ)で発生する気泡の浮力で水流を発生させて水を砂利下層に吸い込み、砂利の隙間底面に生息するバクテリアに汚れた水をきれいにさせて上部に水を汲み上げる。

■エアーポンプ
人間同様水棲動物も酸素は不可欠。水草メインの水槽であればこれまた理科で習ったことのある「光合成」という植物特有の性質で酸素を供給することが可能だが、これだけに頼るのはよほどのベテランでないと難しいので通常はエアーポンプは必需品である。
サイズもさまざまだが必要以上の能力をものポンプだとその気泡による水流で洗濯機のようになってしまうので水槽サイズに合ったものを使用するのがよい。魚によってはあまり水流を好まない種もいるので水槽内に配置する流木、石、水草などで流れを分散する方法もある。

■ヒーター
基本的に観賞魚に用いられるもの(海水、淡水とも)は比較的高水温(約25度)のものが多い。日本には四季があり、冬の室温は外出時や朝方では10度以下になることもある。水は多少なりとも熱容量はあるが、そういった環境ではそれでも水温低下してしまう。人間は気温により衣類で体温調節することができるが、魚はコートを羽織ることはできないので極力生活環境温度を一定に保ってやる必要がある。
一般的なものはサーモセンサ付のものが多く温度を設定してやればその近辺で温度が保たれるがそれでも水槽サイズにあったものを使うのが無難。
ただし水槽設置にあたり、水流の悪いところにセンサ、ヒータを設置すると水温が槽内一様にならないので注意。
センサが水流の悪いところにあればヒータはガンガン加熱されてしまうし、水流の関係でヒータの真後ろにセンサを配置すれば加熱された水温をセンサが感知して水温が上昇する前に加熱をやめてしまう。水槽内を循環する水の流れをイメージして配置したいものだ。

今回しようするものは次のもの。

底面フィルター             ヒータ、エアーポンプ
    

いずれも水槽サイズに合ったものを選択。ヒータはあまり大型のものを使用すると一回の加熱で必要以上に水温上昇しかねないし、ポンプも水量以上の能力があるとあまりの水流により洗濯機のような状態になりかねない。
最近の水槽サイズは大小さまざまなものがあるのでお店に並んでいるポンプ、ヒータはその水槽サイズにあったものがちゃんと取り揃えられている。今回はどれも20リットル以下のものをチョイス。

1-3 洗浄〜器具設置

お店で買ってきた器具類はまず洗浄するのが基本。水槽内には案外油が付着していたりするし、ゴム類やその他の器具類も同様。砂利や流木なんかもアク抜きが必要だったりする。
ただし、洗剤類は極力避けたい。やはり生物を飼うわけだからふつうに考えればなんとなく分かるもんでしょう。
(日曜昼間のテレビの東○週刊マ○ジンのあるコーナーに出てくる女の子は難しいかな。。。)
水槽内面、フィルターなどをひととおり洗い、水流等を配慮して設置する。

今回は底面ろ過を採用しているのでろ過装置の設置はこんな感じ↓



つづいて底面に敷く砂利と活性炭。
水をよりきれいにする為に、水槽システムに活性炭を使用するのは今や常とう手段となっている。
今回この活性炭は底面フィルター内に設置。
砂利は「大磯五厘」これは水草水槽なんかではポピュラーである。水槽サイズが小さいので3kgでなんとか足りるていどだが、水槽サイズが大きければさらに必要になる。(当然ですが)

活性炭                  砂利
  

砂利は最初アクとりするのが基本。要領は米とぎと同じ。バケツや洗面器に移し、数回濯いで濁りがある程度取れればOK。

1-4 レイアウト〜注水

このあたりから徐々に個々の想像力というか、芸術性が発揮されてくるところ。
砂利のレイアウトですら自分のイメージする水槽(完成作品)に影響を与える。
(といっても私自身それほど芸術性があるわけではありません。。。)
基本的な砂利の配置は手前は低く、奥はやや厚めに配置するのがセオリー(だと思う)。
というのは正面から水槽を覗いた時、見やすい配置になるから。



これは私の配置の仕方ですが、これを見て水槽を設置してみようという方、レイアウトはこの限りではありません。個々の創造性はさまざまですからもっと起伏を持たせたレイアウトでも良いでしょうし、個々がイメージする「自然のある1風景」でレイアウトすればよいのです。

次に水作り。
一般の水道水には殺菌用にカルキ(塩素)が微量ながら含まれてます。だから人間は腹をこわすことなく水道水を飲めるわけだが、水槽内の微生物はこの水をそのまま使用するとこの塩素で確実に死滅してしまう。ということで生きた水になおす薬品が必要になる。次の写真にあるものは水槽設置で必要最低限の薬品類。



私的には学生の頃、主にテトラの製品を愛用していたので今回もこれらを使用することにした。

(写真右)
テトラコントラコロライン:カルキ抜き(塩素中和剤)
水道水は汲み置きして2,3日経てば塩素は飛んでしまうけど、けっこう面倒なので水道水をすぐ使用できるよう持っておくのが便利。
(写真中央)
テトラアクアセイフ:重金属類の無害化等水棲動物の棲みよい環境作りに必要な要素を含んでいる。
(写真左)
PSB:水中バクテリア。水槽内の水質浄化には不可欠。魚などが食べ残した餌、排泄物などを分解無毒化し水質保持の重要な働きを持つ。

新規設置時は水槽に水道水をそのまま入れてもまだ微生物などは繁殖していないだろうから問題ないかもしれないが、継続的な水換えなどを考え、10〜20リットル程度のポリタンクを用意してその中でこれらの薬品を入れて水作りするのがオススメ。さらに言えば、醤油ちゅるちゅる(灯油ポンプ)を用意しておくと後の水換え時に勢いよく注水してせっかくきれいに出来上がったレイアウトを壊すことなく水かえできるので用意しておきたい備品だ。
1回の添加量はたいてい容器に書いてあり、また、キャップに目盛りが付いていたりしますが、スポイトもお店には売っています。

上記のものは必要最低限の薬品で、よりよい環境を作るにはさまざまなものがある。
(ビタミン剤やら水草の栄養剤、アンモニア中和剤、硝酸中和剤など。。。)
お金をかければキリがありません。が、必要に応じて使ってみるのもよいでしょう。


続いて流木の配置

これは今回の水槽で流木を配置しようと考えたので書いてみる。
中には化石などをレイアウトしてみたいという人もいるのでそれはそれ、個々の自由だ。
とくにこと細かく書くつもりはない。自分の配置したいように置けばよい。
ただし、流木配置前に注意しておきたいことがある。親切なお店ではすでにアク抜きしてあるものもあるが案外そうでないものが多い。アク抜きはけっこう簡単。流木がすっぽり入る鍋にお湯を張ってコトコト煮ればよい。煮込んで泡状のアクが出なくなればだいたい終了。お待ちかねの水槽に配置となる。




砂利を敷き詰め、流木など水中の1ポイントを配置したらあとは作った水を注水すればひととおり完了。
今回の水槽は写真右奥にエアーポンプを配置。左奥にヒーターを配置。
これは水流によりヒーターで加熱された水が満遍なく循環しやすいように考慮してだ。
(今回のヒーターはセンサ内臓タイプ)
水流は前述のとおり、右奥のエアレーションによる気泡の浮力で砂底から水を汲み上げて循環させている。
(設置直後なのでまだ濁りが多少残っている)




次は水草の設置について紹介します。


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