ポーラ美術館の 
印象派コレクション展
(2006.1.22)





 
ルドン 日本風花瓶

この展覧会は
一枚の絵に魅せられて出かけたました

観たいとは思っていたが
ポスターの限りでは「まあ、そのうち・・」でした

ところが
Juliaさんのblogで

この展覧会に
ルドン」の花の絵が
出ていると知ったら俄然出かけたくなりました

 ルドンは大好きな画家ですが
この絵は初めて知りました




9,500点もコレクションがあるとは、この美術館はいったいどれだけの物を持っているのでしょうか・・  

その中の、22作家80点が来ていました

私はルドンの「日本風花瓶」の絵に惹かれて行ったのですが、一番長く観ていたのはモネの「睡蓮」でした 

睡蓮の美しさもさることながら、その水面に映る空や雲、木の影がなんともいえません 

私は、絵が好きなのかその水面の景色が好きなのか分からなくなりましたが、ずっとその水面を眺めていたいと思いました

会場は 混んでいなかったので、ソファーに座って眺め近寄っては眺め、楽しみました


ルドンの「日本風花瓶」は、暖かい色が心まで温かくしました 花の色とバックや下の影の色が、リズムとハーモニーを生んでいます 

ルドンは、この花束を作り花瓶を探したのでしょうか 日本風のこの花瓶に惹かれてこの花束を作ったのでしょうか・・・

素人が花の絵を描く時、花瓶に具象の図があると、ソコだけが飛びだして始末におえないものですが、 ルドンのこの白っぽい花瓶は、図により磁器の輝きを増していました

その硬質な白と獅子舞のような図の色は、バックのオレンジ色と相まって、花をいっそう幻想的に見せていました

傍で見ると、下の茶色は後から入れているのが分かります 初めに花があり、次にバックの色、そして最後に影で締めていったのかと作家の目を心を感じられて嬉しくなりました


       
  モネ 睡蓮 


 
ルノワール レースの帽子の少女


ルノワールの「レースの帽子の少女」はさすがです

ルノワールは、本当に女性の肌を輝かすのが上手だと思います 女の私でさえも、唇の清潔な甘さにひかれ、その頬に触れ、ピチピチした丸い腕をつかんでみたくなりました

モデルが良いのか、ルノワールが凄いのかと他の絵も観ながら考えました ルノワールの作品中ではこの女性の絵が群を抜いていました


クールベは、以前「栃木県立美術館のクールベ展」を観てから、とても好きになった画家です 今回みてもいいな、と思いました 「波」を観ていると、その海に行きたくなりました

私は風景画を観ていると、絵が良いのか風景が好きなのか時々分からなくなります 今回は出ていなかったのですが、クールベの描く森や自然の情景は私を惹きつけます 


ドガの「2人の踊り子」、傍で観ていた時にはどうこう思わなかったのですが、離れて見ると衣装の黄色が底光りするように輝いています ゴッホ展の「夜のカフェテラス」観た時も、内側から光を放つような黄色に参りましたが、これはまた違う輝き方です なんだか目が離せない絵でした

ドガはデッサンの達人と聞きますが、私にはずっとその凄さが分からないでいました ここで、なんだか納得したような気がします



          
モネ  サン=ラザール駅の線路                    モネ  ジベェルニーの積みわら



今回、モネの作品は多く、こうやって観るとモネが人気あるのが分かります 睡蓮に限らすいい絵がいっぱいでした 

「サン=ラザール駅の線路」「ジベェルニーの積みわら」
 雰囲気の違う絵ですが、本当にいいな〜とずっと観てしまいます 

モネの絵は、どれもが自分もその場にいるような、その空気に包まれているような気がします


ピサロは昔から好きな画家ですが、3枚並べてみるとやっぱり良いなと思います 穏やかさ、暖かさあり、心地よい気分になります 


セザンヌには「この絵が好き!」という一枚はないのですが、いつ観ても良いな、上手いな、と思います 安心してみていられると言うのでしょうか・・ 水彩っぽい「ラム酒の瓶のある風景」が好きでした


セザンヌ ラム酒の瓶のある風景

ゴッホ ヴィゲラ運河にかかるグレース橋

「ヴィゲラ運河にかかるグレース橋」を観いていると、まだゴッホの心が健康な時に描かれた絵なのだろうかと考えました 暗いオランダやパリの空の下から陽光溢れる土地に来て、その輝きに喜んだゴッホの気持ちが見えるような絵でした

傍で見ると生々しいような色が、離れて見ると生き生きしてゴッホの幸福を感じました


今回出品してある画家の中で、どこでもいつでも見たい画家にロートレックがいます 同じように好きなルドンの花の絵と並んでありましたが、やっぱりいいと思います 

私は、ロートレックの構図や空白の使い方に惹かれるのでポスターや挿絵が好きですが、やっぱり油絵も好きだなと再認識でした




 この展覧会が、どうしてこうも心地よかったのかと考えました 

このコレクションを集めた
「2代目社長の鈴木常司氏」の好みの良さからからでしょうか・・・


印象派
モネが言った言葉を思い出します

ある日突然目が見えたとして、その感激を絵にしたい

彼らのその感激を観ているから
幸福な気分になれるのではないかと・・・



印象派の絵は、誰でもが好きでいつでも混んでいるので
私は印象派関係の展覧会にあまり行きたいとは思いません

でも、これは来て良かったとつくづく思った展覧会です




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