切り込湖・刈り込湖 2005.6.19           


   
                  −クリンソウを諦めて、切り込湖・刈り込湖へ−

            赤沼駐車場−光徳沼−金精峠−切り込湖・刈り込湖ハイキングー温泉    
                   8:30          8:50          9:50              10:15 - 12:30                           1:40




千手ヶ浜のクリンソウを見たいと思って、日光に出かけた しかし、クリンソウ人気はバス待ちの長い行列を作り、2,3時間と言う待ち時間の長さに驚いた私たちは行動を変更した 

今日は「クリンソウ・石楠花・ズミの花」を見る予定だった 今までずいぶん日光に来たが、夫といっしょの時に「これ!」と予定を立てて来ることは珍しい 今回、私はネットで花の場所の確認やバスの時間までも、しっかり調べてあった クリンソウが駄目ならズミの花をと光徳沼に向かった 光徳牧場までは何回か来ていたが沼は行ったことがない

光徳牧場に入って行く道は、いつもその美しさに感嘆し、ここを自転車で走りたいと思う 今日は、その両脇にズミの白い花がたくさん咲いていた 戦場ヶ原方面も何処もかしこも、今日の日光はズミの花が多かった そこに、淡いオレンジ色の蓮華ツツジがぽつぽつと見え新緑はますます映えていた





光徳久牧場のズミと牛たち


蓮華ツツジ




しかし、ズミの盛りは過ぎてきたようだ 
光徳沼の周りのズミはかなり散っていた 

ここにね〜
夢見るように白い花を映している予定だったの
と夫に一生懸命説明する私だった




       

光徳沼                                       ズミの花筏                        夢見る姿は先週まで

   



金精峠付近の山の斜面に、石楠花が咲いているという話を読んでいたので、次はそちらに向かった 金精峠まではかなり登り、緑がどんどん淡くなって行く 湯の湖も湯滝も通り過ぎ、切り込湖・刈り込湖登山口も過ぎた

夫が、切り込湖・刈り込湖まで歩くこうかという こんな珍しいことには喜んで賛成した 切り込湖・刈り込湖の駐車場はガラガラだったので金精峠が先でいいねと進む 金精峠トンネル入り口の白根山・登山口の駐車場に止めて探した 

この駐車場は2年前の白根山敗退を思い出させた ちょうど今の季節で、シラネアオイを期待してここから登った あれが私の体調不良の始まりだった

さてさてと、周り中の斜面を見回しても石楠花の影も形も見えない 代わりに、なんともキレいなインクのマゼンタ色そっくりなツツジを見つけた






ムラサキヤシオツツジ
もう少し濃い色で、花弁の薄い小さな花と言う感じでした


花がかなり小さくて繊細だ 
遠くからは米つぶのように見える 

写真を撮ろうとするのだが
どうしても空がバックになってしまい
キレイな色が写らない 

道ではない斜面を頑張って登ったが
やはりキレイに写っていなかった 






諦めて降りてきたら、山の斜面の樹々の下に枯れた木にしてはおかしい薄茶のような淡いピンクのような色の箇所が広がっていることに気づいた 双眼鏡が欲しかった どうやら石楠花の群落らしい・・ 

「あそこなら荒らされる事はないね・・」 「そりゃ、道がないのだから誰も行けないよ」
誰も見たことない所で静かに咲いている花のことを考えた



そして、切り込湖・刈り込湖の駐車場に向かった そこには、驚くべき現実が待っていた

駐車場に、湯滝からつづく道を登ってきた団体が続々と入って来た 狭い駐車場にとぐろを巻き、こちらはすぐに車を入れることさえ出来なかい そして、案内板の前に陣取った 切り込湖・刈り込湖登山口のメイン駐車場は下なので、今から出発らしかった 

その人数うるささに辟易していたら、なんとまた同じような年代・人数の団体がやって来た 一緒の団体かと思うほど似ていた ひとグループ30人は下らないだろう・・

今の私に、この人たちを全部抜くほどの力があろうか?と考える前に、夫がいたのではこの人たちの一番最後に付くしかないことに気づいて暗澹とした 夫は、ここで待っていると言い出した 夫を待たせるのは気の毒だったが、私は歩くつもりになってしまっていた そして私は、最初の団体が出発して、しばらく待ってから歩き出した 

        




  


                                                      
切り込湖・刈り込湖ハイキング      −初めての一人山〜歩き−                       



               
                                        紫陽花に似た白い花       
  向こうに抜ける新緑がきれいです         オオカメノキの花がたくさん散っていた




先ほどの賑やかさは何処の世界だったのか、と言う静けさだ
私以外の人の気配がなかった 

木々は茂り岩は苔むし森の静けさがあった 色々な鳥の鳥の声がした 

今日は何処も鳥の声が多かったが、この道に入ったらことによく聞こえる


この看板を見て耳をすませたら
センダイムシクイとシジュウカラの声が聞き分けられた





       

小鳥の声が聞けます

森の音楽館









一人で歩くのはなんと気持ちよいことか・・ 
私の音と自然の音だけ 
そして、私の前を遮る人はない 







この道は、スミレが多くあちこちに群生していた



               
岩と苔と羊歯       スミレ                         ?&? ツクバネウツギ




あれこれ感嘆しながら写真を撮り、のんびり進んだ やっと身体が慣れて楽に歩けるようになった頃、先に出た休憩中の団体の中に飛び込んでしまった 真ん中が空いていて両側から大勢の人に眺められるというのは心地よいものではなく、視線を避けるように早足になった 帰りに見たら、いくつかのキレイなベンチが両側にある小さな広場になっていた

このコースは、大昔に2度歩いているので馴染みはあるものの、まだ結婚前の山に感心のなかった頃なので、コースも時間もろくに憶えていなかった この先どの位あるのかな?と時計をみる 

このはハイキングコースは、平らな歩きやすい道と大きな岩のある道とにキッパリ分かれる 病気前ならトントントンと岩を渡れたであろうところも、一歩一歩確かめながら歩くので岩部分はは大変だった  入り口の案内板に、おおよそのコースタイムがなかったのが辛くなる やっともうすぐかな、という分かれ道に出た






 この先が長かった  
実質15分だったのに・・


 

たくさんの階段の中では短い
  

       石が多い
  



この後の300mが長かった 

いったいどの位降りただろう・・ 
とにかく階段と大きな岩が多い急な下り坂だ 

滑りそうで神経を使う
今日は歩くつもりではなかたので、ウォーキングシューズだった 


これだけ下るとう言うことは、帰りは登るんだな、とウンザリした 

300mというのは地図上の直線距離なんだろうか
この歩く歩数の距離なのだろうか?と
今まで山を歩いてきて初めてもった疑問だった 

帰り道、この階段を数えたら7ツあった

たった15分間のことだった




          




あそこに見えるのは湖だ!

樹幹の水の色に気づいた

嬉しくてほっとしたがすぐには降りないで
まずこの嬉しさを写真に収めた

そして、ゆっくり降りていった

ああ、きれいだ〜〜〜
これほどキレイな湖だったろうかと昔の記憶を探った






昔見たのは、5月の雪の中と真夏の暑い日とだった 雪道は慣れない私には危なっかしい道だったし、 真夏に来た時には風の抜けない登山道は暑かった あの時の昼寝の心地よさしか憶えていなかった

ここまでちょうど1時間だった 目安の時間がないので、私がどのくらいの早さなのか見当が付かなかった とりあえず、あの団体に追いつかれないだけ良しとした




         



数えられるほどの人しかいなかった

風が、静けさが、心地よい

私はうっとりしながら写真を撮っていた








さてあちらに周って休憩しようかなと思ったら、ワイワイ・ガヤガヤ一団の声が聞こえてきた 湖への階段を、下りて来た人下りて来た人全員が「わ〜きれい!きれいね〜!」大きな声で感嘆する

誰かが「静かでキレイね〜」、と言ったら「私たちがいなければネ・・」と言う声が聞こえ笑えた この団体の中にあってもそう感じる人がいたのは救いの気がした

そうこうしているうちに、後からの団体もやって来た 先ほどとスッカリ同じことが起きた また、ここのリーダーはこの賑やかな団体を引き連れているのに、熊鈴を付けて声が大きい あちら側に渡るくらい丸木橋でも下の道でも勝手にさせれば良いのにと思うのだが、いちいち大声で指示を出し五月蝿いことこのうえなし・・

いつも思うのだが、今日は奥日光とはいえかなりの気温で半袖の人も多いし、この山道は砂地のような泥とは縁が薄い道なのに、スパッツを付けている人が多い 私は暑いのが苦手なので、よほど泥や雨の心配がない限り付けたくはない方だ 何故つけるのか聞いてみたようだった




         

  左手から川が流れ込む
この湖は何処にも流れ出さない 地面に染み込むのだろうと・


人影は左手の奥の方に行った





賑やかだった団体もあちら側に渡るとずいぶん声が小さくなる 
そして、口に物が入ったら急に静かになって行った

私は、夫のお昼のオニギリまで背負ってきてしまったことに気づき
お茶だけの休憩にした 

一人風に吹かれ、山と湖を見ながらお茶は美味しかった




15分ほど休み、帰ることにした お昼も食べずに夫が待っていると思うと、早く帰ってあげねばと思った チョコレートと少し座った時間が、私をかなり回復させていた 


あれほど長いと思った階段も、辛いとということもなくもなく登りきった 先の見えないことが、長く感じること、辛いことを知った 

その後の道は、大きな石があるとこころはあったものの楽しく小鳥の声や緑を楽しみながら帰った


もうそろそろ駐車場だな、と思った時、夫の姿が見えた ここで鳥の声を聞いていたというので、私たちはその道端でお昼にした 今度は日本茶を入れ、オニギリとヨーグルトを食べた 自慢のチタンのサーモスに入れてきた熱湯が役に立った



   




       シウリザクラ


    
         石楠花



     レンゲツツジ

この後は、温泉だった  帰り道、忘れずにあのクリンソウ目当ての混雑がどうなったか見ようなどと言っていた 


トイレに行きたくて寄った湯の湖畔は、蓮華ツツジがキレイだった 写真を撮ろうと思ったが、その後のアストリア・ホテルの庭のツツジが同じようにキレイだった あれほど見たかった石楠花も、湯の湖湖畔では平地では見られない透明な鮮やかさで咲いていた


温泉は何処にするか決めてこなかったが、夫が朝の駐車場でアストリア・ホテルに日帰り温泉があるのを見つけ、そこに行きたいと言う 私はホテルの温泉では高いと思ったが、今日は私の為に待っていてくれたので、今度は夫の希望にした


アストリア・ホテルの温泉はさすがだった

源泉だが、63度あるので水で薄めているそうだが、硫黄の濁り湯はいかにも温泉らしかった

露天風呂に私が一人で入っていると黒い大きな蝶が飛んできた そして、何匹も飛んできた 先日の男抱山の蝶のことを思い「私は蝶に対してフェロモンがあるのかしら?」などと思った



温泉の後、珍しく夫が私にビールを許してくれたので酔い心地で日光の1日は終わって行った

                  * 飲まない夫は私が外で飲むことを好まない



 * 帰宅してからピカリさん♪の越前岳レポで花の名前を調べた

* blogにも「クリンソウがハイキングに」が載せてあります

       



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