燕子花図展 (2005.11.3)


観たいもの、行きたい所、したい事、会いたい人、とにかく多すぎて追いつかない 一番は絵から、と言うことで上野の国立博物館で北斎展根津美術館の燕子花図(かきつばた)を観に出かけた 

「北斎展」は、浮世絵に詳しい友だちの峰さんに一緒に行って欲しくて前々から同行を頼んでいた これは思った通りでとても楽しかった 北斎展は予想以上の凄い作品数だった 4時間も会場にいた 1時間半位の心積もりだったので、コレは予定外 身体も疲れたが、集中してみるので心も疲れた 



                           
       博物館の庭&法隆寺宝物館                レストラン・ガーデンテラス入り口より外を望む


疲れきった私は、とにかく座りたかった おなかが空いていた 峰さんもせかしいタイプではないので、私のノンキさに付き合ってくれる 宝物館にあるレストランがいいと聞きいていたのでそちらに向かう

宝物館はなんとも美しい建物だった 心を誘う・・こんな言葉を想った こんな疲れていなければ、ゆっくりじっくり観たかった レストランはこの建物にこの環境だからさすがに気持ちいい 後で調べてみたら谷口吉生の設計にレストランはホテルオークラだった 根津美術館が閉まってしまうからと、やっと腰を揚げたのは4時近くだった 



表参道の駅に降りたら既に薄暗くなりかかっている 根津美術館への目的は光琳の燕子花図(かきつばた)一点なので、30分あれば十分だ 美術館までの短い道筋は、足を止めたくなるウィンドーが多かったが、それは後にと急いだ


             
  美術館への道筋にある  プラダ・ブティックのショーウィンドー


美術館に着いたら入り口に、「今日はオシマイです」の札が出ているではないか・・ レストランで、峰さんが時間を確かめようと美術館に電話するのを「4時半よ!」と言い切って止めた私には具合が悪かった(^^; 普通、美術館は4時半間までの入場なのに・・と、とりあえず開館時間と休館日を聞きに行く 「この美術館はお庭に電気を設けていないので、暗くなると閉館なります」と教えられた  
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       ヨックモック:クリスマスの気配
私はこの後、
地方から出てきている友だちとの約束があった 
シングルユースで泊まるのも
ツインで泊まるのもたいした違いはないからと
差額分だけ私持ちで今夜はホテル泊まりだった 


明日も都内にいる私は
「私は明日行くけれどゴメン・・」
と謝った 
そんな私に友だちとの約束時間まで
付き合ってくれた



翌朝、早起きして朝一番で行くのがいいことは分かっていた しかし、女同士でおしゃべりに花が咲かない訳はない 「ホテルでモーニングサービス食べる時ほどホテルの嬉しさはない」と言うのが友だちとの一致した意見だった 

出たのは11時近くなっていた お天気が良くて、上着が邪魔だった 美術館に着いたら、着物姿の人が大勢いる お茶会があるようだ 会場は混んでいなければいいなと思ったが、かなりの人だった

まず目的のこの絵が観たい 右手の部屋の正面にあった 昨日の美術館の人の話では「大きい絵ですから、たくさんの人が同時に観られ、それほど混雑は気になりませんよ」みたいなこと言っていたが、どうして誰かがどくのを待たねばならなかった


                         


左手から右に移動する ひと目見た時、折りのある屏風絵と言うのは屏風で観なくちゃダメなんだと思った 写真で観ていたのとはまるで違う それが、屏風は観る位置でまた違う顔を見せる 右手から見るとこの凸凹に見える花の位置が綺麗な山形を描きデザイン的だった 

私は遠くから全体を観たかった こんな大きな屏風を飾るのはさぞ大きな部屋だろう 美術館のこの部屋より大きいかもしれないと、部屋を見廻して考える だとしたら、その部屋で見たこと想定した位置から見たかった 襖を開ける 広い部屋を横切って行き座る 視線の高さが変わる、その時の印象も知りたかった 

しかし、それは無理だった 待つうちにドンドン人が増えてきた やっぱり朝一に来ないといけなかったのだ 仕方ないので、これはまた毎年、燕子花の咲く頃に展示されるそうだから、その時は空いた時間に来ようとに思った
 
傍で見ると、西洋画と違いほとんど濃淡のないことが分かる それでも花は豊かなふっくらした花に見えるのが不思議だった 見る位置により花を見て歩けるけるような小道感じた 


   
    パンフレットの着物が綺麗だった 濃い青と薄い青の2色の濃淡だけで描いた花 こんな着物なら着たいよねと友だちと話す 丈が短い 昔はつったけ(腰にオハショリしない)だし、もっと背が小さかったのだろうねと、その時代の女性の緩やかに着物を着た姿を思い描いた この着物にどんな帯をどのように締めていたのかそんな絵が観たかった 


他の部屋で花の屏風を楽しんだ後、2階に上がり下を見て驚いた 下に見える屏風絵、燕子花が左と右では違って見えるなんていう違いではない まるで違う絵だ 


上から見ると奥行きが出て、華やかだった絵がずっとあっさりみえる 四季の花の屏風が2つあったが左手の作品、花の間に抜ける小道がッカリ見える 燕子花も、座った位置ではなくて部屋に立った位置なら小道がしっかり見えるのかもしれないと、その演出のニクサを思った こういうものをお城に置いて見せてくれたら随分気分が出るだろう
        


私たちは、遅いお昼を食べに外に出た 

先に銀行に寄ったら、静まり返ったキャッシュコーナーで携帯が鳴った 
娘との買い物は先伸ばしにしてもらった

 昨日の「北斎展」の疲れも出ていた 
 


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