翌朝、早起きして朝一番で行くのがいいことは分かっていた しかし、女同士でおしゃべりに花が咲かない訳はない 「ホテルでモーニングサービス食べる時ほどホテルの嬉しさはない」と言うのが友だちとの一致した意見だった
出たのは11時近くなっていた お天気が良くて、上着が邪魔だった 美術館に着いたら、着物姿の人が大勢いる お茶会があるようだ 会場は混んでいなければいいなと思ったが、かなりの人だった
まず目的のこの絵が観たい 右手の部屋の正面にあった 昨日の美術館の人の話では「大きい絵ですから、たくさんの人が同時に観られ、それほど混雑は気になりませんよ」みたいなこと言っていたが、どうして誰かがどくのを待たねばならなかった
左手から右に移動する ひと目見た時、折りのある屏風絵と言うのは屏風で観なくちゃダメなんだと思った 写真で観ていたのとはまるで違う それが、屏風は観る位置でまた違う顔を見せる 右手から見るとこの凸凹に見える花の位置が綺麗な山形を描きデザイン的だった
私は遠くから全体を観たかった こんな大きな屏風を飾るのはさぞ大きな部屋だろう 美術館のこの部屋より大きいかもしれないと、部屋を見廻して考える だとしたら、その部屋で見たこと想定した位置から見たかった 襖を開ける 広い部屋を横切って行き座る 視線の高さが変わる、その時の印象も知りたかった
しかし、それは無理だった 待つうちにドンドン人が増えてきた やっぱり朝一に来ないといけなかったのだ 仕方ないので、これはまた毎年、燕子花の咲く頃に展示されるそうだから、その時は空いた時間に来ようとに思った 傍で見ると、西洋画と違いほとんど濃淡のないことが分かる それでも花は豊かなふっくらした花に見えるのが不思議だった 見る位置により花を見て歩けるけるような小道感じた
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