私は、これまで「黒の技法」マニエル・ノワールの時代の版画しか思い浮びませんでしたが、他にも作品は多くありました
「マニエル・ノワール(メゾチント)の時代」は70歳近くなって始めた技法だそうですから、89歳で亡くなる日まで製作したとしても19年間ですから、その前が多い訳です 長生きするって素敵なことと思いました
初期のこの人作品には、あれこれ私の知っている作風が見えます 木版画では川上澄夫を思い出しました
ルドンに惹かれていたとありましたが、ルドンの影がずいぶん見えます 女性の横顔や目玉の作風、リトグラフの色彩については少しルドンの影響が見えすぎて、ついつい比べてしました
フランスに渡って描いた女性の顔はレオナルド・フジタを思い出し、フジタに惹かれていたからこうなるのか、フランス女性を描くとこうなるのか、と考えました
それでも、いいものはやっぱり良くて、マニエル・ノワールの時代の版画はどれもみな素敵ですが、そこにいたるまでの作品も好きです |