武雄温泉・吉野ヶ里旅日記(2) 
 
<2日目 2018年5月11日> 
 
 掲載日2018年6月9日                纏め:増山俊一
 
 参加者:田中利夫、田巻 弘、本田恭二、
増山俊一、松村和裕、和田 弘  
                                                    俳 句:田巻 弘
 
第二日目・・・・吉野ヶ里記念公園と祐徳稲荷神社
 「吉野ヶ里」 約4時間6人全員で歩いた(一部公園内巡回バス乗車)。
 新聞に奈良県桜井市の縫向遺跡で出土した桃の種の年代測定から、耶馬大国の場所について論争の小さな火が再燃したとの記事が出ていた。
 本田さんとは祐徳神社へ向かう途中の車中で別れた。
 「祐徳神社」「奥ノ院」迄登った。降りは登りと別の路を通ったが、登りより急な所が多かった。
松村記
ホテル 春慶屋
増山俊一
 朝5時半から朝風呂、7時朝食 湯豆腐、温泉タマゴ、佐賀のりなどが並ぶ。8時全員集合。記念撮影をし
て、宿の車で武雄温泉駅に送ってもらう。評判どおり気を使ってくれた快適な宿だった。
朝食前       和田撮影 朝食の膳
宿の前 楼門をバックに記念撮影
楼門とその近傍について
田中利夫
 旅行日二日目(11日)早朝、目覚めが良かったので朝風呂後宿周辺を散策した。目的の第一は楼門で、武雄生ま
れの辰野金吾氏が設計という建造物である。絵本にある竜宮門の様な形をしている。ここを見たいと思ったのは
過日竣工した東京駅乗車口ホールドームに飾られている十二支のうち欠けた子、卯午、酉が此の門に取り付け
られているとの新聞記事を読んだ事が発端である。早朝であったが、偶々居合わせていた楼門内の元湯の人から
欠けた四干支は門二階に有り9時以降一時間の見学者に開放との事であった。
 楼門1F内写真を説明すると、正面に二階に上がる階段が見える、二階の天井は写真と同じ形式で四隅に4干
支が取り付けられているとの事である。
重要文化財楼門他説明 楼門と源泉地
楼門1F内 楼門と併せて作られた武雄温泉新館
 足の向くまま坂道を上がると芭蕉の句碑が淀姫神社にあるとの道標が有り、細道を上がると右側笠木の折れた
鳥居を持つ岩崖上の岩造りの社があった。芭蕉の句碑は近づいて確認してないが、鳥居写真の下部中央付近にそ
れらしく写っている。

淀姫神社
芭蕉句碑
吉野ヶ里歴史公園
増山俊一
 JR武雄温泉 8時23分発の各駅停車に乗り、途中肥前山口で乗り換える。佐賀市への通勤・通学時間帯だった
が、離れ離れではあるが皆座席に座れる。9時16分に吉野ヶ里公園着。駅名も吉野ヶ里歴史公園と思っていたら
違っていた。公園まで 650mの案内板がある。畑の中の道をひたすら歩く、15分歩いてようやく入り口に着く。
駅前から歴史公園へ向かう道 歴史公園入口
 入り口からは駐車場、休憩所、トイレなどがあり5分ほど歩き、歴史公園センターに着く。 ガイダンスルー
ム、ミニシアター、休憩所、ロッカー、売店、レストランなどがある。ここから先は料金が必要で、大人460
円、65才以上は200円、証明書なしでわかってくれる。チケットのゲートを抜けると、園内の復元建物が目に飛
び込む。
歴史公園センター(東口) 妄想の弥生時代や五月晴
 園内巡回バスが20分ごとに「環濠入口」から出ているが、バス乗り場が分かりにくい。9時50分発のバスが出
たあとなのでガイドさんに連れられ環濠の説明を受ける。環濠を挟んで柵や乱杭・逆茂木を厳重に備えている。
ガイドは場所ごとの担当でツアー形式ではない。ガイドさんから公園は北に向かって上がっているので、まずバ
スで北墳丘墓に行き、施設を見ながら入口に戻るのが楽だと教わる。
環濠入口休憩所とバス乗り場 環濠と柵
 バスはまず南に向かい、公園内の南にある一般人の住居地区を右に見て半周し、水田や畑の間を北に進み
「古代植物館」に寄ってから「北墳丘墓」に着く。所要時間 14分。
園内バスから見る「南のムラ」 弥生の畑
「北墳丘墓」は非常に高度な盛土技法が用いられた丈夫な構造の人工の丘で、歴代の王が埋葬されていると考え
られている。内部は展示施設になっていて、発掘された状態の遺構と14基の甕棺を見ることができる。
北墳丘墓へ 北墳丘墓内部
 北墳丘墓の南から「北内郭」の復元建物群が見える。途中一般の人々の墓地で、多数の甕棺が埋められている
「甕棺墓列」のエリアを通り、北内郭に行く。
北から見た北内郭の建物群         甕棺      松村撮影
 「北内郭」は2重の環濠に守られており、吉野ヶ里の中で最も重要で神聖な場所とされている。 巨大な主祭
殿をはじめ、東祭殿、斎堂や4基の物見櫓など9棟が復元されている。「東祭殿」は太陽の動きを知るための建
物で、季節ごとの祀りが行われていたと考えられている。
東祭殿
 主祭殿は吉野ヶ里環壕集落内で最大規模の建物であり、祭祀性が高く祭祀の中心となる建物と推定されてい
る。中層部分は政治の場、祭りの際には直会の場として、上層部分は最高祭祀権者が祖霊に安寧と豊饒の祈りを
ささげる場として復元されている。
櫓から見た主祭殿と斎堂(左)          主祭殿前     田中撮影
 北内郭から南内郭に来る。「南内郭」は王や支配者層が住んでいた場所と考えられている。環濠入口からここ
まで復元された建物や遺跡を見て、魏志倭人伝の記事「宮室樓觀城柵嚴設」そのものだなと思う。
南内郭
 南内郭を出るとすぐ「展示室」がある。遺跡から発見された甕棺や銅鐸など貴重な資料が展示されている。庶
民の衣服である「貫頭衣」と上層人の絹の衣服が復元され展示してある。ずいぶん格差があるものだと驚く。
展示室内 貫頭衣と上層人の服
 展示室からしばらく歩くと環濠入口に出る。歴史公園センター(東口)に戻ると11時45分、ランチタイム。
 田中君がレストランの席を予約しておいてくれた。全員「二八そば定食」を選ぶ。御飯には古代米のひとつ
「赤米」が入っている。980円。
まずは一休み 二八そば定食
 食事後センター内の売店などに立ち寄り、12時30分 歴史公園を後にJRの駅に向かう。
吉野ヶ里歴史公園・完   松村撮影 吉野ヶ里公園駅
 吉野ヶ里公園 13時01分発 肥前鹿島行きの各駅停車に乗車する。車内は明るく快適であるが、佐賀で7分間、
肥前山口では長崎行きの特急「かもめ21号」を待ち合わせ9分間停車する。本田君とはここで別れる。
肥前鹿島行き電車
祐徳稲荷神社
増山
 肥前鹿島 13時59分着 鹿島バスセンターに行く。案内所で祐徳稲荷に行くバス乗り場を尋ねているうちに
14時02発のバスが出てしまう。次のバスに乗り祐徳稲荷神社前 14時40分ごろ到着、バス停のコインロッカーに
荷物を預け参道を10ほど歩く。参道の両側には店が並ぶがお客の姿は見かけない。 神社への入口の近くに駐車
場があり、参拝客・観光客のほとんどはこちらを利用しているのだろう。神社にはかなりの人がいる。
参道入口      田中撮影 参道
 祐徳稲荷は、肥前鹿島藩主鍋島直朝の夫人花山院萬子媛が、1687年に勧請された神社で、日本三大稲荷の一つ
とされ、年間 300万人の参拝者がある。本殿、神楽殿、樓門等は総漆塗極彩色の宏壮華麗な建物である。
楼門 山若葉高き思いの萬子媛
 
 本殿は一段と高い山の中腹にある。
                     本 殿               松村撮影     
本殿 本殿前から神社入口を見る
 本殿の北に「命婦社」があり、西洋人が不思議そうに見ている。狐を祀るなど考えてみればおかしなことでは
ある。命婦社の左に「奥の院」への登り口を示す案内板が立っている。田中君から「行くならば俺も行く」とい
われ、行くかとなる。奥の院まで 300m とある。標高差は 100mはあるだろうか、途中下り坂もあり、かなりき
つい登りである。
命婦社 奥命婦社鳥居
 金比羅さんや山寺でも苦労したなと思いながら登る。10分ぐらいで「奥の院命婦社」に着く。 ここまで登っ
てくる人はかなり大勢いる。
            奥の院命婦社        松村撮影  
 奥の院命婦社の後ろにも、いくつかの祠が並んでいる。われわれのほかには、ここまで来る人はいないようで
ある。ここが山頂かと思いながら、さらに奥に行くと、なんと道路工事!? 並木の向こうには畑が広がってい
るようでもある。狐につまされたような気がする。
奥の院の祠 道路工事中!
 奥の院命婦社の下に展望所があり、鹿島市街地に続く街並みと、その先に有明海がうっすらと見える。
奥の院からの展望
 10分ほど奥の院にいた後、15時40分下山開始、登りと同じ道を下る。急勾配で登りより下りのほうが怖い。本
殿まで20分弱かかる。松村君はもっと急な別の道を降りた。参道を戻り、16時30分発嬉野行きのバスに乗る。
下り 楼門前に戻る
うれしの元湯
増山
 17時15分ごろ、嬉野バスセンターに到着、案内所で宿「うれしの元湯」の場所を訊く。すぐそこの信号を渡っ
て右に2軒目と教わる。17時25分宿に着く。
宿「うれしの元湯」に到着
 嬉野温泉は1300年の歴史を持ち、別府と並び九州の二大温泉街ともいわれ、「日本三大美肌の湯」として名高
いそうである。まず2階の大浴場に行く。かなり混んでいる。隣接の露天風呂もいっぱいである。18時30分夕食
開始、食堂は半個室形式になっている。
               夕食の記念撮影         写真:松村提供
 夕食は「四季懐石」席に着いたときには、先附と前菜だけが置かれている。ビールのあと日本酒を飲む。嬉野
の清酒「虎之児」、ふくよかな甘口。
夕食スタート 先附 清酒「虎之児」
 台物は「鯨ハリハリ鍋」御飯は「ちらし寿司」。食べ終わると20時50分。
上:前菜 椀物 造里 煮物 焼物 下:台物 御飯・留椀・香の物 水菓子
 1階離れの露天風呂「名工の湯」に行く。源泉かけ流しで湯口付近はかなり熱い。他の客はおらず貸切。部屋
に戻り、今日も22時過ぎまで話がはずむ。
以上
 
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HP編集者コメント:小生は参加できませんでしたが、なかなか面白い且つ参考になる記述が沢山ありますので、「コンフォートあづみ野」のトップ頁の最近掲載頁の索引からも、見ることが出来るようにしました。 
 
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