いやがらせか!それともウエダクラブの儀式か!?
 いきなり「ウエダ19」が送られてきました。回しているだけでクランクシャフトが折れ飛ぶと言われるやつです。「09以外はみんな折れ飛ぶ」と言われるウエダのクランクシャフトは、一体どのような物なのでしょう。
 外観は15や60クラスと同様なのですが、45クラスと09に比べて無骨で強そうな感じがするところがギャップで、愛くるしいですね。
 スロットルはガタも少なくて良好そうですが、作動前に様々点検です。
 クランクケースはフロントハウジングとバックプレートで構成されたタイプで、整備性の良さが売りみたいです。コネクティングロッドの逃げがクランクケースにありますので、15クラスのそれと共通パーツなのでしょう。
 PCやヘッド、めねじなどはおなじみの「飢え駄」です。したがって、タップは立て直しました。
 で、問題のクランクシャフトですが、写真はエンヤ19のそれと並べています。どちらがウエダ19かはすぐにおわかりでしょう。ウエダ19のシャフト外径は9mm、内径は7mm。エンヤ19の外径は11mm、内径は8mm。
 ただでさえ小径のシャフトは捻れ剛性が不足しているのに、肉厚は1mmだって。特にインテーク部は角を丸めて応力の分散を図るのが一般的なのですが、結構「角」です。(念のため、「つの」ではありません)
 この純粋不良品を送りつけた犯人は、ウエダクラブの参謀です。つまり「やっぱり飢え駄でした。」では許してくれる相手ではないと言うことになります。なんとか人並みに(いや、人並み「少し下」でもいいか)回さないといけません。
 卑怯者の私は、初始動の前から対策をたてました。つまり、エンヤ19のフロント回りがウエダ19のそれとほぼ同寸法であることから、交換部品として用意しておくことにしたわけです。
下がるピストンのスカート部があたる為、クランクシャフトのカウンターバランサーを旋削し、フロントハウジングのはめ合わせ部を0.15mm旋削で、ほぼOK。外観がややスマートになってしまいますが、言わなければ分からないでしょう。
 問題は、始めから「ウエヤエンジン」(ウエダとエンヤの合成エンジンですからね!)にするか、ウエダで行って、破壊した時に交換するかです。
 じわじわと続きを書きますね。  (2006年11月23日)

 で、やっと12月23日に回してきました。排気スロットルがあるためにマフラーがつきません・・・・って言うよりもマフラーなんか無かったですね。ウエダ19って、外観からマフラーをとりつけ辛いので、自作にも困ります。
 調子はというと、結構簡単に始動し、排気の汚れもほとんど無し。甘めで回すとヘッド回りは冷え冷えなので、慣らし運転は早めに終わるのかなあ?
 例によって、1〜2分回しては冷やすという慣らしを数回繰り返してみますが、極端な異常は見つかりません。排気音はうるさいですけどね。
 怖いから、ニードルはまだ絞りきっていませんが、9×4のプロップで11000rpmを越えます。しかし、排気スロットルのおかげで排気音はめちゃ小さくなるものの、スローの回転数は4000rpmを下回るのがやっと。やっぱ、ウエダですか。09だって3000rpmまでは落ちますからね。
 問題のクランクシャフトはと言うと、さすがにまだ折れる気配はありませんが、気がつくとなんかガタがあります。帰宅して測定すると外径方向に0.15mmですね。シャフトが減ったかメタルが減ったかって問題ではなく、このまま行くかどうか、思案が必要です。ボールベアリング仕様にするか、メタルの打ち直しか、いずれにしても・・・・飢え駄だな。   (2006年12月24日)

 そのうち・・・と考えていましたが、今日改造してきました。ボールベアリングは内径φ9、外径φ17の1790型です。フロント側はしんちゅうで製作したブッシュを入れ直しましたが、これが結構な手間でして。おそらく皆さん信じられないような工程を踏んでいますね。そのうちにアップします。
 当たり前ですがガタもなく、クランクシャフトは滑らかに回転しますので、ご機嫌で再組み立てです。一応他の部分も確認しましたら、ヘッドやバックプレートのビスは全てゆるんでいました。このくらいでは驚きませんが。明日テストランですが、ボールベアリングが小さいからなあ、耐久性はどうだろう?(2006年12月25日)

 荒天でテストランが出来なかったので、先に
マフラーを作りました。

 このフロントハウジングの改造方法は、
こちらです。(2007年3月21日)