VECO19できましたあ!!

とりあえず、PCかなあ。

 友人からヘッドが届きましたので、デフレクターの位置を確認し、ピストンとコンロッドを製作しました。ほとんどが現物合わせという、おきて破りの作業でしたが、精密な測定と加工で精度はほぼ満足。確実にオリジナルよりもクオリティは高いですね。
 実は、ピストンのデフレクターの加工で、その工程や固定方法で結構悩みました。デフレクターを加工した後に円筒加工に入るか、またその逆か・・・・たとえ高精度のジグを作っても、下手にバイスでくわえるとピストンは変形しますからね。
 シリンダーも吸・排気口の加工は先か後かで悩みました。結果的に「案ずるより、生むが易」ってことでした。失敗したらやり直せば済むことですし。
 今回の失敗は、シリンダーとピストン各1個ずつでした。シリンダーは当初、耐久性を考えてステンレススチールを使用してみましたが、どうも硬すぎました。高価なフライスを1枚だめにしてしまいましたが、職場のものですから、いいか。
 ピストンは、先にデフレクターを加工してからという工程を試していたとき、バイスの保持圧力によって破壊してしまいました。結局大きな時間のロスではありましたが、工作機械を破壊したわけでもありませんし、よりよい工程が分かりましたので、よい勉強でしたね。

 写真左がコンロッドです。材質はA7012ジュラルミンです。先にピストンを完成させ、そのピン穴の位置やクランクシャフト、クランクケースの寸法から長さを割り出しました。小型エンジンですから本来は不要なのでしょうが、軸受けにはメタルブッシュ(ただのしんちゅうです)を入れ、オイル穴も開けておきました。
 ピストンは鋳鉄・デンスバーのFC25で作りました。お情け程度にオイル溝も切りましたが、内部の肉抜きやデフレクターの切削など、いきなり破壊の可能性があったので内心ひやひやでしたね。もう、クロスエンジンはやーめたっと。

 マフラーはいつものパターンで製作しましたが、固定は「中央ビス1本留め」なので、下手をすると膨張室がつぶれます。しかたないので、内部に「技」を入れてあります。
 今回製作したパーツは、以下のものです。

 スピナーナット:ジュラルミン   ドライブワッシャ(テーパーコレットタイプ):ジュラルミン   ニードル・スプレーバーアッシー:快削アルミ・ピアノ線・しんちゅう   スロットルレバー:軟鋼板   コンロッド:ジュラルミン・しんちゅう   ピストン:鋳鉄   シリンダー:鋼   ピストンピン:鋼・しんちゅう   バックプレート:ジュラルミン   マフラー:ジュラルミン   マフラーホルダー:鋼

 試運転はまだですが、かなり硬めのすりあわせ・・・・というよりもシリンダーテーパーが多きすぎました。コンパウンドですりあわせ直しますね。
 余談ですが、シリンダーにテーパーをつけたり、すりあわせをしたりですので、自作エンジンの排気量は完成してみないと分かりません。ちなみに今回は3.5ccを上回りましたので、22サイズでしょうか。
 (2006年4月3日)

 製作開始から約3ヶ月。仕事の合間の作業ですから、こんなもんでしょう。硬すぎのすりあわせだったので、コンパウンドを入れて数回クランク。当たり前ですが、すぐに軽くなりますね。その後洗浄して注油しながらの再組み立て。
 で、先ほど回してきました。まだ上死点で硬さが明確ですから、9インチの重いグラスプロップで始動です。ニードルの長さが足りず、不安定なままでしたがどうにか始動しました。
 数分で排気もきれいになり、7インチプロップ+12000rpmで高速ならしを200cc行いました。シリンダーのテーパーを大きめにしましたので、ヘッド回りの暖まり方が目論み通りです。夏も大丈夫かなあ。

(2006年4月8日追記)

なんと、マフラー見つけたんですよ。

予備のエンジンもみつけました。都合4台かな。