結構手間です、予備のVECO19!!
 半分(以上か)自作のVECO19がありますので、その予備パーツにと最近入手しました、ネットオークションで2200円です。このエンジン、もともと自動車用として使用された物のようで、ヘッドは90度横を向いたというか、飛行機用としてみると直角方向にヘッドフィンが切れています。
全体はかなりくすんでいて、ほぼ「やきいも」状態。でも、大きな傷もなく、粗いコンパウンドで磨いたらこの通り!これで圧縮があれば文句はありません。
 案の定スリーブが抜けなかったのですが、ヒートガンで暖めれば間単に抜けました。その他スクリューやガスケットなど油分は「固着」までは行っていないようで、比較的楽なオーバーホールです。PCの圧縮も充分でしたしね。
 スロットルにはなんとペリーキャブが付いているのですが、ドラムの可動範囲を制御するビスがその回りの樹脂と一緒にもげています。つまり、スロットルは欠損しているのですが、この樹脂には瞬間接着剤が効きそうですので、カーボンマットで埋めてみました。
 右下写真はいつぞやの半自作VECOです。スロットルの違いでだいぶ雰囲気が変わりますね。
 半自作の方のシリンダーはENYA19と同様で排気口は1つ穴なのですが、本物は2つ穴だったのですねえ。
 製作したのはボタンヘッドだけです。このエンジンはクロスフロー掃気なので、ピストントップにデフレクターがついています。したがって燃焼室にはその「逃げ」が必要ですので、フライス盤で別加工になります。面倒だな。
 ここで問題発生!直角方向に切られていたヘッドフィンは、そのスクリュー穴の位置の関係から前後方向には回りません。ななめ30度で止まりますね。仕方ないのでヘッドスクリューを6カ所切り直しました。結構にぎやかになり、軽量化にも寄与して高性能に・・・・・・なるわけないか。ちなみにスクリュー類はヘッドがなめているものがほとんどでしたので、M3のタップを立て直しました。今後のメンテナンスもありますからね。
 ボタンヘッドは圧縮比をやや高めにしておきました。低い圧縮比は高くしにくいですが、逆はガスケットを追加するだけで済みますからね。
 この他には、ドライブワッシャ外周が、ペンチで固定したのか傷だらけでしたので、0.5mmほど旋削いたしました。外観はほとんど変化が分からないでしょう。取り付けラグ面と排気口も、いつも通りフライス加工です。
 だんだん高級に見えてきましたが、この手の中古エンジンは油断すると大変なことがあります。ウエダクラブとしては、当たり前のことも確認です。
 するとありました。ペリーキャブに配管し、息を吹き込んでみるとなかなか通気しません。ニードルをほとんどゆるめても僅かに通気する程度。おかしいので分解して見ると、ジェット部(スプレーバー)の出口がやたらと狭く、φ0.5mmも有りませんね。また、スローニードルの送油穴も小さく、双方とも約φ1mmに広げておきました。ニードルのストロークともども不具合は解消しましたが、これでレーシングカーが走っていたのかいな?です。供給燃料はとーっても少なかったはずですから。いや、ネットオークションに出典するときに適当につけたのかなあ?
 当たり前ですが、バックプレートもついてきました。この前は自作しましたから、今回はとーっても嬉しいです。しかも合わせ面に段差はありません。まるで作りつけみたいです。
 ボールベアリングも大丈夫そうなのですが、このエンジン、いつ頃の製造なのでしょうか?つまり、排気スロットルがついていないんです。ですから、おなじみの「排気スロットルの構造を流用したマフラー取り付け」ができません。どんなマフラーだったんだろう。作るより考える方がたいへんみたい。
 そのうちマフラーをつくりますね。 (2006年11月25日)




 昨日、テストランしてきましたが、こちらも簡単に始動しました。RCカーで使用したらしいので、スカスカPCかと思いきや、あまり回していない様子。おきまりの「甘めニードル」にも関わらず、9×4プロップを11000rpm以上軽く回します。
 しかしスロットルを閉じても回転が持続するのは高性能ペリーキャブのおかげ・・・・なんて訳はありません、取り付け部のビス回りから空気を吸っているからエンジンは止まらないのです。このあたりの気密対策してから実用でしょうか。いや、このエンジンは「半自作VECO19」のスペアパーツ代わりだったな。(2006年12月24日)