HONG KONG PUBLIC TRANSPORT TOURISM ASSOCIATION

	香港から来ていたある留学生から、「120番の電車はほかの電車と違って古いんですよ」という話を聞くまで、香港の電車は、オープントップ車とミレニアム型を除いては、どれもみんな同じ型だと思っていました。 　2001年９月に訪港した際、銅鑼湾の折り返し線で待機する120号車に初対面しました。いや、それまでも何度か会っていた可能性もありますが、意識していなかったので気づかなかったのかもしれません。その時は、北角方面へ向かう電車の乗車中でしたので、120号車への乗車はおろか、ゆっくり観察する余裕もありませんでしたが、歴史が醸し出す独特のレトロな雰囲気に、いっぺんに心を奪われてしまいました。 　そして2003年１月、北角のバス停で浅水湾へ行こうとバスを待っていた時、目の前を走り去る120号車と再会したのです。もうこうなったらバスはそっちのけ、急いで地下鉄でさう箕湾（Shau Kei Wan）へと先回りしました。待つこと数分、待望の120号車が悠然と、折り返しのループ線へやってきました。 　乗車前にしばしの観察。木の窓枠、籐でできた車内の座席、白熱灯など、他の車両との違いに感心するばかり。見ているうちに、「やっとこいつに乗れるんだ！」と気持ちは高まるばかりです。 　ところが……前面の行先表示に出た文字は、無情にも「暫停載客　Not In Service」……つまり「回送」になってしまいました。仕方なく、その直前を走る電車に乗り、最後尾で120号車が後を追ってくるのを見ることに。120号車は本線から分岐し、西湾河の車庫へと消えていきました。 　ぜひとも乗ってみたかった香港の鉄道記念物・120号車。でもこれで、次にまた香港へ行く口実ができたかも !?
2003.01.12. Shauｋeiｗan, Hong Kong
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