HONG KONG PUBLIC TRANSPORT TOURISM ASSOCIATION

	香港の路面電車（以下、単に「電車」と記します）は、世界でも稀なダブルデッカーです（よく、「世界で唯一の２階建て路面電車」などと紹介されていますが、イギリスのブラックプールという街などでも運転されています）。 　電車の路線は、香港島の北岸に沿っており、その終端部は、線路が円を描いて、いまやって来た方向へと逆戻りできるような構造になっています。つまり車両は終点で逆方向に走り出すことなく、常に前方を向いて運転されることを基本としており、車両もその原則にのっとって作られています。２階の座席も、車端部を除いて、前向きに固定されています。 　しかし電車には、前方にも後方にも運転台があり、乗降口も左右両側に設けられています。私は、車庫などでの入れ換え作業に、後方の運転台も必要なんだろう、と考えていました。 　ところが、乗客を乗せて営業運転中の逆走電車を、中環で目撃したのです。 　屋根の上に車両番号を大きく書いたボックス状のものが乗っているほうが電車の前方となります。上の写真で、右の青い８８号車は、基本どおり前方を前に走行していますが、左の緑色の４０号車は、前方を後ろにして逆走で運転されています。架線から集電するポールも、通常とは逆向きに上がっています。 　下の写真は少しわかりづらいかもしれませんが、手前の緑色の電車もやはり、逆走運転されています。 　逆走中は、普段使われていないサイドの乗降口を使用するものと思われますが、通常の乗降口と比べると幅も狭く、また２階に上がれば後ろ向きに固定された座席に座ることになり、何となく違和感があることでしょう。 　逆走電車が営業運転されるのは、かなりレアなことだと思いますが、今度目撃したときは、すかさず乗車してレアな体験をしてみたいと思っています。
2003.01.12. Central, Hong Kong
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