コンドロイチン硫酸塩による膝関節炎への効果
最新疫学研究情報No.63
フランスのコーチン病院のAndre. Kahan博士らの研究チームによって、「医薬品として登録されているコンドロイチン硫酸塩(※1)の長期処方は“膝関節炎”による痛みを軽減させるばかりでなく、進行を遅らせる効果もある」との報告がなされました。
研究チームは、欧米在住の膝関節炎患者622人(45~80歳)を対象に、「コンドロイチン硫酸塩を1日800mg摂取するグループ(309人)」と「プラセボを摂取するグループ(313人)」に分けて、2年間の比較調査を行いました。(二重盲検・無作為割付)
調査の結果、コンドロイチン硫酸塩を摂取したグループは、プラセボのグループに比べて、膝軟骨のすり減る割合が33%抑えられることが明らかになりました。痛みについては、コンドロイチン硫酸塩を摂取した被験者の9割以上の人が、早い段階で痛みが緩和したことを報告しています。なお、長期摂取による副作用は確認されませんでした。
研究者は、「今回の研究によって、コンドロイチン硫酸塩の長期処方は“膝関節炎”の治療に有効であることが示された。しかし、今回使用したコンドロイチン硫酸塩は医薬品で、サプリメントとして出回っているコンドロイチン製品とは異なるものである。市販のコンドロイチン製品に、同様の効果があることは確認されていない」と述べています。
※1この研究では、ヨーロッパの国々で変形性関節症治療の医薬品として処方されている“コンドロイチン4&6硫酸塩(CS)”を使用しています。
出典
- 『Arthritis & Rheumatism 2009年2月号』