魚の豊富な摂取は年配者の認知能力をアップする

最新疫学研究情報No.40

英国のオックスフォード大学とノルウェーのオスロ大学の研究チームによって「魚を豊富に摂取することは、年配者の認知行動によい結果をもたらす」との報告がなされました。

研究では、ノルウェーに住む70~74歳の男女2031人を対象に調査が行われました。研究チームは、魚(魚製品を含む)の1日平均摂取量と認知能力との関係について、6つの認知機能テスト(*視覚の概念・記憶・注意力・時間場所の見当識・言語の流暢さなど)のデータをもとに分析しました。

その結果、1日10g以上魚を摂取する人は、10g未満の人に比べて認知機能テストのスコアがよく、1日75g以上の摂取では最もよい結果が見られました。また油の多い魚少ない魚にかかわらず、メインディッシュとして魚を頻繁に摂取していた人は、6つの認識テストのうち5つでよい結果が見られたことも確認されました。一方、魚油だけを摂取した人では、1つのテストにおいてよい結果が見られました。

オックスフォード大学のディビット・スミス博士は、「研究では油の少ない魚も、油の多い魚と同じようによいことがわかった。認知機能によい影響を与えるのはオメガ3脂肪酸だけではないかもしれない。魚のどのような成分に効果があるのか、さらに研究の必要がある」と述べています。

出典

  • 『Neurology 2007年11月号』
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