果物・野菜・魚・オメガ3脂肪酸の豊富な食事は認知症・アルツハイマー病のリスクを低減させる

最新疫学研究情報No.38

フランス国立保健医学研究所(INSERM)のP. Barberger Gateau博士の研究チームによって、「果物・野菜・魚・オメガ3脂肪酸を定期的に摂取することは、アルツハイマー病などの認知症の発症リスクを低減させる」との報告がなされました。

研究チームは認知症でない65歳以上の男女8085人を対象に、食事と認知症の関係について4年以上にわたる追跡調査を行いました。(被験者のうち183人がアルツハイマー病を発症し、98人が別のタイプの認知症を発症しています)

調査の結果、毎日果物や野菜を摂取する人は、毎日摂取しない人に比べて、認知症の発症リスクが30%低下しました。オメガ3脂肪酸を豊富に含む油(亜麻仁油・クルミ油など)を定期的に摂取している人は、摂取しない人に比べ、認知症の発症リスクが54%も低下しました。また魚を週1回以上摂取する人は、摂取しない人に比べて、アルツハイマー病の発症リスクが35%、それ以外の認知症の発症リスクが40%低下しました。(*これはアルツハイマー病のリスクを増大させると言われる遺伝子、アポリポプロティンE4を持っていない人の結果です

一方、アポプロティンE4を持っていない人で、オメガ6脂肪酸の多い油(ひまわり油など)を定期的に摂取し、オメガ3脂肪酸や魚を摂取しない人は、認知症の発症リスクが2倍になることが明らかになりました。

出典

  • 『Neurology 2007年11月13日号』
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