妊娠中の母親のリンゴや魚の摂取は、小児喘息とアレルギー疾患のリスクを減らす

最新疫学研究情報No.10

オランダのユトレヒト大学サスキア・ウィラス氏(Sasukia Willers)の研究チームによって、「妊娠中の母親がリンゴや魚を摂取すると、産まれた子供の喘息やアレルギー疾患のリスクが減少する」という研究報告がなされました。

この出生コホート研究は、妊娠中の母親の食事摂取の内容と、出生後の子供の喘息・アレルギー疾患の関係を調査したものです。約2000人の妊婦を対象に、妊娠中の食事摂取内容を調べ、その後産まれた子供1924人に対して5年にわたる追跡調査が進められました。その結果、母親が妊娠中にリンゴを食べると、子供の小児喘息の予防に役立つことが確認されました。また母親が妊娠中に魚を食べると、その子供の慢性アレルギー湿疹の発症率が低下することが明らかになりました。

この結果から研究者は、「妊娠中に母親がリンゴや魚を食べることは、出生後の子供の喘息やアレルギー疾患の予防に役立つだろう」と述べています。

この研究結果は、「妊娠中の母親の摂取した食事の食物摂取頻度調査票」と「出生後の子供の徴候アンケート」によって調査されました。

出典

  • 『Thorax online版 2007年3月27日号』
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