老人ホームのアルツハイマー病患者に運動をさせてください
最新疫学研究情報No.3
フランスの「老人ホームに入所しているアルツハイマー病患者を対象とした臨床試験(無作為割付)」から、「週2回(各1時間)のシンプルな“運動プログラム”が、通常医療よりも日常生活動作(ADL)の衰えを防ぐことになる」との報告がなされました。
La Grave-Casselardit病院のイブ・ローラン博士(Yves Rolland MD.Ph.D.)の研究チームは、アルツハイマー病患者のための“運動プログラム”の有効性を調査しました。134人の歩行可能なアルツハイマー病患者(平均83歳)を対象に、「運動プログラム(歩行・筋力・バランス性・柔軟性を高めるトレーニング)を実践するグループ」と「通常医療だけを受けるグループ」に分けて、12ヵ月間の比較研究を行いました。
その結果、「運動が、日常生活動作の改善により有効である」ことが明らかになりました。一方この研究では、運動プログラムによる患者の異常行動やうつ症状の改善は確認できませんでした。
出典
- 『Journal of the American Geriatrics Society 2007年2月号』