旅日記B ハノイ南郊

 風景だけは素晴らしいけどね・・・
タムコック 陸のハロン湾といわれる風景

9/21(水)  →ハノイ  ハノイ南郊観光   帰国へ

 ラオカイからのヴィクトリア・エクスプレスは5:30にハノイ駅に到着。
 起こされて目が覚めた。けっこう眠れたのかも。

 ハノイ駅は首都のメイン駅だが、駅前は昔からの家並みだ。たまに銀行などは新しくて階の多い建物。

                     

 迎えのクルマに乗り、TさんとガイドLさんの3人でホテル・ニッコー・ハノイへ。すぐ近くだ。
 18:00までのデイユースがかなったので、さっそくシャワーを浴びて朝食へ。
   ※ このデイユースもガイドの日程表には載っていなくて、交渉してOKをもらっていた。
 朝食は味噌汁、梅干の和食にして、あとは南国のフルーツ。

 8:30ロビーへ。今日は一日現地旅行社のオプショナルツアーだ。ホアルー、タムコック、ファットジェム教会。
   ※ 当初ガイドはファットジェム教会を省略すると言った。料金を安くしてくれるならよいが、それはできないという。それなら3箇所まわってもらわないと納得できない。それにホテルでシャワーを浴びたいので、17:30にはハノイにもどってほしい。なんていうちょっとわがままなリクエストだったが、なんとか聞き入れてもらった。

 クルマは南へ走る。けっこうスピードを出し、高速にも乗ったので1時間半くらいでホアルーに着いた。道の両側は墓地が目立った。統一されずカラフルな墓が多い。土葬が多いようだ。

 ホアルーはハノイに都が置かれる前に王都だったところ。1000年位前だ。
 王都があったあたりは整地されていて公園のような感じだ。池が冠水したのか、水に浸かったような民家。住民は所在なげにあちこちにいた。

                                    

 初代のディンティエンホアン王を祀る寺と二代目のレ−ダイハイン王のものと、2つの寺院を見学した。

 初代の寺はさすがに立派で、門構えなどなかなかだ。境内はそう広くはない、が、本殿前の龍の彫刻が施された石台や、バッチャン焼きだというレンガ(柄が彫られていて、1000年前のもの)の床などなかなかだ。本殿入口の軒下あたりは彩色された木彫りの装飾が鮮やか。わりとパステルカラーの印象が強い。本殿の中には初代ディンティエンホアン王の貫禄ある像がデーンとあった。玉座も金が使用されて豪華だ。柱には龍の彫刻がある。

ディンティエンホアン王を祀る寺


 二代目の寺は初代には劣るが立派な構えだ。本殿の細かい部分はシンプル。初代王の妻の像も右側にあった。(この二代目王と再婚したとのこと) この二代目は善政だったらしい。


 ここはベトナム人の観光客がグループでいた。アオザイガイドが説明していた。
 アメリカン人の団体もタンクトップと短パンで、なぜかみんな不機嫌な顔をして説明を聞いていた。
 絵葉書売りが多少付いてくるくらいで、ここの物売りはあまりしつこくなかった。

 クルマで少し移動し、タムコックへ。陸のハロン湾といわれているらしく、山並みが目を引く。
 ガイドが入場料を払い、Tさんと2人で小舟に乗った。船頭は船尾に男性、中央に女性。女性の横にTさんが座り、私は先頭に座った。こんな小さい船なのに漕ぎ手が2人もいるのか、とちょっと不思議だった。
 ※ 乗る前にガイドから、写真屋が撮る写真は買わなくてもよい。船頭には土産を買うかチップをやるか、どちらかでよいとアドバイスをされていた。
うるさい写真屋
 舟が動き出すと、写真屋が乗った舟も前や横に並走する。こっちを向け、とうるさい! 逆に写真屋を撮影してやった。すると、撮影料をよこせというしぐさをする。まったく。

 池というか沼を小舟で遊覧する。数日前の大雨で増水しているのだろう。くぐれない橋があった。迂回すると、道が冠水していて、いったん舟を降り、再び乗る。
 目の前に広がる景色は山水画の世界だ。
 小島に山羊がいる。墓がある。
 水の中にはちょっと気味が悪い藻がびっしり生えていた。
 舟はゆっくりと進む。たまに土産物を積んでいるらしい小舟もいる。器用に足だけで漕いでいる人もいた。
 なかなか和む景観が続く。趣のある岩は緑の草がに覆われ、それを写す水面は静かだ。

 進んでいくと鍾乳洞に突入する。水位が高いので頭を低くする。腹筋が痙攣しそう。

タムコックの風景


 そんな鍾乳洞を3つくぐったところで、舟は少し休憩のもよう。ここまでで1時間。

 ここからがたいへんだった。右の2艘は飲み物などの売り舟
 飲み物を積んだ小舟が近づき、強制的に飲み物やお菓子を私たちの膝の上に置いてくる。私たちの船頭が舟を移動させるつもりのないところを見ると、こういうシステムになっているようだ。飲み物は持っていると断った。すると、船頭に買ってやれという。結局2本買って船頭2人に渡した。Tさんが50000ドン払うと、お釣りは10000ドンしかよこさない。1本が20000ドンもする。ボルのもいいかげんにしろ、って感じ。まあでもこれでチップは渡さなくていいと思った。

 折り返しでもどる。

 帰りは女性の船頭はぜんぜん漕がない。それは、売り子に変身するからだ。
 帰りも1時間あるのだが、刺繍ものを次から次へ店開き。私たちがあまりのらないと、自分が刺繍している写真やら、小さい子が刺繍している写真やらを見せる。あまりうるさいので、3$のテーブルセンターを買った。Tさんは隣に座っているので、まったくのカモ状態だ。いらないいらない、といっても納得しない。とうとうTさんも小さいものを2個買った。これだけでは許されないのだ。そのおばさんは喋りまくり見せまくりで、激しく販売攻撃。船着場が近づくまでずっとそういう状態だった。行きはヨイヨイ、帰りはコワイがぴったりのクルージングだった。風景を楽しみたくて乗船しているのにこれでは台無し。しつこすぎ。
 そして、船着場が近くなると今度はチップの要求だ。男性の船頭が疲れているから、チップをやってくれという。高い缶ビールを飲ませているのに、冗談じゃないよ! と、無視した。だいたい観光料を払っている上に40000ドンの飲み物、2人で6$の刺繍を買っているのだから十分だ。
 舟を降りてからもまだ後ろでチップチップと叫んでいた。
 ほんとうに後味が悪い。
 こういう拉致状態でのカモはつらいね。逃げ場がないもん。

 気を取り直して昼食へ。
 地ビールは450mlで3$と高かったが、味はよかった。
 かぼちゃのスープ、揚げ春巻き、豚の角煮(あとでガイドが犬だと言ったが)、もやし炒めなどけっこう美味しかった。

 レストランの前を葬列が通った。
 頭に白い布をつけている人は親族だそうだ。
                         

 次はファットジェム教会へとクルマを走らせた。このあたりは教会が多い。
 30分くらいは走って到着。
 なんともファットジェム教会はユニークな建物だった。越洋折衷というか、見たことのない建築様式。

                  視界に入るとヘーッ!!!のメイン聖堂

 メインの大聖堂は正面が大理石で屋根は瓦葺。身廊は木製の大伽藍だ。
 ファサードはキリスト磔などのレリーフで飾られている。

 中に入ると、祭壇は金色で、上の方に天使がたくさん。顔からいきなり金色の羽根が生えている。このキッチュさには感動した。柱の数は多いし、天井はとっても高い。明かり窓が作られていて光が差し込んでいる。設計はフランス人だということだ。なるほど内部だけ見ると、ゴシックの大聖堂という雰囲気だ。
                  めちゃくちゃ楽しい祭壇だ!

 裏の小さい聖堂ではベトナム人らしい観光客の団体が説明を聞いていた。入口に案内書きがあったがベトナム語とフランス語だったので、残念。
 敷地内に、なんと、ミケランジェロのピエタのレプリカがあった。それもヘタクソな。ヴァチカンにあるやつだ。
 裏庭にこの教会をつくったという牧師の彫像があった。
 ※ 19世紀終りに陳六(TRAN LUC)神父によって建てられたそうだ。
   ベトナムのキリスト教徒にとっては一種の聖地みたいになっているらしい。どおりで観光客がたくさんいたのだ。

ファットジェム教会いろいろ

こういう聖堂がいくつかある メイン聖堂のファサード 野ざらしのピエタ 陣六神父の像
メイン聖堂の裏側


 ファットジェム教会は行ってよかった。
 なかなかこういう面白い教会は他にないと思う。
 ガイドによると、地元に取り入るためにあえてこういう設計にしたようだ。まるっと西洋風より布教がしやすいと考えたのだろう。
 まわりの池には両手を広げた白いキリスト像(たしかサンパウロの山上にある)もあった。

 私たちがあまりにも、へーとかすごいとか言うので、ガイドは意外だったようだ。

 さて、あとはハノイに向けて帰るのみ。
 けっこう急いでくれて、どんどん他車を追い抜いた。それでも夕方のラッシュにかかり、ハノイ近くでは交通量が多かった。

 17:40ころニッコー・ハノイに到着。
 すごい早業でシャワーを浴びた。そして帰国の準備。
 18:10ころにはチェックアウト。なんてすばやいんでしょう!! カートを預ける。

 まだお土産を買っていない。
 ロビー脇のクッキー屋でTさんは大量にクッキーを買った。
 レストランを下見して、ロビーで少し休憩。
 今度は中2階のお土産店へ。ここは陶器や民芸物があって品揃えもよかった。シルクの小袋3個と籐のトレイとバッチャン焼きの小皿を購入。クレジットカードも使えた。

 19:30ころホテル内の桃季へ。ビールとセットメニューを頼んだ。品数は多いが味がねー。日系ホテルにしてはベトナム寄りの味だった。いちばん美味しかったのはビールの突き出しに出たピーナッツ。

 20:30ロビーでカートを受け取り、購入品を詰め込んだ。
 ガイドLさんのお迎えでハノイ・ノイバイ空港へ向かった。

 1時間ほどで空港に到着。
 またしてもすごい混雑。どうもアシアナ航空で研修留学の人たちがいっぱいいた。
 ちょっとすったもんだがあって、ベトナム航空にチェックインした。
 空港使用料14$を払い、出国する。
 Lさん、スルーガイドをどうもありがとう。わがままおばさん2人の相手もたいへんだったでしょう。
 
 空港内は3年前に来たときよりは店が増えていた。しかし、たいしたことはない。
 ベトナムの土産品は同じような品揃えだし、内容が垢抜けなさすぎ。

 VN954はガラすきだった。飛び立つ前に席を移動する。
 ブラディマリーを飲むなり、横になって熟睡した。



9/22(木)   →成田

 朝6:30成田到着。
 日本もちょっとは涼しくなっていた。



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