ローマの日々

in冬のトスカーナ

1/21(土)   アマルフィ→ローマ  ホテルは、天国→地獄

 7:30起床。今日はゆっくりスタートだ。
 夕方までにローマにたどりつけばよい、と思おう。

 8:00昨夕買った菓子パンと持っていたパック入りジュースでの朝食。
 TVを見ながらゆっくり荷造りする。
 今日も太陽が輝いている。
 このリドマーレはほんとにくつろいで滞在できた。部屋から海が見えるというのはいいもんだ。
 シーズン中は7000円では泊まれないだろう。

 9:20チェックアウトする。
 レセプションに行くと、このホテルの看板犬らいい黒の可愛い子が見送りに来てくれた。

 クレジットカードで払う。50ユーロ×2泊。

 バスターミナルは陽射しがサンサンで暑いくらい。
 サレルノ行10:00をしばし待つ。
 バスの運転手たちはとてもお喋りが好きだ。発車時間を過ぎているのにまだ終わらないよ。他人事ながら呆れちゃうよ。

 サレルノ行は数分遅れで発車し、ほっとした。
 ウネウネ道は土曜日のためか、ロードレーススタイルでサイクリングしてくる人たちが多い。
 バイクのツーリングも見かける。
 車同士だとすれ違うのにテクニックが必要だ。
 このバスはサレルノ駅の前までは行かず、港付近で下ろされた。ここがガイドブックにあった停留所だわ。

 カートを引いて数分で駅だった。晴れていてよかった。


サレルノ駅前の教会

 30分以上時間があるので、バールへ入りカプチーノとパンで小腹の足しにした。1.55ユーロと安い。

 11:30にサレルノ駅に行ったものの、発車表にホームの番号がなかなか出ない。そして、これまた10分の遅れだそうだ。この程度ならまだマシだ。
 11:42発の電車は12時前にようやく動き出した。
 14:30なんとかローマに到着した。やれやれだ。

 カートを引いて、ホテル・ニューヨークを探し回った。
 案の定、ビルの中のフロアのみのペンションだった。
 怖いエレベーターで3Fに上がり、レセプションでチェックイン。無愛想な対応だ。
 部屋は5Fだと。4Fには別のホテルが入っている。

 シングルでシャワー付は約束どおりだった。
 しかし、この充満した排水溝の臭いはひどい。それに洗面台とビデの栓がないのだ。
 まったくなー。
 シーズンオフとはいえ、ローマで★★5600円だと、こんなもんなのだろう。
 それに、あの無愛想なフロントマンに交渉する気も起こらない。
 ドアの表示には102ユーロとある。こんな部屋に14000円以上取るのか? 信じられない。
 冷蔵庫はあるが、ドライヤーは壊れている。ビニールテープで補修してあるが。
 気が滅入る。
 だが、これも旅の経験とするか・・・・。

 パジャマの上のみ洗濯した。
 もう15:30だ。

 バルベリーニでも行こうと思ったが、駅前広場に出て気が変わった。
 やっぱり暗くなってからあのホテルのエレベーターや階段を使いたくない、との思いが強くなった。
 日没は17:00くらいなので、それまでに帰るのは難しいだろう。

 テルミニ駅内の確認などをしようと足を左に向けた。
 バス乗り場あたりや駅の入口近辺にはホームレスであろう人たちの数も多い。
 都会はどこでもいっしょかな。

 構内の鉄道自販機コーナーは片側のみ利用されていた。
 だが、機械を操作している人の間を縫って、赤ん坊を抱いたおもらいのおねえさんや、つり銭口を物色する人がうろうろし、油断ならない場所だ。
 テルミニ駅はフロアが明るくきれいだが、そこに出入りというか、タムロしている方々は得体が知れない。

 明日のオルヴィエート行のチケットを往復買っておいた。
 そして、あのホテル・ニューヨークには荷物を預けたくないので、駅構内の表示に従ってコインロッカーを探したが、どうも行き当たらない。FSの人に聞いた。24番線あたりの荷物預かりへ、とのこと。いちおう行ってみた。

 空腹だったので、構内のセルフレストランへ入った。
 生ハム・モッツァレーラ、いちごタルト、パン、赤ワインで10.55ユーロ。

 地下のスーパーで水とジュースとりんごと豆を購入した。

 ホテルにもどり、洗濯をし、休憩。
 21:00サンドイッチとりんごとジュースで夕食。




1/22(日)  オルヴィエートでタルトゥーフォ(トリュフ)を堪能!

 晴れ。鉄格子の窓から教会の鐘が見える。
 このホテル・ニューヨークは22:00〜6:00がヒーターの入る時間のようだ。
 昨夜はしばらくマスク着用で寝た。
 排水口はビニールやティッシュやゴミ箱で塞いだ。しかし、そう簡単に消える臭いではない。枕元にゴム手袋(洗濯用)を置く。けっこうゴムの匂いがキツイので、ちょっとは消臭効果があるかも。
 あー、カネ出してホテルに泊まって、なんでこんな苦労しなくちゃならないんだろ?

 7:00起床。
 7:40に3Fレセプション横の朝食室へ。ジュースとパン(バター、ジャム)のみ。所望したカプチーノは美味しかった。

 8:45ホテルを出た。
 ビルの入口は鍵がかかっていて、外からは入れないようだ。なんだかねー。

 テルミニ駅で1番線あたりにロッカーがあったような気がしたので、行ってみると、やはり閉鎖されたようだ。不便だ。

 9:14発に乗ってオルヴィエートに向かった。
 電車はすいている。
 20分もしないうちに空は曇ってきた。一応傘は持って出てきた。
 10:32無事にオルヴィエートに着いた。

 目の前のフニコラーレの乗り場へ。
 中国人観光客がいっぱいいる。
 フニコラーレ+バスのチケット0.9ユーロを2枚購入。
 西欧系の観光客もたくさん乗り込んできた。まもなく発車。けっこう冷える。
 ホカロンを振って暖めた。

 すぐに上に着いた。
 ミニバスA(ドゥオーモ行)が待っているのですぐに乗った。
 11:00ころにドゥオーモに到着した。

 ドゥオーモのファサードはすばらしい。
 修復が終わったばかりなのか、カラフルできれいだ。
 冷たい風が吹く中、しばらく見とれた。


午後の晴れた時に撮影

オルヴィエートのドゥオーモいろいろ

 前のインフォメーションで、今日のサン・ブリツィオ礼拝堂は14:30から見学可と教えてもらった。
 ドゥオーモの中はミサの最中だった。
 ほんとになぜか中国人観光客グループが多い。

 ソリアーノ宮のMUSEOを見学しようと行ってみると、閉まっている。
 インフォメーションへもどって聞くと、クローズとのこと。残念。

 街中をさまよい歩くことにした。
 石造りの歴史的な建物、風情のある小道が続く。

 ポポロ宮のテラスに上がり、モーロの塔など写真を撮った。
 ポポロ宮は中には入れないが、屋上の彫刻とか、おもしろそうだ。


ポポロ宮

 市庁舎前に住民がたくさん集まり、犬連れの人も多い。
 馬も10頭くらいパレードに参加していた。
 日曜なので郷土の催しかなにかあるのか?


レプッブリカ広場

 12時をまわったので物色していたレストランのうち、トリュフのパスタがある一軒に決め、12:10ころ入店した。
 リストランテAntico Bucchero  2人いるカメリエーレはなぜかスキンヘッドだった。
 プリモはタリアテッレ・タルトーフォ(黒トリュフ)、最高だった。カメリエーレは厨房からのタリアテッレに、客席の隅でトリュフを削ってかけていた。パスタ自体の茹でかげんやバターを使った味、塩加減が私の舌にぴったり。そして、びっしりの乗せられたトリュフは香りが生き生きしていて、パスタと混ぜるとえもいわれない美味しさだった。こんなに大量のトリュフは多分初めて食べる。感動ものだった。
 セコンドは兎ロール。クセがあるが、量がそう多くないので大丈夫。完食。
 オルヴィエート産の白ワイン1/4もとても美味しかった。
 エスプレッソも頼んで、26.5ユーロは良心的だ。
 タリアテッレを再度ほめたたえて、店を出た。

絶品のタリアテッレ・タルトゥーフォ
こんなにトリュフがいっぱいで、12ユーロ!
白ワインは3ユーロ
ラビット・ロールは10.5ユーロ
見た目よりあっさりしていた
Antico Bucchero外観
夏は石畳にテーブルが並びそう

 14:30までずいぶん時間がある。
 再び街をうろついた。
 方角によって強い風が吹いている。空は晴れてきているが、山の上なので寒い。

 ドゥオーモ斜め前の建物で、わけのわからない展覧会に4ユーロ。
 たいしたことない内容だった。

 城壁から写真を撮ったりで、ようやく14:30になった。

 インフォメーションの左のカウンターで、サン・ブリツィオ礼拝堂のチケット3ユーロを購入した。
 ドゥオーモのオープンと同時に入った。

 右奥にサン・ブリツィオ礼拝堂がある。
 ルカ・シニョレッリの「黙示録」がテーマのフレスコ画の世界が広がっている。
 人体の筋肉の描き方はリアルだ。昔の人はこんなに体格がよかったのかしら?
 けっこう動きもあって力作だ。ミケランジェロに影響を与えた、とガイドブックにあったが、そんな感じだ。
 上にフラ・アンジェリコ作の絵があるというが、多分あれだろう。
 シニョレッリとはぜんぜん作風がちがう。
 あと、黒服のシニョレッリ自身と、フラ・アンジェリコが描かれているのも興味深かった。

 左奥の礼拝堂も見学した。

 15:00をまわって、ドゥオーモを出た。


ドゥオーモから南東方向の眺め

 ちょうどバスが来たところだった。フニコラーレへと、乗り継いだ。
 オルヴィエートには他に観光箇所もあるみたいだが、電車の連絡がよければ、今日は無理しないで次回にしようと思った。
 フニコラーレもすぐに発車し、運良く15:26のローマ行の電車に間に合った。これを逃すと、ローマ着は真っ暗になってしまう。冬の観光の哀しいところだ。安ホテル滞在のマイナス点とも言える。

 17:00前にテルミニ到着。
 自販機で帰国日1/24の空港行チケット(レオナルド・エクスプレス)を購入しておく。

 地下のスタンドでカプチーノ1.1ユーロ。
 化粧品店に入ると、セールのオード・トワレが7.5ユーロ。聞いたことのないメーカーだが、ホテルの部屋の下水臭をごまかすには十分でしょう。
 夕食用にほうれん草とチーズのサンドイッチ2.5ユーロを買ってホテル・ニューヨークにもどった。

 排水口3箇所にオード・トワレを吹きかけ、パジャマの上下にもかけると、けっこう臭いは気にならなくなった。




1/23(月)  念願のカラヴァッジョ詣でに教会へ

 昨夜はとても冷えた。予備の毛布があるので使用したが、ぜんぜん暖かくない。自分の中綿ジャケットをかぶった方がまだましだった。ヒーターは追加料金を払えば時間外でも入れてくれるだろうが、それもくやしいし・・・。

 7:00起床。
 7:40朝食へ。今朝はジュースもない。カプチーノとパンのみ。
 レセプションの男性は昨日と違う人だったが、やたら話しかけてきてうざい。

 8:30ホテル・ニューヨークから外出。今日は教会めぐりだ。未見のカラヴァッジョ観賞の日。
 下調べしたプリントを持って出かけた。

 地下の自販機でチケットを2枚購入し、メトロAに乗った。
 ローマの自販機も数台中使用可能なのは1台のみ。まったくどうにかする気はないのか?
 
 通勤時間のためか日本の地下鉄並みの混雑だった。ちょっと緊張。

 フラミニオ下車。ポポロ広場へ出る。

カラヴァッジョ観賞記

サンタ・マリア・デル・ポポロ教会


地味なポポロ教会

 左奥にカラヴァッジョの礼拝堂がある。
 左の壁に「聖ペテロの磔刑」、右の壁に「聖パウロの回心」。 
 両方とも画集で見るより、奥行きがあって色もクリアだった。400年前の絵画だという気がしない。
 ペテロは調べていったとおり、眼光するどく自我を主張している感じだった。


聖ペテロの磔刑 フラッシュなしでの撮影では限度だ

 パウロは盲目になっているのがはっきりわかった。
 どちらもドラマチックな展開で、画面いっぱいに使った構図が生き生きしていると思った。
 グリーンのボタンを押すとライトが点くようになっていたので、コインを入れて何度も押した。
 けっこうカラヴァッジョファンが次々やってきた。 

 リベルタ通りをまっすぐに歩いた。
 途中工事中の場所は迂回した。

 右手に気になる古びた建物を発見。
 そしてその右にある教会に入ってみた。
 内部は見事な装飾、どうもこれが、サン・アゴスティーノ教会だったようだ。
 あのミラノで見た「ロレートの聖母」が普段いるところ。

サン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会

 10:00前にはサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会に着いた。
 このあたりはお役所が多いので、警備員の姿が目立つ。
 フランチェージ教会内部には、カラヴァッジョの聖マタイ3部作があるのだ。
 見始めたところ、20人くらいの学生風グループに囲まれた。
 熱心にノートする生徒もいたから、美術系かもしれない。
 先生らしき人物が英語でえんえんと説明を始めた。
 内容は私が調べていったこと、というかまあ定説だったので、だいたいわかった。
 それよりも、この先生はクイーンズイングリッシュで耳にここちよかった。
 説明をするにつれ、だんだん熱が入ってきて声が大きくなり、教会の人に注意された。(^_-)-☆
 
 左の「聖マタイのお召し」は、キリストの手がシスティーナのミケランジェロの影響だとか。
 実際の絵を目の前にして感じたのは、衣装の色が美しいこと。
 宗教画に金を数える人物などの世俗的な状況を描いたのは、画期的だっただろう。
 じっさいこの絵は、カラヴァッジョにとって聖堂デビューだったのだ。
 この絵を正面からじっくり鑑賞したい、と思った。

 右の「聖マタイの殉教」は下絵無しで描いたというから、抜群の構成力だ。
 先生は、天使が手渡すシュロがどうの、受け取ろうとするマタイの手がどうの、と説明していた。
 ダイナミックな動きのある絵だった。
 カラヴァッジョの自画像も描かれている。

 そして、中央の「聖マタイと天使」は最初の絵が拒否されたので、再度描かれた絵だ。
 最初の絵は焼失しているが、その白黒写真を見せて、先生が説明。
 なるほど、汚い足がこちらをむいている。マタイも俗っぽい感じだ。
 較べると、今の絵はきれいだ。
 天使の白い衣装とマタイの赤の衣装が対照的。

 カラヴァッジョって上手だ。
 明と暗、光と闇。明るさとか色とかで対比させることによって、ドラマ性を盛り上げるのね。
 そして、背景はたいてい黒かダークグレイ。省略することによって前面のストーリーを際立たせるのだ。

 フランチェージ教会内には、カラヴァッジョの絵について説明版も置かれている。
 次々とグループなどの見学者がやってくる。
 さすがに人気者だ。


 パンテオンの脇を抜ける。
 今日のローマは冷風が吹きまくり。すごく寒い日だ。

 サンタ・マリア・ソプラ・ミナルヴァ教会へ。ここも初訪問。
 
 フラ・アンジェリコの墓にお参り。左の聖母子はとても古めいている。
 ミケランジェロの彫像がある。こんなところにもね。

 そして、右側に惹かれて進むと、そこにはフィリッピーノ・リッピの素敵な空間があった。
 カラファの礼拝堂というらしい。
 中央の「聖トマス・アクィナス」という絵は、受胎告知みたいだが・・・・。いい絵だ。

 カラフルだし、なにかすがすがしい空気が漂う礼拝堂だ。

 まだ11:30くらいなので、ミネルヴァ教会のキオストロものぞくことにした。
 工事中で雑然としていた。
 まわりの壁に描かれたフレスコ画は茶色っぽく、あまりぱっとしない。


キオストロの天井に描かれていたこの麗人は?
 サンタ・キアラ? わかんない。

 黒猫が1匹やってきて、すりすりする。
 ダンボールの中には茶色の子もいた。だれが飼っているのかしら?

 パンテオンへ入る。なんて冷えるんでしょう。ホカロン使用。

 ようやく12:00をまわったので、レストラン探し。
 チェックしていたところは、ハイクラスそうで敷居が高かった。
 結局呼び込みをしているところに入った。
 Pummarola Drink
 ムニュ・マーレ14.99ユーロ、と看板にあったのでそれにした。
 なんと、グラスワイン、プリモ、セコンド、エスプレッソまで付いている。
 プリモはシーフードスパゲティにした。ムール貝が7個、アサリも10個付いて、バジリコも本物、トマトソースも美味だった。セコンドはイカリングフライ、これは油っぽかった。レタスも付いた。
 店内は暖房が効いて、とっても暖かかった。生き返る。


とても満足したランチだった

 このパンテオンの北あたりはレストランが多い。
 呼び込みをしている店も目立ったが、こんな寒い日にたいへんだ。

 バスを待つ根気がないので、ドムス・アウレアまで歩いて行くことにした。

 ヴェネツィア広場でVE2世宮殿の写真を撮り、フォロ・ロマーノを右に眺めてコロッセオを左に歩いた。

 ドムス・アウレアあたりに来たが、入口らしいところは閉まっている。
 偶然いっしょになった日本人夫婦と入口を探した。地元の人にも聞いた。
 どうもさっき閉まっていたのが、入口のようだ。
 ガイドブックには開いているように書いてあったが、クローズなのだ。残念。

 ベンチに座り、ガイドブックをパラパラして次を決めた。

 近くのサン・クレメンテ教会がおもしろそうだ。
 歩いて10分くらい。15:00から開いているみたいだった。
 後陣のモザイクとその下のフレスコ画はすばらしい。
 モザイクは金ぴかで、ラヴェンナを連想させた。その下には羊がいっぱいいる。そのまた下の使徒たちは、赤っぽいフレスコ画だった。前面には白大理石の神殿みたいなのが置かれている。なかなかゴージャスな空間だった。
 そして、反対側のパイプオルガンがこれまた金ぴか。
 入口近くのカテリーナ礼拝堂にはマゾリーニのフレスコ画が色鮮やかに展開されていた。

 3ユーロを払い、地下の教会へ。
 これがまた、すごい迷路で、冒険気分を味わった。
 他にも見学者が何人もいたのでよかったが、一人じゃ怖いわ。
 ミトラ教の神殿というのがあり、やたらと水の音が響いていたりした。
 ほんとにローマは奥が深い。歴史が積み重なっている。

 16:10ころフォロ・ロマーノへ入ろうとしたが、もう閉められていた。日没の1時間前が入場のリミットなのだ。
 1月はこれだからしかたないな。

 猫おばさん発見。数匹の猫たちが餌をもらっていた。みんな栄養状態はよさそうだった。

 以前にTVで見たような気がする。
 わずかなコインを箱に入れてきた。

 しかし、身体も冷えてきたし、脚も疲れた。

 地下鉄B線でテルミニにもどった。
 ローマも冬だというのに観光客が多い。

 テルミニのバス乗り場で明日の910の乗り場とタイムテーブルを確認する。
 レオナルドエクスプレスの乗り場も見ておこうと、29番ホームあたりを見学した。ウワサどおり、とってもとっても遠い。杖を突いた人や足の不自由な人はたいへんそうだ。地下からだと動く歩道もあるが、それにしてもけっこう歩かなくてはいけない。
 荷物預かり所ものぞいてみると、10人くらい並んでいた。難儀なこった!

 地下のバールで、ツナサンドと甘系パンを購入。3.1ユーロと安かった。

 ホテル・ニュ−ヨークにもどった。
 3F入口のベルはどうも私が押していた右のものではなくて、左の小さいものがそれだとわかった。どうりで何回押しても気づくのに時間がかかったのだ。もう、もっと早く教えてよ!

 今夜は珍しく20:00ころにヒーターが入った。
 臨機応変ということも多少わきまえているのね、とちょっと感心。




1/24(火)  ローマの最終日はボルゲーゼ美術館でカラヴァッジョ観賞!

 とうとう帰国の日がやってきた。
 7:00起床。
 7:40朝食へ。なんと日本人の20代カップルといっしょになった。
 ローマに着いたばかりで、成田は大雪、12時間も遅れたらしい。それにスーツケースが届かなかったとのこと。
 彼らの3Fのツインの部屋はまともなようだ。
 2人だからなにかと助け合えるし、試練も経験かも。よい旅を!

 8:30ニューヨークをチェックアウト。この下水臭シングルともGOOD BY。ま、3泊が限度だね。

 カートを引いて駅へ。
 荷物預かり所はすいていた。ここもミラノと同じ料金のようだ。
 パスポートのチェックはなくて、X線検査があり、バーコードで時間刻印された紙を受け取った。後で精算するシステムのようだ。

 さて、ボルゲーゼ美術館へ向かおう。
 H乗り場から910番のバスで5つ目。Pincianaで下車する。
 道路を渡って門を入ると、もうボルゲーゼ美術館だ。9:05には到着。

 半地下のチケット売場で予約の紙(11:00〜13:00)を見せた。
 でも、9:00〜11:00でもよいというので、そちらにした。
 8.5ユーロをクレジットカードで支払う。

ボルゲーゼ美術館 観賞記

 外から上階に上がりチケットをチェックされ、左の部屋に入ると、そこにはカラヴァッジョの4点があった。
 「病めるバッカス」はほんとにひどい顔色だ。紫というかグレーというか・・・。
 これは22歳のカラヴァッジョ本人がモデルだ。病気というより二日酔いなんじゃないか?

 その絵に向かって、「果物籠と青年」がある。
 この絵は写真でもそう思ったが、頭が歪んでいる感じがする。
 葡萄の光や枯葉の虫食いが印象的だ。

 その右に「荒野の洗礼者ヨハネ
 これはカラヴァッジョガ亡くなった時に持っていた絵らしい。
 どうして荒野なのか、よくわからない。もひとつ。

 「馬丁の聖母」大きな絵だ。これはすばらしい。
 とても丁寧に描かれている。
 特にマリアとキリストの肌がつややかだ。
 そして、右側の祖母(マリアの母?)の表情がなんともいえない。
 口元周辺には、孫に対する愛情があふれているように感じた。
 衣装もグレーと茶色で渋いのだが、気品があるというか、いい。
 マリアとキリストの蛇を踏む足元も微妙な描き方で上手いと思った。

 「ゴリアテ」は出張中で残念だった。

 彫刻などは見覚えがあった。

 上の階へ。

 ラファエロの「キリストの埋葬」は初対面だった。
 修復された後なのか、色がとってもきれいだ。
 ラファエロらしい十字架降架だ。
 特に右側でキリストの遺体を持つ青年の美しいこと!
 この絵の中で彼ひとりが無表情だ。
 赤いブラウスや緑のスカート?そして、赤の脚半がとても可愛い。
 他の人物たちの衣装も色がきれいだった。


実物はもっとすがすがしい色彩!

 絵の前にはゆったりしたソファが置かれ、イタリア人の少年たちが動かなかった。
 この絵に釘付けみたいだ。
 絵の両側には説明のパネルも並んでいた。

 売店を見たが、このラファエロ「キリストの埋葬」は部分物の絵葉書しかなかった。
 結局荷物になるが、20×30くらいの複製を買った。(色がくすんでいるので、あまり気に入らなかったが)

 10:50にはボルゲーゼを出た。
 学生の団体などで、入口は混雑状態だ。
 9:00からの回に変更してよかったかも。

 まっすぐ歩いてピンチアーナ門をくぐり、ベネト通りを進んだ。
 目指すはバルベリーニ美術館。

 バルベリーニ美術館には「ナルキッソス」が目的で入った。
 見当たらないので、係員に聞いたところ、なんとシエナに出張中だと。
 えー、ピサとフィレンツェに8日間もいたが、シエナには2002年に行っているので今回は行かなかったのだ。
 「ナルキッソス」はこの美術館のアイドルだと思うが(複製や葉書やノートまで売っている)、頻繁に貸し出すのね。
 まったく縁がない。次回のお楽しみ。
 「首切りユーディット」と「サン・フランチェスコ」を観賞。
 そして、ラファエロの「フォルナリーナ」に初対面した。(前回はいなかった)
 
 これで、ようやく12:00すぎだ。
 ナツィオナーレ通りでインフォメーションを見つけ、ドムス・アウレアについて聞いた。
 やはり当分休みのようだ。

 ガイドブックを見て、ランチはAl Boschettoに行くことにした。
 わりとかんたんに発見した。
 太ったマスターがよく動き回るレストランだった。
 赤ワイン(小カラファ)、スカンピのクリームリゾット、牛のステーキ、水、エスプレッソで22ユーロはリーズナブルだろう。リゾットもステーキもとっても美味しかった。リゾットは海老の手足も入っていて、よくダシが出ていた。牛も肉そのものが旨みがあった。

リゾットは6.5ユーロ
クリーミーで味わい深い
このステーキが10ユーロはとってもおトクだ
すごくジューシーで美味
入口は地味だが、中は広い

 13:30ころになると、地元の人々で混雑してきた。チップは2ユーロ置いた。(たいていは1ユーロにするが)

 多少寒さも和らいでいる感じだ。
 てきとうに歩いて、コロッセオが見えたので、そちらに進んだ。

 フォロ・ロマーノへ。
 大通り沿いの入口から入った。
 世界各国の観光客がいる。中国や韓国の人が多い。
 工事中の場所が広く、フェンスで囲ってあるので、歩く場所が限定されていた。
 ヴェスタの神殿なども入れない。

 あちこちの写真を撮り、ファルネジーナ荘あたりへ。
 オレンジがたわわに実っていた。
 天気がよいし、寒さもまあまあなので、散策に最適だ。

 15:00をまわった。
 歩きつかれたことだし、駅にもどろう。
 メトロB線コロッセオから乗って、テルミニにもどった。

 駅2FのMOMENTOでカプチーノ1.1ユーロ。
 地下のスーパーで、チョコレート、生ハム、チーズなど購入する。

 荷物預かりへカートを取りに行った。すいていたが、後ろに一人いた。
 10ユーロを出した。
 荷物を受け取ってからお釣りを数えたら、2.4ユーロだ。2ユーロごまかされた!
 3時間超過なので、3.8+0.6×3=5.6だ。つまり、4.4のお釣りが必要。
 その場で確認しなかったため、つけ入られた。
 まったく最後まで気が抜けない。(このローマ・テルミニの荷物預かりはレシートも出さなかった)

 カートを引き、動く歩道を通って、進む。
 28番線から16:52のレオナルドエクスプレスに乗った。
 ホーム入口でチケットチェックがあった。
 定刻発車。車内でカートを開け、荷物の整理をした。

 30分くらいでフィウミチーノに到着。
 JALのチェックインカウンターは長蛇の列だった。団体ツアーのグループがいくつか。それに、大量の女子大生の方々。免税払い戻しなど手続きがあるので、スーツケースがどうの、とたいへんそうだった。
 チェックインに30分以上かかった。早めに来てよかった。

 手荷物検査を18:10ころ終え、ホットサンドとコーラで軽く食事をする。
 18:50イタリア出国。
 免税店とかブランド品とかの店が多い。が、これといって欲しいものもない。

 19:20ころ搭乗ゲートのC-30に移動してきた。とても寒い場所だ。他のベンチで休憩。

 今日の最終日は、ボルゲーゼ美術館、バルベリーニ絵画館、フォロ・ロマーノと、めいっぱい観光できた。

 20:45ローマ発JL400は定刻に離陸した。ほぼ満席だ。
 隣りはクラブツーリズムのイタリア8日間に参加の方々。
 けっこう盛りだくさんのコースで、イタリアを駆け巡られたようだ。添乗員も熱心な人だったらしい。
 よかったですね。

 映画は「グラディエーター」を見た。
 コロッセオの昔の様子がよくわかる。
 映画自体は哀しいけどね。




1/25(水)  あっというまに日本到着

 17:00無事に成田到着。
 乗り継ぎは同じ第2ターミナルなので、移動はなし。
 名古屋行のJL053(18:35予定)は40分遅れて19:15ころ離陸した。
 クラスJの快適シートだ。それに2F席でとってもすいていた。
 だが、横になるのはほんの20分くらいで、すぐに着陸体勢にならなけならない。
 コンソメスープが美味しかった。

 20:30ころ中部国際セントレアに着いた。
 入国審査もとてもスムースだ。
 20:58の名鉄特急に乗る。

 16日間、病気も怪我もせず、元気で帰ってこれた。

 イタリアはやっぱり、よい。




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