最終更新日 2001.6.8 1.001
針灸の臨床現場では様々な治療効果の評価法が用いられていますが、治療者には
理解できても患者さんは納得し辛い点が問題でした。カメラによる撮影も試みられてき
ましたが、現像に時間がかかったり、色合わせの手間等、実用には問題がありました。
デジタルカメラによる記録も最近は画像処理が簡単になり、治療中に撮影したものを
治療後には見せることができます。撮影には患者さんの了解を得ることや、カルテと同じく
個人情報の流出には注意を払うべきです。また治療効果が一目瞭然になるため、結果が
良ければ自信になりますが、悪ければ...そんなときは実力をつけるべく努力しましょう。
実際のRA患者さんの例〔手関節〕 左-初診時 右-10診目
*プライバシー保護の為、画質を落としています。
1.まず必要な機材を揃えましょう
*必要な機材...デジタルカメラ、パソコンとの接続キット等、パソコン、画像処理ソフト
デジタルカメラは100万画素程度で良いですが、マクロ撮影と強制フラッシュが可能で
パソコンとのデータのやり取りが簡単にできることが条件です。ここで手間がかかると
治療中に画像処理が間に合いません。千秋針灸院では大体2〜3分以内で画像処理まで
しています。パソコンはUSB接続が使えるものが便利、画像処理ソフトはHP作りと同じく、
Photoshop LEやPaintshop Proあたりの低価格ソフトでOKです。写真画質のプリンターも
あればカルテに貼れますが、面倒なのでパソコンの中で見れば充分と思います。
2.撮影時のポイント
撮影では舌診として、あるいは病変部位の変化等を記録していくわけですが、この際
注意すべき点は露出にあります。つまり明るさを指しているのですが、これが違いすぎると
いくらPCでも処理が難しくなります。そこで必ず強制フラッシュを使うのがお薦めです。また
撮影距離については上の写真でも違っていますが、近接撮影のために完全に同じ距離で
撮影するのは手間がかかります。とはいってもPCでの処理は更に手間がかかるので...。
私の場合は簡便さ重視のため、あまり距離はこだわっていません。
3.画像処理について
長谷川針灸院時代には、白と赤のシールを撮影部位に貼って、色合わせをしていました。
現在では撮影直後に色合わせに入るため、その場で確認しながら色合わせができます。
ポイントは、1.まず自動レベル調整〔Photoshop
LE〕を試みる。自動で近い色や明るさなら
それをベースとして微調整〔カラーバランス、明るさ・コントラスト〕。2.ダメなときはまず明るさ・
コントラストを合わせた後、カラーバランスを合わせます。〔画像処理の達人に教えてもらい
ました〕
必ずオリジナル画像は保存しましょう。〔元の状態がわからなくなります。〕 また明るさ・コン
トラストはどちらかをプラスにしたら、もう一方はマイナスにします。こうすることでバランスが
とれます。カラーバランスは極端に変えないほうが無難です。はじめは時間がかかりますが、
慣れてくると数回の操作で実際の舌、病変部が再現できます。あせらず楽しくやりましょう。
4.画像の保存と管理
患者さんごとにフォルダを作り、画像ファイリングソフトで管理します。お薦めのファイリング
ソフトは叶V潟キャノテックさんのACDSeehttp://www.acdjapan.com/です。サムネイルから
素早く目的の画像を表示できます。このソフトは履歴が数多く残せる為、呼び出したいファイ
ルを1度の操作で呼び出せます。また、2つ以上の画像を比較説明する場合は、Photoshop
LE等の画像処理ソフトを使い、並べて表示します。