ねぇ蛮ちゃん。「嫉妬」ってどーいうイミ?』
『…お気楽なヤツだな…んなのも知らねーのかよ』
『人をうらやましいって思うコトだよね?それはわかるけど、あんまいい言葉じゃないってのがわかんないや』
『………』
『サラさんの香水だっていい匂いなのに、何で嫉妬って名前なんだろ。うらやましいコトの何が悪いんだろ?』
『だからだな…例えば俺様はテメーより無敵で強くて、テメーより女にモテるだろ』
『…モテてたっけ?』
『るっせぇ。とにかく俺様はテメーとは格が違う。それに対してどう思うよ?』
『えーと、蛮ちゃんは無敵でカッコいいです。オレは蛮ちゃんみたいになりたい……蛮ちゃん大好きー!』
『いきなり感極まってんじゃねー!…っとまあ、そーいうテメーには多分一生わかんねえ感情だ、嫉妬ってのは』
『???』
    そんなモン知らなくていいんだよ、お前はよ』

……でも蛮ちゃん、オレ知っちゃったよ。
うらやましい気持ちの中の、苦い気持ち。
思い出すたびツキン、ツキンって痛い。
胸の中、いつまでも取れないトゲ。

どうしよう。
蛮ちゃん、オレ、どうしたら    



    ワン!」
「……んあっ!?」

頬をかすめるくすぐったい毛と、元気な吠え声。
公園の茂みの中、オレはがばっと飛び起きました。
辺りに響くカラスの鳴き声、薄い青の空。朝の光と匂い。
オレの隣で尻尾を振ってる、可愛い茶色の犬。
毛並みはいいし首輪もしてる。誰かの飼い犬でしょうか。
「うあ〜…ビックリした。オレんとこ起こしてくれたのかな?ありがとう〜」
オレはアクビしながら、その頭を撫でてやりました。

「……リー…サリー!どうしたのー?」
遠くから聞こえるその声。
ウォン、と答えるように犬が鳴いて、その人は駆け寄ってきました。
すっかり覚えた、その香りと一緒に。

「…銀次君!?ちょっと、何してるのこんなとこで」
「あ、サラさん……おはようございます」
ラフなシャツとジーンズに、今日は眼鏡も。
またイメージの違うサラさんが、眼を丸くしてました。
「まさか君、昨日あれからずっと帰ってないの?ここで一晩明かしてたの?」
「は、はい」
「………」

    お腹空いてるでしょ。はい」
「あ…でも、オレ」
犬のサリーをオレに預けて、サラさんがコンビニから食べ物を買って来てくれました。
正直あんまり食べる気がしないのですが、タイミングよくお腹はぐうぐう鳴っちゃって。
「お腹は正直よ?いいからちゃんと食べなさい」
「あ、ありがとうございます。いただき…ます」
たしなめるみたいな口調の今日のサラさんは、身近なお姉さんみたいです。
オレはのろのろとパンをご馳走になりました。
いつもならマスターの言う通り喜んでがっつくのになあ、オレ。
「美味しい?」
「はい」
「おにぎりもあるのよ。美味しそうだったから色々買ってきちゃった」
「はい、ありがとうです」
「食べ切れなかったら持ってっていいからね。蛮と分けて」
「………」
「………」
返事出来ないオレを、サラさんはじっと見つめてます。
何を思ってるんだろう。
見透かされるみたいで、何だか辛いです。
黙り込んでもくもく食べてたら、

「やれやれ、参ったなぁ…計算違いってカンジ?」
「え?」
袋からおにぎりを取り出して、サラさんも食べ始めました。
ちょっと困ったみたいな苦笑で。

「困らせようって思ったのは蛮であって、君じゃなかったんだけどなあ」
「…?」
「君達に最初に会った時ね、蛮に渡すものがあって…それを渡せば用はもう済んだはずなの」
「渡すもの?」
「蛮が出てった日、私が彼から奪っちゃったもの」

    奪られたと思ってねぇよ、俺は』

「蛮ちゃんに還す……依頼って、そのコト…?」
「マスターにも付き合ってもらって、依頼なんてジョーダンよって笑って、還したらそれでお終い。…のハズだったのよ、最初はね」
「じゃあ、どうして…」

そう訊いたら、サラさんの眼が。
『蛮のことよくわかってるのね』とオレに言った時と同じ、静かな色。
明るい空の下、蛮ちゃんと同じ青がオレに教えてくれました。
    それは懐かしそうな、少し寂しそうな色だって。

「蛮、最初私にちっとも気づかなかったじゃない?君と呑気にバカな漫才やって、私のこと忘れてて……だからちょっと仕返ししちゃおうかなーって」
「サラさん……」
「そしたら蛮以上に君が困ってるんだもん。まさか君が私に妬くなんて、ね?」
    え、あの…オレ、その」
ダメです。
今サラさんと眼を合わせちゃうと、オレ、オレ。
でも、
「違うの?」
「……ご、ごめんなさい!」

一度合っちゃった眼は逸らせないです。
気持ち、隠せないです。

「オレ、最初はサラさんと仲いい蛮ちゃんがうらやましかったのに、だんだん…サラさんがうらやましくなっちゃって、仲間はずれが辛くて、その、オレ……」
「あは…あはははっ!」
初めて会った時のように、サラさんはおっきく笑い出しました。
抱きしめられたサリーが、驚いたように吠えます。
「サ、サラ…さん?」
「嫉妬した相手にごめんなさいって、やぁだもう、バカ正直ねぇ。ホントに君、あの無限城が帝王と仇名された雷帝?」
「は、はぁ…」
「フフ…そーいう君だから、あの蛮がきっと…そうね。うん、そっか…」
「??」
独り言のように呟いて、寂しそうな眼はそのまま、でも嬉しそうに微笑んで。
サラさんは言いました。

「ねぇ、蛮の代わりに奪還依頼、受けてくれない?」



昼下がり、ネグラの廃ビル。
駐車場に停まっているスバル。
ボンネットに腰掛ける人影は、

「蛮ちゃん……」

黙って煙草を銜える蛮ちゃんに、黙って近寄るオレ。
オレ達の間に吹く、廃墟の埃の風。
側に立っても、蛮ちゃんはオレを見ない。
でも何か言わなきゃ。
「お、おはよ。蛮ちゃん。オレ、その……」
「……クセェ」
煙草を吐き捨てる蛮ちゃんから、オレは慌ててちょっと離れた。
「ご、ごめん」
昨日は走って汗かいて、芝生で寝たから。一応バンダナで身体拭いたりしたんだけど    
一人で過ごした昨日を思い出すオレに、蛮ちゃんは言い捨てた。

    『嫉妬』の匂いがする」

    一瞬、ドキリとした。
サラさんに見破られたオレの心、蛮ちゃんにもバレたかと思って。
でも更に蛮ちゃんが言ったのは、
「会ってたのかよ、サラに」
言われて気がついた、Tシャツにちょっと移ってるサラさんの香り。
蛮ちゃんが言ってるのはそのこと?
「え、っと、会ったよ。サラさんの犬のサリーがオレを起こしてくれて、蛮ちゃんと分けろってゴハン奢ってくれて、それで……」
    乗れ」
言い終わらない内に、蛮ちゃんはスバルに乗り込んでしまって。
戸惑うオレも乗った途端、突然車を走らせる。
響くタイヤの甲高い音。
踏み込まれるアクセル。
いつも以上のスピード違反。

「蛮、ちゃん…」
    

窓の向こう、猛スピードに吹き飛ぶ街の風景。
黙ってスバルを駆る蛮ちゃんは、一歩手前のサインを通り越して、

完全に不機嫌だった。


       *        *


「さっさと洗って来い」
「う、うん」

蛮ちゃんに連れ込まれたのは、とある安ホテル。
いわゆる「アレ」をするための。
何度か蛮ちゃんと泊まったことはある。
ただ屋根とベッドがあるトコで寝たいって目的だったり、
    蛮ちゃんと「アレ」するって時もあったり。

バカなオレでもわかります。
男同士で「アレ」はおかしいのです。だって普通は女の子とするものだから。
    でも蛮ちゃんはオレと「してえ」って言ったし、
    でもオレも「蛮ちゃんなら」って思ったし。
初めはものすごく痛くて怖くて、辛かったけど、すごく気持ちよかった。
おかしいコトだから、何だか後ろめたい気持ちもあるんだけど。
蛮ちゃんとならおかしくてもいいやって、思って……。

「ふー…」
服と身体を洗って、あっつい湯船につかって、オレは溜息を一つ。
湯気の中、昨日からの出来事が頭をぐるぐるする。
サラさんに嫉妬して飛び出して。
そんなオレをサラさんはおかしそうに笑って、蛮ちゃんは怒ってて。
そんな蛮ちゃんとホテルに来てる。
何だかよくわかんないコトいろいろ、ぐるぐる。
オレに怒ってるのに、「アレ」するつもりなのかな、蛮ちゃん。

今まで考えたことなかったけど、蛮ちゃん、「アレ」するの慣れてる。
初めてでよくわかんないオレに、色んなコトいっぱいしたり、教えてくれた。
ちゅーする時と同じ、慣れたことみたいに平然と。
それって、オレ以外の誰かともしてたってコトだよね?

「…うー!」
ざばっと風呂から上がって、オレは冷たいシャワーを浴びた。
トボけたけど、オレ本当は蛮ちゃんはモテるんだろなって思ってた。
ただオレが知らないだけで。
だって蛮ちゃんカッコいいし。
一ヶ月足らずでも一緒に暮らしてたんだ、きっとサラさんとだって、蛮ちゃん。
オレの知らない眼で、オレをぎゅっとしてくれた腕で、煙草の味の唇で    

熱がぐるぐる。
止まらない、嫉妬のトゲの痛み。



「ふぇっくしょい!」

湯冷めしそうな身体に新しい着替えをつけて、乾かしたての頭にタオルを巻いて出てくれば、ソファーに置かれたコンビニの袋、蛮ちゃんのシャツとサングラス。
そしてベッドで寝煙草してる、タンクトップ姿の蛮ちゃん。
裸の眼、不機嫌に暗い青がはっきり見える。
オレは何にも言えないまま、蛮ちゃんも何にも言わないまま。
洗濯物をハンガーに掛けて、オレはベッドサイドに腰掛けた。

「………」
「………」
「…蛮ちゃん、あの」
「ちゃんと洗ったか、服も」
「うん…」
「…そーかよ」
灰皿に吸殻を潰す手がオレに向けられて、タオルをぐいっと引っ張って。
「っわ…!」
ベットに押し付けたオレの身体を、蛮ちゃんはぎゅっとした。
「ば、蛮ちゃ…」
「ん、ちゃんと洗ったな。石鹸の匂いしかしねぇ」
肩や髪に触れる蛮ちゃんの息遣い。
石鹸の匂いも打ち消す、蛮ちゃんの煙草の匂い。
冷めた身体が一気にまた熱くなって、恥ずかしくてバタバタしてたら、耳元で蛮ちゃんが囁いた。
「匂い落ちたんだからよ、もうすんじゃねぇぞ…嫉妬なんてよ」
「…!」
「言っただろーが、テメーはそんなモン知らなくていいってよ」

さっきまで怒ってたのが嘘みたいな、低くてぶっきらぼうで、どっか優しい声で。

    蛮ちゃん、オレが嫉妬したってわかってたの?いつから?
    必要ないって、何で?
    だってオレが嫉妬したのは、蛮ちゃんがサラさんと。
    蛮ちゃんのせいじゃないか、オレがこんなになったの。

いろんな思いがぐるぐるして、
ホントに訳わかんなくなって、

「……だって、だって…さぁ、蛮ちゃあん……」

見上げる天井がじわりと滲む。眼が熱い。
顔を上げる蛮ちゃんを見たくなくて、オレを見られたくなくて、両腕で顔を隠す。
呆れたような蛮ちゃんの溜息が、肩をくすぐった。

「あんなー…テメーが思ってるよーな関係じゃねーんだよ、俺とあいつはよ」
「でも昔のオンナなんでしょ。オレとするみたいに、ちゅーとかアレとか、したんでしょ…」
「…んだよ、それが気に入らねぇのか?俺に一生女知らねぇで過ごせってか?」
「……それもあるけど、そーじゃなくて……知らない顔、する……」
「…あ?」
「サラさんといる蛮ちゃん、オレの知らない蛮ちゃんで…オレのけ者で、何にも教えてくれないし……」
「………」
蛇咬の手にムリヤりはがされた腕が、ベッドに押し付けられる。
オレは諦めて蛮ちゃんを見上げた。隠してた涙目で。
「そりゃオレだって、蛮ちゃんに言ってないコトたくさんある……けどオレ、オレは……っ」
    知らねぇ過去より『今』が大事、だろ?」

オレを見透かす眼と、ニヤリと意地悪いその笑顔。

「俺だって過去より今がイイぜ?だからテメーが妬くこたぁねぇ。わかるな?」
「……わかんないよ」
ふい、と眼を逸らす。
蛮ちゃんはオレの気持ちをわかってるのに、オレは蛮ちゃんの気持ちがわからない。
    イヤだ、こんなの。
「こンのガキ…どこまで俺に言わせりゃ気が済むんだ?」
ちっ、と舌打ちして蛮ちゃんは言った。

「だから『昔』より『今』のテメーの方が、っつってんだろ!」
    !」

ぱあっと開いたオレの眼から、ぽろりと零れる涙。
クリアになったオレの視界、蛮ちゃんの怒ってるような、照れてるみたいな顔。

「やれ昔の女だ知らねぇツラだ…その程度で、他の誰でもねぇテメーを側に置いてる『今』の俺を疑うのかよ」
「ばん、ちゃん……」
「グダグダ考えんな、アホ。誰といよーがどんなツラしてよーがテメーは俺のもんで、テメーの相棒も俺しかいねぇんだよ。わかったか、クソッタレ    

    言い終わらないうちにオレは蛮ちゃんにしがみついて。
蛮ちゃんもオレをぎゅっと抱き返してくれて。
ぽつりぽつり話してくれた。
サラさんのことを。



    サラに会ったのは俺がテメーに会う前、仲間と別の仕事をしてた頃だ。
情報屋として、たまにメシ奢ってくれるお節介として何度か会っててな。
いろんな顔と名前を持っても、香水はいつもENVY。
他人に構う世話好き。
ウゼェけどなんか憎めねぇ奴だった。

……俺がアイツんトコに転がり込んだのは仲間と別れてピンになった頃。
ま、一人なんて慣れたモンだったんだが、その時ばかりは俺もちぃとばかり……腹減っててよ。
道すがら会ったアイツにメシ奢らせて、そのうちアイツん家で毎日食わせてもらうようになって。
お陰でいつも満腹、食い物に困るコトはなかった。
でもアイツは、仕事で日々別人になりながら言うのはいつも同じ。

『飢えてるのね』
『あなたはここじゃ、私じゃ満たされないのね』

……ずっと居候する気なんざなかったし、アイツもそれはわかってたんだろ。
でもあっさり出て行かせようとはしねぇで、俺の持ちモン奪ってよ。
奪られてどうってコトねぇモンだったし、何よりガキみてぇなその態度が気に喰わなくてな。
「誰にも捕らわれねぇヤツが、何こっちを捕らえようとしてやがる」ってよ。
とっとと振り切って、二度と会う気はなかった。ビジネスならともかく、個人的にはな。
ホンキートンクで再会した時のアイツも同じコト言ってたぜ。
引越しの荷造りの最中、俺から奪ったモン見つけなければってな。
わかったか?その程度なんだよ、俺とアイツはよ。

……あ?奪られたモンは何だって?だから今更……。


「ってオイ、テメー…それ……」
「へへ。依頼の品ゲット、だよ」

俺がポケットから取り出した、古いシルバーの指輪。
蛮ちゃんの右手とお揃いの。
「コレがサラさんに奪られたモノ、だよね?」
「…ああ…」
「オレが代わりに依頼受けたんだよ。ハイ、まいどあり」
サラさんに頼まれた通り、蛮ちゃんの左指に指輪を還してあげる。
「アフターサービスは依頼人さんの伝言を届けるコト。どーでもいいはナシだよ?ちゃんと聞いてね」

『私が奪った蛮の指輪を奪り還して』

サラさんの依頼を受けたオレは、ネグラに戻る前にサラさんが元住んでたマンションに行きました。
引越しの済んだカラッポの部屋。その場所で指輪を還す。
それがサラさんの願いだったのです。
出て行く蛮ちゃんの指輪を奪っちゃった過去をやり直すように。
ホントは蛮ちゃんに来て欲しかった、渡したかった指輪をオレに渡して。

    蛮。あなたはそう思ってなくても、私は奪ったって思ってた』
『少なくとも私にはそのくらいの価値はあったの、あなたと一緒に居た時間は』
『自分のことは誰にも捕まえさせない、そのくせ寂しい眼、してた』
『あの頃のそんなあなたがね、自分見てるみたいでね。放っとけなかった私まぁお節介、ってカンジ?』
『でももう、あなたが私を忘れてたみたいに、私もあの頃のあなたをちゃんと過去にしたい。だからちゃんと受け取ってよね』

「“バイバイ、蛮”    以上、だよ」
「………」

蛮ちゃんに伝えながら、オレは自分にも言い聞かせてた。
頼まれたときのオレは蛮ちゃんで頭がいっぱいで、サラさんの気持ち半分もわかってなかったから。
……やっぱりオレには男と女ってよくわかんない、けど。

「言ってたんだ、サラさん。香水のENVYの由来は『嫉妬』じゃない    『憧れ』ってイミでつけられたんだって」
「…憧れ?」
「いろんな人間演じるのは、そうやってホントの弱い自分隠さなきゃ裏社会で生きてけない、戦う女になれない……ショセイジュツ?って言ってた…」
「………」
「だから蛮ちゃんに憧れてた。どんなに飢えてても辛くっても、一人の『美堂蛮』として生きてる蛮ちゃんがうらやましくて……心配だったってさ」
「……そうか」

    うん、オレわかったよ、蛮ちゃん。
飢えてるとか辛いとか、満たされないって気持ちを知ってて、ゴハン食べさせてくれる。
それがきっとホントのサラさん。
世話好きで、ちょっと寂しげな、でも優しいひと。
蛮ちゃんと暮らしてたのは、今朝会ったあの「お姉さん」だったんだね。

『一回メシ奢られたくれぇで何わかった気ィしてんだ』って言われるかなあ。
ねぇ蛮ちゃん?
……蛮ちゃん。

「…妬いたりしてゴメン、蛮ちゃん」
「フン、わかりゃいーんだよ、わかりゃ」
いつもみたいにぐしゃぐしゃ頭なでてくれる蛮ちゃんに顔埋めて、オレはそっと呟いた。
「……ごめんなさい」

    嫉妬してごめんなさい、サラさん。
そんなオレのコト笑ってくれてありがとう。ちょっと救われたみたいな気がします。
でもオレ、それで気づいたんです。
『嫉妬』と『憧れ』って二つの意味がENVYにあるみたいに。
誰かに嫉妬する気持ちと、誰かを好きな気持ちは、オレの心のおんなじところにあるんだって。

誰と居てもどんな過去があっても、オレの知らない顔がいくつあっても。
オレはやっぱり蛮ちゃんが、誰より一番大好きなんです。



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