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三國志X プレイリポート 1
A「あれ、サターンだ」
F「うん。いつぞや……あれは何年前だったかな。ほら、某エロゲメーカーのイベントでもらった」
A「あーあーあー、アレなー。物持ちいいよな、お前って」
F「古いモノには愛着が出るクチなものでー。つーことで、三國志X引っぱりだしてみた。今年12が出たけど、結局コレがいちばんお気に入りだよ、僕」
A「Xはやってないンだよな、俺。よし、ちょっとやらせろ」
F「ちょっとと云われてもなぁ。……じゃぁ僕は横で口出すから、アキラが統一してみるといい」
A「かなり最低なこと云いだしたな、この半病人」
F「ちなみに、Xは最近のプレイヤーでも馴染みがあると思う。三國志DSの3はコレをベースに、女性武将や追加イベントを増やしたモンだから。システムとしては完成してたのに余計なイベント増やしたせいで、もともと高くなかった難易度がさらに下がった感があってなー」
A「やりやすいのがベターだろ」
F「かもしれん。シナリオ3の、君主は曹操を選択するように」
A「何でこのシナリオで曹操なんだ?」
F「やりやすい」
A「……シンプルな解答で。劉備が好きなんだけどなぁ」
F「ゲームに慣れるには、ある程度有力な君主で始めるのがベターだよ。曹操軍の武将数は26人で1位、総兵力は約10万で2位。人数2位の袁紹軍が22人、兵数トップも袁紹で約12万というところだ」
A「2万くらいの差ならマンパワーで覆せるってか」
F「ところが、袁紹は北のコーソンさんを倒せばあとはひたすら南下できるのに対して、曹操は四方すべてを敵に囲まれていてな。北は袁紹、西には李傕、南に張繍、東には空白地を挟んで呂布・劉備が控えている」
A「なんだこの立地……」
F「頭数にしても兵数にしてもとてもではないが足りないが、ゲームバランスとしてはそれほど難しいレベルではないから、この曹操で天下統一できれば他の君主でも通じるプレイスタイルが身につく。初級なら20年もかからないよ。じゃぁゲームスタートで」
A「うぃーっす。おや、いきなり皇甫嵩が仕官してきた」
F「毎月初めに在野武将が仕官してくることがある。敵の計略という可能性は初級では低いし、ましてゲーム開始直後だからその恐れはない。彼に限らず来る者は拒まないスタイルでいいよ」
A「じゃぁ登用、っと」
F「状況を確認すると、曹操の支配都市は洛陽と許昌のふたつ。ちなみに、全47都市を支配すればゲームクリアになる。当面の目標としては、必ず南下してくる袁紹がコーソンさんを倒すまでに、西と南への防御線を構築しておくという、実史に沿ったもので進める」
A「洛陽の北と許昌の東にある空白地はスルーでいいのか?」
F「何しろ初級だからね、CPU君主は領土拡大に熱心でないんだ。自発的に空白地を占領することはあまりないと期待していい。また、許昌の東のふたつ、陳留と譙を接収すると、袁紹のみならず呂布・袁術そして劉備と接することになる。現状ではこのすべてと戦って勝てる軍事力はない」
A「空白地をあえて占領しないことで、敵と接する拠点数を抑えるのか」
F「そゆこと。さて、シリーズのほか作品では違う場合があるが、三國志Xでの1ターンは1ヶ月。各君主は、君主にのみ設定されている能力値の名声で、1ターンごとに行動できる回数が決まる。シナリオ3の曹操の場合、行動回数は3回で始まる。まずは劉備から陳羣を引き抜いてこい」
A「悪く思うな、劉備サマ……よし、曹純で成功」
F「関連する能力値で降順にソートされてるから、上から試すべきなんだがねェ。ひとりめで参謀殿(現状では郭嘉)がゴーサインくれたからよかったようなものだが。次に、曹洪辺りで募兵して、洛陽の兵を再配分する」
A「えーっと?」
F「募兵や徴兵で集めた兵士は訓練度も士気も低いから、すぐには戦闘に使えないンだ。訓練していた兵士と混ぜると数値が平均化されるから弱くなる……まぁ、シナリオ開始時点から武将に配備されている兵士となら大差ないが。ともあれ、募兵した兵士はひとまず陳羣に全部預けろ」
A「ん、陳羣は……どこだ?」
F「今回は武力順に並んでるから、下から数えた方が早いな。えーっと、このゲームで率いる兵士数は将軍位で決まるンだが、君主と軍師は無条件で2万の兵を率いることができる。君主は各勢力のトップひとりだけだが、軍師は知力が90政治が80(アイテム不可)あれば誰でもなれるので、陳羣は最初からその条件を満たしているンだ」
A「数少ない優秀な武将というワケか」
F「曹操自身を含めて、曹操軍には軍師条件を満たしている者が最初から5人いるがね。で、他の武将の兵士はいったん全部解除して予備兵にする。戦場に出すには心許ない武力の連中にも配備されているからその辺からは取り上げ、典韋や許褚といった武力の高い武将を優先して兵を再配分していくよ」
A「今度こそ武力順に並んでるから、上から持たせていけばいいンだよな」
F「いや、曹操は後回しで。典韋・許褚に徐晃は持てるだけ持たせる。曹仁・楽進・于禁・李典には8000でいい。これは、将軍位を持たず、君主・軍師でもない武将が持てる兵士数の上限値になる。この辺りに兵士を持たせたら、残りは陳羣の兵と併せて曹操に全部」
A「ふんふん……よし、できた」
F「これで行動回数が残り1回になったから、セーブしてから、南の宛を治める張繍を攻めるよ」
A「初手でかい!?」
F「張繍は長安・弘農を治める李傕との敵対度が低いから、同盟を結ばれる危険性があるンだ。とりあえずはそれを遮断するのが第一。第二と第三は戦後に教える。ともあれ、張繍軍の武将数は3人、初期兵数は2万4000だ」
A「人数では圧倒的にこっちが有利だな」
F「しかし、システム上10人までしか出陣させることができない。しかも、約10万の曹操軍を総動員すると、張繍は戦わず、空白地の新野へ退却する可能性がある。なので、洛陽からは典韋・許褚・徐晃を、許昌からは夏侯惇・淵を動員する。陣形は、突撃のできる魚鱗・鋒矢が中心。持っていない武将はなるべく移動力の高い陣形を敷かせる」
A「魚鱗と鋒矢と両方持ってたら?」
F「地形による。魚鱗は平地、鋒矢は山地での移動力が高くなるンだが、宛は平地型の地形だから魚鱗がお勧めだな。戦闘の勝利条件としては、戦術マップ内に点在する城をすべてを占領する(攻撃側のみ)か、敵君主を倒す(攻防いずれも)か、敵武将を全滅させる(敵君主がいない場合、攻防いずれも)かの、どれかを達成すればいい」
A「今回は張繍が出陣しているみたいだから、そのみっつのどれでもいいンだな?」
F「そうだな。CPUはとりあえず城の上、城すべてに配備したらその周囲に武将を配置する。で、例え呂布でも君主は城の上にいるから、向かってくる武将を倒し、城をひとつずつ制圧して、いずれ君主を倒すのが基本になる。だが、攻撃側はなるべく君主を従軍させない。従軍させるなら交戦させない」
A「君主が倒されたらそれで負けるからなぁ」
F「それが第一。第二に、さっき云ったように、このゲームでは率いる兵士数が将軍位で決まる。戦場で敵を倒したり城を占領すると勇名が増えて、増えると高位の将軍位に就ける。だから、最初から2万の兵士を率いることができる君主は戦場で勲功を立てる必要がない」
A「あー」
F「攻撃側は戦術マップのどこかに食糧庫を配置しなければならないから、曹操に限らず、君主はその上に乗っかって戦闘に巻き込まれないようにしておくのがベター。……その意味では、曹洪ではなく李典に募兵をさせるべきだったか。アイツ、あからさまに食糧庫や城の上に乗っかってるのがお似あいな陣形しか持ってないし」
A「ちょっとミスしたか。……おや、夏侯惇がいない」
F「あぁ、5日後に到着だ。今回は洛陽から宛を攻めたので、洛陽に隣接するものの宛には隣接しない許昌から出立すると洛陽経由で宛に向かうことになる。これが汝南からなら戦闘開始時点から戦場にいるが、陳留からなら10日後に到着する。戦場までの都市数(最短距離)×5日で到着する、のは理解しておくように」
A「なるほど。えーっと、敵は3部隊……城が4つか。空き城は普通に占領していいンだよな?」
F「かまわないが、できれば許褚に取らせろ。あと、食糧庫には典韋を乗せておけ。戦闘には参加させないように」
A「強力な武将は意識して勇名を稼がせるのはいいが、典韋をハブるのは?」
F「あとで説明する。張繍が李傕と同盟していなければ3人を倒すだけで済むから、今回は手間取ることがないだろうけど、例えば袁紹との直接対決になったらけっこう難しい事態になるぞ。敵をねじ伏せつつ手の空いている武将で城を占領していくンだから。倒すのと占領するのを別々に行う余裕を作れるかは、事前の準備次第」
A「今回は準備不足で攻め入ったからなぁ」
F「そうだな。ともあれ、敵武将を撃退しながら城をひとつずつ占領していき、いずれは君主も倒す。できれば、張繍を倒すのは突撃で、倒すと同時に張繍のいる城を占領しておきたい。また、自軍が勝てば戦場に来ただけで何もしなくても勇名は200増えるので、後続の夏侯惇が到着するまで張繍は倒さないように」
A「あいよっと……よし、許褚で張繍の部隊を潰して、城も占領したぞ」
F「じゃぁ、戦闘に勝利できたことになる。戦後処理で、典韋と許褚を宛に残し、他の武将は引き揚げる。典韋を戦闘に参加させなかったのはこれが目的で、宛を占領したから袁術と接することになったンだ。汝南から袁術軍が来ても、無傷の典韋がいれば援軍が来るまで持ちこたえられる」
A「あー、なるほど。許褚はギリギリ1万だから、心許ないからなぁ」
F「また、捕虜とした賈詡を必ず登用すること」
A「応じなかったら?」
F「セーブデータをロードして戦闘をやり直せ。宛を攻めた理由その2は賈詡の確保だ。極めて高い知力を誇るこの軍師を野放しにはしておけん。空白地の新野があるから張繍は登用できないし、曹操と相性の悪い胡車児も応じないだろう。だが、賈詡だけは手に入れておくこと」
A「ん、降ったぞー」
F「捕虜には必ず登用を持ちかけ、応じなかったら解放するように。名声が下がるから、追いつめたものの登用に応じなかった君主でもなければ斬っちゃいけない。今回、張繍は新野に撤退できるから登用コマンドがそもそも出ないンだ。だから、斬らんで逃がしてやれ」
A「うーっす。……約3000の被害を出して、得たのは都市と賈詡ひとりか」
F「御の字だよ。じゃぁ、終わったら論功行賞だ。家臣→任命→将軍で武将リスト(初期状態では武力で降順ソート)が表示されるから、勇名での降順ソートに切り替え、従軍した5人の将軍位を高いものに移す。で、韓浩とか韓暹みたいに、使ってないけど将軍位を持っている奴は解除していい」
A「解除って」
F「許褚の勇名が2500になっていれば、韓暹のもつ破虜将軍にできるだろ。許褚をつければ韓暹は無位になる。将軍位には限りがあるから、使っていない武将には極力持たせないように」
A「まぁ、その方が効率的か。韓浩は?」
F「韓浩はなー、このシナリオ開始時点での勇名が、君主を除くと全武将中で16位なんだ。厳顔や張飛より高いという状態なので、現状では放置しておいてくれ」
A「……何でそんなに高いの?」
F「オレも知らん。ちなみに、このシナリオ開始時点でのトップは君主だが呂布、第2位が皇甫嵩。また、将軍位は必要勇名が1000を超えると、その先は500刻みで上がっていくので、うまくそのラインを越えられるよう調整したい。惇と典韋は従軍すればひとつ上の将軍位に就けるから、許褚と徐晃をメインに戦うことになるな」
A「先に云えよなー……よし、終わったぞー」
F「じゃぁ、命令終了で次のターンだが、曹操が許昌を支配していて、参謀と韓浩が曹操と同じ都市にいるとイベントが発生する。屯田制をするかどうかで、金3000と引き換えに許昌の生産性と民忠、それに名声があがるもの。惜しい金額ではないから素直に払っておくこと」
A「安くはないけどな。ん? えーっと、担当を変えられるって云ってるぞ」
F「ああ、うん。先に説明すると、1年は12ターンだが、1・4・7・10月には季節の変わりめということで季節イベントが発生する。疫病とか災害とかだが、10月は冬だからイナゴは発生しない」
A「特に何も起こらんかったな」
F「ちょっと寂しいがまぁよかろう。で、いま云った4つの月では、武将の担当を変更できる。この担当が三國志Xの目玉のひとつなので、ちょっと詳しく説明しよう。君主を除く武将は軍事・内政・人事・計略・外交のどれかに従事することになる。軍師でもな」
A「いままで気にしなかったけど、曹操除いて全員がどれかに従事しているのか」
F「そうだ。担当になると、戦略画面のコマンドそれぞれに従事できる。つまり、軍事担当官は内政コマンドを実行できない。誰を何の担当にするかは慎重に決めなければならない」
A「だよなぁ……」
F「本来は最初のターンで見ておくべきだったが、コマンドと併せて説明しよう。右から、まず軍事。コマンドは4つ出るが、このうちの徴兵と略奪は名声が下がるから絶対に行わないこと。実質、募兵と訓練のふたつだけだ」
A「募兵はさっきやったな。兵士を増やす」
F「その通り。訓練は文字通りで、その兵士を鍛える。軍事担当官ひとりを選んで実行すれば、実行した武将と同じ都市にいる全員の訓練度と士気が上がる。兵士数・訓練度・士気、いずれも高い方が有利だが、兵士数に関してはあまり多くしすぎても使いこなせない恐れがあるから、増やすタイミングには注意だ」
A「あいよ。訓練一度では、訓練度は上がりきらないよな?」
F「当然だが、実行武将の武力と都市にいる兵士数による。もちろん、武力は高い方が、兵士数は少ない方が、訓練度が上がりやすい。このため、軍事担当官は武力が高くなければならない」
A「だわな。次が、外交?」
F「うむ、外交担当官が実行できる。いちばん上は後回しにして、同盟は他の君主と同盟を結ぶもの。期間はこちらから提示できるが、手土産に差し出す金か米かアイテムの量と敵対度が提示した期間に見あっているかで成功か決まる。で、この下のみっつは同盟している相手にしか実行できない」
A「まず同盟してから、なのか」
F「だ。研究は、一部の陣形を強化するアイテムを、同盟を結んでいる君主と共同開発するもの。自分が使えるようになるのはいいが相手も手に入れるので、基本的には頼らない。共同は、どこかの都市を攻めるときに軍を派遣してもらうもので、こちらも頼ると物資を支払わなければならないから、使わないようにする」
A「……いいけどな」
F「援助は同盟相手に金や米を集るコマンドだので、コレを実行すると名声が下がる。よって、コレも封印。まぁ、外交コマンドそのものがあまり使わないのが実情だから、この辺りは考えなくていい。いちばん下の脅迫を成功できるようになるのはゲーム終盤だから、これも現状ではスルーで」
A「ほとんど使えないコマンドだ、と。で、いちばん上の進物って?」
F「君主に物資かアイテムを送って敵対度を下げるもの。もっとも、敵対度が低くても攻めこんでくることがあるから、やはり万全の信頼は置きにくい。外交で抑えるより軍事力を充実させる方が防御手段としては安心できる」
A「乱世だなぁ……」
F「乱世だとも。計略コマンドに行くが、基本は流言。味方の実行者と敵の都市を選んで行うが、成功すると、その都市の民忠か、その都市でもっとも忠誠の低い武将の忠誠度が下がる。都市の民忠が低いほど成功しやすい」
A「今回は、狙った武将の忠誠度を下げたりはできないのか」
F「うん、大原則としていちばん低い武将の忠誠度をさらに下げるコマンドだ。民忠もろともその君主の名声まで下げたりできるが、武将を選んで忠誠度を下げるのは難しい。ターゲットの忠誠度をその都市でいちばん下にすればいいだけだから、できないワケじゃないが」
A「できるが手間はかかる、と」
F「で、利用価値の低いコマンドが続くぞ。作敵は、敵武将に内応を持ちかけるもの。忠誠度とマスクデータの義理が低い武将ほど成功しやすく、成功すれば戦術マップで兵士もろとも寝返ってくれる」
A「含む物がありそうな云い方だな?」
F「そんな武将が使いものになるか、という話だよ。いま孫策が劉表を攻めるなら甘寧を引き抜くか作敵するかしなければならんが、コレに応じる武将にはあまり兵を任せたくないのが僕の本音だ。駆虎は他国の都市を治める(君主ではない)武将をけしかけ、独立させ君主にするものだが、これなんかもっと非道い」
A「敵が弱くなるとはいえ、敵の敵が増えるだけで、味方が増えるワケじゃないからなぁ」
F「この計略を実行するくらいなら、その武将を引き抜くべきだな。扇動はその都市の民忠が低いほど成功しやすい。戦争中に城の防御度を下げさせるもので、その上に武将がいるならダメージも与える場合がある。民忠の低い都市の隣にいると、民衆の側から持ちかけてくることもあるな」
A「悪政には民衆だってキレるのな」
F「それが乱世の始まりだよ。頼られたら応えるべきだが、これが成功するレベルの悪政を敷く君主というのは、このシナリオでは厳白虎と李傕、それにコーソンさんくらいだ。君主にしておくのが間違いなレベルの政治力でロクな配下もいないのが前2者で、強敵が目の前にいるのに国力が低いのがコーソンさん」
A「生き残ろうとなりふり構わず、結果として悪政を敷くことになるのか」
F「そゆこと。季節イベントで民衆蜂起が起こる都市ならまず成功する。ただ、戦略とか攻略順序とかあるンだから、むやみに頼られても正直困るンだわ。工作は単純に、目標とする都市の防御力を下げるだけ。やりすぎると攻略したあとが困るから注意だ」
A「下げすぎてもこっちが困るから、お前の場合は使わないのか」
F「うん。で、最後に回したが埋伏。これは、自国の武将を敵の都市に潜入させ、仕官させるもの。コレがいる都市だと駆虎・扇動・工作の成功率が上がるが、勇名や経験が低い武将でなければ潜入が成功しにくいという難点がある」
A「そりゃ、あんまり高名な武将が乗りこんできたら罠だと思うよ」
F「だろう? だが、無名で経験もない武将を戦場に出すのはちょっと抵抗がある。しかも、能力値が低いほど仕官が成功しやすいという謎仕様だ。無名なザコへの救済策かもしれんが、僕としては頼れない」
A「だろうな……」
F「僕の結論として、計略コマンドはほぼ使わない。人事コマンドは捜索と登用のふたつだけで、成功率は政治と魅力で決まる、らしい」
A「らしいって」
F「これに相性や相手の忠誠度が関わってくるから、断言はしかねる。とりあえず、捜索は自国の都市を捜索して、未発見の武将を在野に登録するもの。実行した武将と相性がいいと、そのまま連れてくることもある」
A「そりゃいいな」
F「登用は、自国領内にいる在野武将と、他の君主に仕える武将を勧誘するもの。他国の都市や空白地にいる在野武将は登用できないから注意な。最後の内政は、内政担当官のいる都市のデータを向上させるコマンドだ」
A「収入アップの手段だね」
F「その通りなんだが、都市データは4つ。実は、武将の能力値にそれぞれ対応していて、都市の防御度を上げるためには、武力の高い内政担当官が必要になるンだ」
A「え」
F「武力の低い文官だけでは、都市の防御力を向上させることができない。開発は政治、商業は魅力、治水は知力が影響するが、内政にはポイントがふたつ。まず、命令1回ですべての都市で内政を実行できるンだ」
A「……えーっと?」
F「いままでのコマンドは、すべて命令1回で一度しかできなかったが、内政だけは別で、内政担当官のいる都市すべてに内政を実行するよう命令できる。かなり簡略化されているワケだ」
A「便利は便利だが、内政オタのお前には物足りないンじゃないか? もうひとつは何だ」
F「うん。内政コマンドだけは、君主では実行できない」
A「……え?」
F「軍事から人事までのコマンドは、君主なら担当でなくても実行できたンだ。だが、一括で処理されるコマンドの都合上、君主は内政に加われない。万能のひと曹操がいれば内政も効率が上がるだろうが、それはできないワケだ」
A「あらら……それはまた」
F「ということで、内政担当官は能力値にこだわらなくていい。むしろ人数で、人海戦術で実行することになる。……担当については以上だが、ついでに、武将の身分についても説明しておこう。大半の武将は一般と扱われるが、そうでないのが君主・軍師、参謀、そして太守」
A「君主と軍師は先に聞いた通りで?」
F「参謀は、例えば登用や捜索のように、成功するか微妙なコマンドがうまく行くか助言してくれるンだ。当然だが、参謀殿の知力が高いほど助言の信頼性も上がるから、配下武将でいちばん知力の高い者に任せることになる」
A「軍師から選ぶことになりそうだな」
F「左慈や于吉のように知力は高くても政治が低い(軍師になれない)武将もいるから、そうとも云いきれん。最初から郭嘉や賈詡がいればけっこう楽なのは事実だが。太守は、君主のいない都市のトップだ。基本的には、その都市にいる武将でいちばん魅力が高い者に任せること」
A「これは?」
F「いや、トップというだけで特に何も」
A「コラ。じゃぁ、いなくても困らないンだな?」
F「いないと……困らなくはないが、いなくても何とかならないこともない。武将がひとりしかいない都市では、その武将が自動的に太守になるが、これがいないってことはその都市には武将がいないので、支配していても統治していないことになる。よって、税収が得られないンだ」
A「あ、あらら……」
F「武将を前線の都市に集中させ、後方を疎かにしていることもできる。できるが、経済的に不利になる。都市には必ず、最低ひとりは武将を配備しておくこと。疫病とか洪水とかが起こったときにも民衆へのフォローが必要だから」
A「うむ……」
F「戦略画面でのコマンドに戻るが、担当とは関係なく実行できるのが巡察だ。これは、武将が町中に赴いて民の声を直接聞くもの。季節イベントが起こったターンに実施すると名声大幅アップが期待できるので、忘れずに」
A「民の声を聞くのは大事だからな」
F「さて、武将たちには気力というステータスが設定されていて、初期値と上限は一律100。コマンドを実施するたびに減るが、減少幅はコマンドごとに違う」
A「ゼロになったら動けない?」
F「ゼロ以前で、そのコマンドに必要な気力値がなければ、そもそも実施できない。毎月少しずつ回復するが、金と米を消費して気力を一気に100まで回復させるのが酒宴だ。たまに深酒が過ぎて回復しない奴も出るものの、作業を停滞させないために、ときどき行いたい」
A「武将の気力には気を配る、と。アキラ覚えた」
F「よろしい。また、武将には経験値もあって、最大は6万だがどれくらいかは武将ごとにまちまち。同じ武将でもシナリオごとに違ったりする。……当然だが」
A「当然だな」
F「この経験値が増えると、武将各位で設定されている特殊能力、要するにスキルを修得していく。さっき、同じ都市から出陣したのに夏侯淵が惇より5日早く戦場に来ていたのはスキル強行を持っていたから。これは、戦闘目標とする都市に5日早く到着できるもの」
A「また便利なものを」
F「出陣先と動員した武将の所属都市によっては、夏侯淵ひとりだけ先に到着して、本隊は5日後にならないと来ないって笑いごとになるから気をつけろよ。ともあれ、修行というコマンドは、その武将を1年間野に下らせて経験を積ませるものだ。勇名も増えたり、運が良ければアイテムや陣形も手に入れてくるから、余裕があれば行いたい」
A「積極的には行えないな」
F「そうだな。ここまでのコマンドには実行役が必要だが、すべての武将が行動済みになっていても行えるコマンドもある。再編コマンドは、どこかの都市を選んで兵士を再編成するもの。その都市にいる武将と予備兵を配分できる」
A「……そのコマンド、必要なのか?」
F「さすがに判るか。さっきやったように、募兵を行うとそのあとで兵士の再編成ができるんだ。再編に行動回数を使うのははっきり、ムダ。募兵でカバーできるし、カバーすべきだ。あまり兵を増やしすぎると食糧が不足するから限度ってモンはあるが、金があるなら米は買うこともできる」
A「商人と取引するンだな」
F「そゆこと。取引は米を売るか買うかするコマンドなんだが、正直、Xでは使ったことがない」
A「ないンかい」
F「だって、今回軍備ってないもの。軍馬とか船とかがなくても戦争できるから、商人ってほぼ不要の存在なんだ。困ったときには頼る、くらいでいいと思う。そして、頼ったことはない」
A「きちんと食糧をまかなっているのはいいことか」
F「続けるが、移動は、自国の都市か、それに隣接している空白地に武将を移動させるもの。空白地に武将を移動させれば占領できるが、例えば現状では、晋陽を占領せずに代県は占領できない」
A「空白地を通らないと占領できない空白地があるなら、手前から占領していかなければならないってコトか」
F「そゆこと。今作では、その条件さえ満たしていれば襄平(満州の南)から雲南(ほぼビルマ)まで1ターンで移動できる。無茶苦茶もいいところだが」
A「2世紀だったよな?」
F「褒美は忠誠が100未満の武将に金銭を与えて忠誠度を伸ばすもの。配下武将すべての忠誠が上昇するイベントもあるが、そうそう頼るワケにもいかない。忠誠度は全員90以上、できれば100をキープしたい」
A「それも当然だな」
F「アイテムはセーブ・ロードを別にすれば唯一のカタカナ表記のコマンドだ。さっき云った修行で、武将個人が手に入れてきたものでなければ、アイテムは原則として君主の懐に入る。これを配下武将に与えるコマンドでな。忠誠度は大幅に上がるし、能力値も伸びるので、優秀な武将には積極的に授与しておく」
A「でも、君主の手元も空にはできンだろ?」
F「君主によるが……曹操なら前線でも戦えるから、念のため最高級品は自分の手元に残すべきか。例えば名馬に分類されるアイテムは、最高位の赤兎馬なら強行・速攻・騎射と3つのスキルが修得できる。この3つを自分で修得する夏侯淵に赤兎を与えるのはムダ。曹操は騎射を修得しないから、赤兎馬は自分で持っておいていいな」
A「最高位の品は君主が使っていい、という認識でいいだろ」
F「呂布は騎射を覚えるから、ひとつ下の的盧(強行・速攻を修得できる)で充分だよ」
A「……ヒトによるのか」
F「無理もないだろ。ちなみに今作の関羽は、赤兎を持っているのが前提なスキル構成(上記3つがない)だ。アイテム→没収というコマンドもあるが僕には見えない。以上、長々となったが、担当・身分・コマンドについて説明した。さてアキラ、太守に最適な担当は何か」
A「え? えーっと……人事、は違うな。外交か計略だな」
F「えくせれんと。太守の役割でいちばん大きなものは、季節イベント後の巡察だ。また、都市の民忠を上げるのにも巡察は欠かせない。このため、原則毎ターン活動する内政担当者は論外、戦争による気力の減りが激しい軍事担当者も向かない。人事担当者も、巡察に使っている気力があるなら余所からの引き抜きに使うべき」
A「お前のプレイスタイルでは気力が余る、外交担当か計略担当が相応しいワケか」
F「そゆこと。ちなみに、コンシューマ移植後ではそれでいいが、もともとのPC版では特殊という担当があった。巡察と修行は特殊担当者でしか従事できなかったンだが、そういう意味でいちばん重要だったものになる」
A「なくなってよかった類のモンかもな」
F「ネーミングがネックだったのかね? ともあれ、その辺りをアタマに入れて、担当を変えていこう。まず人事担当だが、ある程度の政治と魅力があるメンバーから選ぶ。具体的には陳羣・荀ケ・郭嘉・荀攸」
A「軍師連中じゃないか」
F「政治を降順ソートして魅力80以上で区切るとこうなるンだ。政治も知力も高いが魅力が低い軍師、賈詡と程cには計略担当を任せる。計略担当は、このシナリオでは、軍師になれる知力90がなければやるだけムダだからな」
A「曹操軍ならそう云えるが、他の君主ではそこまで云えないだろ?」
F「うん、恵まれない環境では武将に求める質の度合を下げるのがポイントになる。で、軍師にはなれないが優秀と云っていい連中、具体的には劉曄と満寵辺りが外交担当。ちなみに、軍事と内政は都市ごとに設定するが、他みっつは全武将リストから設定できる。いまは都市が少ないから楽だが、増えてくるとけっこう面倒だぞ」
A「先のことだからまだ気にしなくていいだろ。ここまで終了」
F「よし。軍事担当は惇・淵、典韋・許褚、曹仁・曹洪、徐晃・楽進・于禁・李典、皇甫嵩としておく。残り全員を内政担当に設定してくれ」
A「……えーっと?」
F「残り全員。単純にまとめるぞ」
・人事担当者:魅力80以上の軍師
・計略担当者:魅力80未満の軍師
・軍事担当者:勇名1000以上の一般武将
・外交担当者:以上に含まれない中で優秀と評価していい武将(基準は任せる)
・内政担当者:残り全員
A「えーっと、人事担当と計略担当は前提条件通り。軍事担当は勇名で選ぶ。他は原則内政担当にして、内政に回すのが惜しい何人かを外交担当にしておく? うーん……効率だけで担当を決定するとこうなるのか」
F「効率を考えるなら、軍事担当者は武力80以上、できれば90以上と区切りたいンだけどね。人数も、10人より減らしても増やさないのが理想なんだが、ある程度は増やさざるを得ないのが辛いところで」
A「何と云うか……何と云えばいいのやら。……とにかく、その通りに設定したぞ」
F「よし、じゃぁ皇甫嵩で募兵して、兵士はそっくり曹洪に。曹操・徐晃・曹仁・曹洪・楽進・于禁・李典、惇・淵、典韋・許褚で長安に侵攻する。今回は約10万全軍を動員するが、李傕は逃げないだろう」
A「おう、戦闘になったな。……何だこりゃ? 城が6つに関所がふたつ?」
F「前漢の都・長安の戦術マップは、大半が侵入不能な高山で構成され、細い道をふさぐ関もふたつとかなり攻めにくい地形でな。東から攻め入るとまず関、次いで城4つ、もうひとつ関、もうひとつ城、黄河を挟んで最後の城、という状態だ。ここにまっとうな軍隊が詰めていたらほとんど難攻不落になる」
A「だよなぁ……もっとも、李傕軍は3部隊のようだが」
F「ああ、人数が少ないのが付け入る隙なんだ。体制が整わないうちに攻略してしまわないと、人数が増えてえらいことになりかねない。張繍をとっとと攻めたポイントその3。宛から攻め入れば関をひとつ飛ばせて、城4つの密集地帯に布陣できるから、少しは戦いやすい」
A「こっちも3部隊だけどな」
F「うむ、最後尾の夏侯惇が到着するのは10日後になるな。5日後には洛陽からの本隊と夏侯淵が到着するが、そのタイミングで弘農からの李傕軍の援軍も駆けつける。負けるとは思えんが苦戦は避けられんだろう」
A「だよなぁ……武将の質では勝ってるけど、現時点では劣勢だし」
F「とりあえず、食糧庫の上には曹操(強行持ち)を配置して、典韋と許褚で戦闘するぞ。スキル速攻があれば移動力が一時的に上がるから、敵の背後にまわりこめるンだが、ふたりとも持ってない(典韋は覚えない、許褚はまだ覚えていない)。できる限り側面、できれば背後からの突撃を繰り返す」
A「関にはそれもできんぞ?」
F「先に、他の城にいる武将を倒せ。できれば、武将が乗っていなかった城は、後続の本隊のために残しておくように。で、関には矢を射かける。1マス離れた場所に典韋を置いて弓攻撃だ。直接攻撃よりはダメージが落ちるが、反撃されないからこちらには被害がない」
A「向こうからも射かけてくるぞ……って、反撃してる」
F「正確にはスキル応射だ。これを持っていると、矢を射かけられたときに『届くなら』矢を射ち返すンだよ。届くなら、というのがポイントで、通常弓攻撃ができるのは2マス先まで。しかし、陣形によっては3マス先まで弓攻撃できるし、スキル遠矢を持っていればさらに1マス伸びる」
A「都合、最大4マス先までか」
F「そゆこと。で、ある程度減らしたら兵士数の多い部隊で突撃すること。場合によっては本隊の到着を待ってもいいし、もう一方の関を超えて黄河沿いに背後にまわってもいい。なるべく被害を抑えて戦うように」
A「うーっす……あ、敵味方に援軍到着」
F「そのタイミングで士気が上がることもあるから注意な。また、30日以内に勝利条件を満たせないと、攻撃側は退却しなきゃならない。もちろん負けになるから、それまでに決着をつけること」
A「関は突破。いちばん遠い城で待つ李傕を叩く」
F「鶴翼の陣形を敷いていると、一斉攻撃が可能になる。実は、このゲームには包囲効果というものがあって、敵部隊に接している部隊の数が増えると、与えるダメージも大きくなるンだ」
A「なるべく囲んで攻撃するべきなのか」
F「一斉攻撃だと包囲効果はさらに発揮され、4部隊での一斉攻撃は一部隊ずつ攻撃したときの約2倍のダメージを与えられる。最後の城にこもる敵君主(兵数は2万と覚悟するべき)相手には最適な戦術だが、スキル無双を持つ武将は包囲効果を受けないから気をつけるように」
A「あー、誰かさんよろしく対集団戦闘が得意な奴もいると」
F「いや、持ってる人数は少なくないから。スキル奮迅は周囲にいる敵部隊すべてに直接攻撃、スキル乱射は射撃範囲内にいる全部隊(味方含む)に矢を射かける、などなど包囲されているほど効果を発揮するスキルもある。闇雲に囲えばいいってモンじゃないワケだ。まぁ、李傕相手ならそこまで警戒しなくていいが」
A「のようだ。倒せたぞー」
F「よろしい。曹仁と曹洪を残して他の武将は撤収。降るようであれば捕虜は全員登用していいが、弘農が残ってるから今回はうるさいことは云わない。降らないなら全員解放してくれ」
A「えーっと……楊彪と董承が降ったな」
F「おや、楊彪が手に入ったか。じゃぁ李傕軍にもうほしい武将はいないな」
A「文官としてのスペックは鍾繇のが上じゃないか? 楊彪は知力75の政治74だが、鍾繇は76の92だぞ」
F「ほしいのは楊彪の息子だ。楊彪を配下にしていれば、何年か先に、軍師資格を有する楊修(92の84)が仕官してくるんだよ。正確には欲しいンじゃなくて余所に置いておきたくないだけだが、出てきてから引き抜くよりは楊彪を手元に置いておく方が確実だ」
A「先を見越してるンだなぁ」
F「ともあれ、李傕軍は弘農に逃げ込んでいるな? 年内には李傕軍を滅ぼすぞ。弘農→長安の順で攻めると空白地に逃げられる恐れがあるし、そもそも弘農から長安を攻めては関に手間取る。先に本拠を攻めるのが安全なんだ」
A「敵の態勢が整わないうちに連戦して一気に滅ぼすワケか」
F「期待させて悪いが、袁紹にはさすがに通じないからな。電撃作戦をしようにも呂布や李傕に側背を衝かれて、袁紹本人にも反撃されて終わるだろう。ロクな配下のいない張繍・李傕が相手で、全兵力を洛陽を本拠に時計回りで動員できる進路だからうまく行ったが、顔良・文醜を従える袁紹相手にこれはできない」
A「無理かー。まぁ、うまく行ったかは李傕を叩き潰してからにしようぜ」
F「そうだな。弘農になら遅くても5日後にすべての武将が到着するから、今度も、手間取っても負けることはないはずだ。余裕を持って戦えるといいが」
しかし、12月になって攻め入った弘農の戦術マップは、上下を侵入不能な高山に挟まれ、その間の細い道に関がふたつ。ふたつある城はいずれも関の内側と、極めて攻めにくいもの。
すでに武将が3人にまで減っていた李傕軍だが思わぬ抵抗をしでかし、スキル同討による被害から後退のタイミングを逃した曹洪隊が壊滅する事態に。戦勝はしたものの、被害は小さくなかった。