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真・恋姫無双RPGリプレイ「馬超、里帰りするのこと」 前編

Y:よーし、始めるぞー。
ヤスの妻:はいはーい。ヤスがGMなのも久しぶりだね。
A:じゃったねー。しばらくアキラがマスターやってたし。

 自作『真・恋姫無双RPG』は割と長いこと続けているものの、
・陶双央と愉快な仲間たちシリーズ(全7回、一部は未公開):GMは幸市、たまに泰永
・鍾士季のおたから探索大冒険!(全6回とも未公開):GMはアキラ
 なので、泰永がメインGMというキャンペーンは過去なかった。

Y:俺がシナリオ組んでも、お前らの相手は務まらんからな。
ヤスの妻:そうだね。
A:フォローはしようよ……しようもないけど。
Y:ほっとけ。まぁ、今回も幸市が組んだシナリオだ。善戦を期待する。
M:お兄ちゃんが組んだシナリオでも、マスターがヤスなら翻弄されて終わりでしょう?
A2:……強力な武器を持っていても使いこなす技量がないとダメ。
三妹:まぁ、えーじろのアタマについていける力量はヤス兄にはないわね。
Y:云うな! ……だが、今回は「俺でも女房に勝てる小細工」を弄してもらったからな。何とかなるはずだ。
ヤスの妻:ヤスには切れ者の軍師サマがついてるから厄介なんだよ。まぁ、どんな策でも対応するけど。
A:えらい自信……さすが義姉さん。
ヤスの妻:で、今回はキャラクターどうするの? いちから作る?
Y:いや、その前に全員5D6で出目を申告してくれ。
 「ごでぃーろく」は「6面ダイス(いわゆる普通のサイコロ)を5個振る」を意味する略語。コレが「6面ダイスを1個振る」だったらD6ないし1D6、「10面ダイスを2個振る」だったら2D10と表記する。
ヤスの妻:5個?
Y:だ。シナリオには直接関係しない判定だから、気楽に振ってくれ。
三妹:(ころころころころころ)……ご!
 テーブルに転がしたサイコロが、全部1の目を上にしている。
M:あらま……ちーちゃん、相変わらず気がつくとピンゾロ出すわねェ。
三妹:いまのうちに出てしまっておけば、シナリオ中には出ないわよ!
 コイツには、ときどきピンゾロを出すへんな癖がある。それも、わりと絶妙なタイミングで。
翡翠:あたしは……(ころころ、ころころ、ころ)28っすね。
三妹:5倍以上……
Y:翡翠は2D6の期待値が10を越えてるンだから、泣くな。
三妹:泣いてないわよ!
A:しかし、前に取り上げられなかった? そのダイス。俺はどうする?
Y:ああ、お前は振らんでいい。次。
ヤスの妻:じゃぁわたしが。翡翠ちゃん、そのサイコロ貸して。
翡翠:うぃっす。
ヤスの妻:(ころころ、ころころ、ころ)……んー、ダメだなぁ。12だよ。
M:それじゃぁ(ころころころころころ)21、かしらね。
A2:(ころころころころころ)……14?
Y:微妙な順番になったな。じゃぁ、出目が大きかった方から一枚引け。
 と、カードの山を差し出す。
翡翠:ん、あたしからっすね。えーっと……上からっすか?
Y:任せる。好きにしていいぞ。
翡翠:じゃぁいちばん上……おや、淵姐さんのカードっす。
ヤスの妻:……ぅわー、そう来たかぁ。
翡翠:へ?
Y:ほれ、夏侯淵のキャラシート。
翡翠:……原作キャラやるっすか!?
Y:やるっすよ。今回は、原作『真・恋姫』に登場するヒロインをPCとして使ってもらう。
A2:……怒られない?
M:その辺り、気にするヒトじゃないものね。ワタシは、山の中から……この辺を引こうかしら。
三妹:ロリが出たら大笑いね。
M:さすがにないわよ。黄忠さんだけど。
 大爆笑
A:あっはは……期待を外さないなぁ、ねーちゃんは。
M:まぁ、若い娘やるよりはいいけどねェ。なんで熟女が出るのかしら、ワタシのタイミングで。
ヤスの妻:運命って言葉はえーじろの周りじゃ使えないからなぁ。
A:卜占はよくて運命が悪いってどういう事情なのやら。
A2:いちまい……うぁ、孫尚香。
翡翠:あたしと替えないっすか?
Y:トレード不可。ほれ、引け。
ヤスの妻:どれ、わたしは(山札をまぜまぜ、混ぜ混ぜ)どーしようかなー。
Y:早くしろ、悩むことじゃないから。
ヤスの妻:じゃぁ、これっ! って、公孫賛!?
Y:……神はいるンだな。
ヤスの妻:御仏がわたしに味方してくれない……冬だからかなぁ? カスカード引くとは。
A:いや、カス呼ばわりはどーかと思うけど……全体的に微妙な面子じゃね。
Y:否定はしないが、ちょうどいいと云えばちょうどいいか? 三国と他からひとりずつなら。
三妹:アタシが誰を引くかでバランスが崩れるワケね。
Y:いや、お前はシナリオの都合で馬岱やってもらう。
三妹:アタシがロリかい。
A:となるとアキラは?
Y:馬超になる。
翡翠:……この面子で、どーいうシナリオになるっすか?
Y:(山札を回収)とりあえず、キャラシートで自分の能力値とスキル確認しとけ。
 『真・恋姫RPG』における、原作キャラの能力値はAMW社の『真・恋姫 パーフェクトビジュアルブック』のものを使用しています。このため、所有スキルまで暴露したらルールブックなしでもゲームができるくらいのネタは披露しているので、今回のリプレイでは各キャラクターのスキルの類を公表しません。

「かーずと、あそぼー♪」
 いつもどーり元気よく、シャオは一刀の執務室に飛び込むが、中では一刀が書簡と武将に囲まれていた。へばっている様子の一刀が、卓から顔だけ向けて、
「あぁ、小蓮……悪いけどお相手できる状態じゃなくて。それより、祭さん見なかったか?」
「ぶーぶー、シャオより祭のほうがいいって云うの? 一刀の年増ふぇちー!」
「いや、そーいう話じゃなくて……あーもぉ」
「各国の弓兵隊の編成について、報告をあげてもらったのだけど、呉の報告がまだなのよ」
 根をあげかけた一刀に代わって、紫苑がおっとりフォローする。蜀の弓隊については彼女が、魏の弓隊は秋蘭が、袁と董軍その他は手の空いていた白蓮がまとめてきたのだが、今日までと連絡しておいたのに呉からの報告が来ない。
 とりあえず来た分の書簡に目を通す一刀の周りで、紫苑と秋蘭と白蓮はお茶しながら、時折一刀から来る質疑に応答して、祭が来るのを待っていた。ために、一刀はたいへんだけど周りはそーでもない状態。
「んー……そういえば、城下で掘り出し物の肴があったとかなかったとか話題になってたかな」
「それでは、今日中に来るのかも危ういな。美周郎の気苦労がしのばれる」
 声を立てずに笑った秋蘭が、
「私は、コレが終われば非番だからな。探してくるとしよう。城下だったな」
「あ、それならシャオと一刀が行くから。みんなはお茶して待っててよ」
「いや、北郷が行っちゃダメだろ」
 白蓮がツッコんだタイミングで、扉がノックされる。
「ご主人様、ちょっといいか?」
 入ってきたのは、いつになく真顔になっている翠だ。
「ほい、どうした?」
「何日か休みをもらえるかな。……凰徳が死んだそうなんだ」
 あら、と紫苑が小声を漏らす。
 凰徳、字を令明。涼州の領袖・馬騰に仕えた智将で、馬超・馬岱らとともに魏の侵攻を受けた涼州から落ち延びた。三国同盟鼎立後は涼州に戻り、五胡との境界に近い現地を守っていたのだが、ここしばらくは床に伏せっていることが長くなった、と娘から連絡が来ていた。
 頃合を見計らって見舞いに行くつもりだった馬超のところに、先程、身罷ったとの報せが届いた。ただし、智将らしく気遣って「お嬢様たちにご心配いただき職務を擲たせては、泉下で馬騰様にあわせる顔がありませんからね」と、葬儀が終わるまで馬超たちには知らせないように、と厳命していた、とのこと……。
「ったく、あたしがいくつになっても子供扱いなんだから。最期くらい看取らせろってのに」
「北郷政権下における、武将としては最初の死者になるか……」
 もともと饒舌ではない秋蘭だが、侵攻した張本人のひとりだ。言葉がさらに慎重になる。
 頭をかいた一刀は立ち上がり、
「判った、こっちのことは心配しないで行ってきてくれ。紫苑、俺の名代として誰か」
「では、わたくしが」
「華琳様の許可を得てからになるが、私も同行しよう。馬騰殿に手をかけておいて知らん顔は決め込めん」
 含むものがなくもない視線を馬超から向けられても、秋蘭は平然と云い放った。
 となると……と一刀の視線はシャオに向く。
「そういうことだから、小蓮。呉の屋敷に戻って蓮華と冥琳に事情を説明してきてくれ。誰かを弔問に……」
「誰かって何よ、一刀。シャオが孫呉のお姫さまだってこと忘れてるでしょー?」
 金遣いの荒さと気位の高さから、忘れたことは一度もない。
「そーいうことならシャオが行ってあげるよ、涼州でもどこでも。西域って一度行ってみたかったんだー♪」
「遊びに行くんじゃないんだぞ?」
「判ってるって、だいじょーぶ。シャオにどーんと任せておいて♪」
 一刀に向かって根拠のない笑顔を見せるシャオ。
 限りなく不安だった。

Y:という次第になる。
三妹:即興でオープニング挿入したはいいけど、誰かが馬超か馬岱引いたらどうしてたのよ。
Y:抜いてあったから、その辺は問題ないぞ。というわけで、舞台は涼州。墓参りに里帰りする馬超のお供としてついていく一同、のオハナシになる。キャラシート確認できたら、ゲーム開始するぞ。
一同:うん、だいじょーぶ。
Y:最初に云うが、幸市の体調を考慮して、今回のシナリオは短い。現地に到着してから長くても翌日までのものだから、各自注意して行動するように。……では、移動シーンからになる。とりあえず、全員の友好度はこんな具合。
 →馬超馬岱黄忠夏侯淵孫尚香公孫賛
馬超(翠)×○○○×○×○○○×――○××○――×○○――――○―――
馬岱(蒲公英)○○○○○××○○○×――○××○――×○○――――○―――
黄忠(紫苑)×○○○○―×○○○○――×○○○――×○○――――○―――
夏侯淵(秋蘭)―×○○×――×○○×――×○○○――×○○――――○―――
孫尚香(小蓮)―×○○―――×○○―――×○○―――×○○――――○―――
公孫賛(白蓮)―×○○―――×○○―――×○○―――×○○―――×○○――
白蓮(ヤスの妻):わたしのコレはどういう状態?
Y:『萌将伝』では、北郷の旗のもとに天下統一されてるだろ。つーことで、武将同士でいちおうひと通り面識はある。が、積極的な交流があるかは別で、基本のマル2バツ1から上下するかたちになる。
白蓮:うん、そこまではいい。問題は、このヒトへの友好度が基本ラインを下回っているという事実だよ。
Y:だって、原作からしてそーいう扱いだろうが。白蓮公孫賛は影が薄いから、基本ラインを下回る感情を持たれている……というか、感情を持たれていない。劉備か3バカでもないと元値が低いンだよ。
翠(アキラ):袁紹たちを3バカ云ったらお兄ちゃんが怒る気もするが、扱いとしては間違いでもないからなぁ。
白蓮:劉備とまでは云わないけど、顔良か趙雲がいれば少しはマシだったのに。
Y:(確認中)……顔良はともかく、趙雲はマル1のバツ3だぞ?
白蓮:むしろ嫌われてる!?
Y:いや、『君主として見限られてる』という設定だそうだ。間違ってないから困りモンだな、オイ。
白蓮:あああ、そーいう扱い……いーもん、今回わたしは裏方に徹します。うううっ。
Y:お前が黒幕じゃ怖すぎるわ。
蒲公英(三妹):参ったわね、軍師がキャラ的にゲームから除外されるなんて。
紫苑(M):いくらお兄ちゃんでも、ここまで見越したシナリオは組めないでしょうけど……
蒲公英:えーじろならやりかねないわよ。
Y:あー、そこ。いちおう元キャラに併せて喋れ。
秋蘭(翡翠):こほん。「あまり口を開かないのが賢明だな」
小蓮(A2):……「ところで、凰徳ってどんなヒト?」
翠:「ん? おう、涼州イチの切れ者と呼ばれた智将だ」……原作未登場だけどね。
蒲公英:基本的には、また『謀殺』の設定でいいの?
Y:いや……まぁ、アレに出てきた凰徳で、性格は問題ない。
小蓮:……私、それ読んでないから何とも。
Y:か。元キャラ龐徳が、通例に従って凰になっている。旧『恋姫』当時の話になるが、涼州に攻め入ってきた曹操軍から、馬岱連れて落ち延びたンだ。そのとき負傷したため、馬岱と本人は北郷のところに出頭するのが遅くなった、という設定になっている。
翠:その当時、北郷くんの手元では、お手付きで孕んじゃった夏侯淵が国を割らないよう自ら身を引こうと考えて、馬超に殺されたように装って姿を消したンだけど、岱ちゃんたちが落ち延びるのに夏侯淵の助力があったモンだから追っかけることになって……というオハナシ。津島屋幸運堂名義で、金取って売った最後の同人誌に収録です。
 云われてみればアレからは無料配布になっていた……な。
小蓮:……持ってない。
Y:然様か。まぁ、大まかな設定は変わってないな。馬騰配下の智将で、馬超たちを託されて落ち延びた。戦後は涼州を守りつつ半分隠棲していた、と。
小蓮:……「そのひと、都で養生できなかったの? 華侘ならどんな怪我でも治せるでしょ?」
翠:「ななじゅっさい」
小蓮:……「おばあちゃん?」
翠:「ああ。さすがの華侘でも、若返りの術は使えないだろうさ」
Y:いつか野郎が云わなかったか? よぼよぼのばーさんだ。若返りの術なんぞ使えるなら先に使うべき相手が
紫苑:誰の事かしら?
Y:何でもありません。そーいう年代だったから、北郷の後宮にも入らずに帰郷していたワケだ。
紫苑:考えることが斜め上なのよねェ。
蒲公英:実生活で6つも年上の女と結婚してるから、六十路だろーが七十路だろーが抵抗ないのよね。
紫苑:さすがに、そこまで云われるとワタシでもハラ立つわ。その辺りの嗜好ってワタシが原因じゃないでしょ?
秋蘭:あたしの母親のせいでおとーさんがバカにされてるっす……
白蓮:いや、母さんが原因だから……
翠:……えーっと?
Y:どっちもどっちと云うか、神か本人のせいにしておこう。というわけで、老衰で死んだ凰徳の眠る涼州に向かっている道中になる。いちおう、現地までは何事もなく到着できる予定だが。
蒲公英:兵はどれくらい連れてきてるの?
Y:往路分の食糧その他の輸送任務だけだから、ごく少数。それとは別に、身の回りの世話をさせる女官が馬車で同行。
蒲公英:襲われたらどーすんのよ……と思ったけど、さすがに馬超サマ御一行を襲う命知らずは涼州にはいないか。
紫苑:でも、女官さんがついてきてるのね?
Y:よくは知らんが、旧『恋姫』に馬超が侍女を普通に使っているという記述があるらしい。呉の姫さまもいるしな。
小蓮:(こくっ)……それもそう。
白蓮:ちょっと喋っておこうかな。「馬騰殿が健在だったなら、翠も群雄たりえたのにな」
翠:「よせやい、そーいうのあたしの柄じゃないンだから」
小蓮:んー……「でも、翠っていちおう涼州のお姫様なんでしょ? とてもそうは見えないけど」
翠:「そういうの気にしないからなぁ、涼州では。城の中より馬に乗って槍を振りまわしてる方が性に合ってるし」
Y:いちおう、凰徳からは「お嬢様がもう少しおしとやかであられればねェ」と嘆かれていたがな。
蒲公英:「そーいうの気にするお姉様じゃないからねー」……ダメだわ、アタシこの仔向いてない。
紫苑:「闊達なのが翠ちゃんのいいところよ」……そうねェ、ワタシも向いてないみたい。
翠:どのツラ下げて云うかな。
Y:はいはい。とりあえず、全員智略で判定。
翠(智略2):ん? (ころころ)7。低いなぁ。
蒲公英(智略3):(ころころ)よし、今度は12。
紫苑(智略4):(ころころ)15になったわね。
秋蘭(智略3):(ころころ)同じく15っす。
小蓮(智略2):(ころころ)……11。
白蓮(智略3):そしてわたしが(ころころ)10だね。
Y:じゃぁ、馬超除いて、前方から砂煙が近づいてくるのに気づいた。
蒲公英:ほほぅ、馬超サマ御一行を襲う勇者がいるワケね?
紫苑:単純に考えればお迎えのひとじゃないかしら。
Y:そっちだ。涼州の騎兵が十数騎走ってきて、こちらの存在に気づいてスピードを緩めた。
翠:前に出るか。知ってる顔?
Y:えーっと……知らないな。先方も馬超とは面識がないけど、騎兵たちは馬超の前で停止して馬から降りた。先頭のちっこいのが「馬超様御一行とお見受けします」と見上げてくる。
翠:「おぅ、あたしが馬超だ」こっちも馬から降りよう。
Y:ほっとした様子で「手前は姜特と申します。太守殿の命で、馬超様がたのお迎えに伺いました」と拝礼した。
翠:「おぅ、お役目ご苦労」と労っておく。新顔出たね。
白蓮:龐徳の息子が龐会だね。で、姜特……んー、記憶にはないな。
Y:ああ、よかった。
白蓮:……ごめん、ちょっと席外すよ。
Y:敵前逃亡は士道不覚悟だぞ!
翠:えーっと、馬超はそっちの凰会と面識が?
Y:ん、と……馬超と馬岱はある、ことになってるな。この辺りの人間関係、事前に説明するべきだったか。
蒲公英:うん、先に聞いておくべきだったわね。
Y:道すがら説明することにしよう。「では、道中の安全は手前どもにお任せを」と姜特は馬に乗った。
白蓮:どんな子?
Y:男の子。
紫苑:あら、流行の男の娘?
Y:喜ぶな、クサレババア。ちゃんとはしてないが男だ、女装はしてない。軍装に着られている感のある男、というか少年で、続いている兵たちも危なっかしいものを見るようにしている。
白蓮:まぁ、ショタ?
Y:お前も喜ぶな! えーっと、涼州は凰徳に任されていたンだが、死後は娘の凰会がそのまま太守に繰り上げられている。で、凰徳の部下に姜慕というのがいたンだが五胡との戦闘で死んだため、息子が凰会の下で頑張っていると。
翠:子供がまだちーさいうちに死んでは浮かばれんなぁ。
Y:だな。いちおう、馬超と馬岱は凰会・姜慕には面識があったが、姜特はまだ幼かったから記憶にないワケだ。
紫苑:はいいけど、このゲーム15歳未満は戦闘に出せないわよね?
 PC・NPCを問わず、15歳以上でなければ戦闘には参加できません。……まぁ、『恋姫』『真・恋姫』『萌将伝』に登場する人物はすべて18歳以上なので問題はありませんが。
Y:最低ラインの数字だと思うぞ。野郎の書いてるシナリオには「ショタ」としかないから。
白蓮:どっかの甲斐性ナシとは違って、えーじろは話が判るなぁ。その甲斐性ナシが演じてるのが残念だけど。
Y:愛されてないのはどっちだ!?
小蓮:……GMがツッコミ過剰だと中断が目立つ。
蒲公英:アタシ、戦闘が起こるまで寝てていい?
Y:どーして幸市には優しいのに俺には厳しいンだ、お前らは!?
紫苑:返事が聞きたいの?
Y:……では、涼州に到着した。城門で凰会がお迎えしてくれる。
白蓮:そっちは?
Y:年代としては黄忠より上か同じくらい。渋めの中年女というところだ。
紫苑:母親が七十超えてたら、まぁ四十路回ってるわよねェ。黄忠さんの年齢はさておいて。
Y:射られるからな。あんまり背は高くない凰会は、馬超を見て「翠お嬢様、お久しぶりです」と嬉しそう。
翠:おし、馬から降りよう。「久しぶり……」……えーっと、真名で呼ぶ?
Y:マル3のバツ1くらいだから、まぁ呼んでもいいな。葉っぱの葉さんだ。
蒲公英:屈託なく「葉おばさん、ただいまー」と声をかけるわ。
紫苑:チャレンジャーねェ?
Y:おばさん、気にした様子もなく「ええ、蒲公英お嬢様もお変わりなく」と、馬から引きずりおろして抱きしめた。
小蓮:……さっそく報復?
Y:いや、スキンシップ過剰なだけだ。抱きしめはするけど絞めてはいなくて、くるくる振り回しはじめた。
紫苑:止めた方がいいのかしら。
秋蘭:こっちまで飛び火することはなさそうっすか?
Y:大きさからして孫尚香までだな。「あら、こちらにも可愛い方が〜」と、白虎の上からつまんで抱き上げ、馬岱とまとめてハグ。
小蓮:「お、おー。なにするのよー」……悪意がないので逆らいにくい、みたいな。
翠:子供好きなんだねェ。「ほどほどにしとけよ、葉」
Y:「はい、翠お嬢様でやめておきますね」と、さらに馬超も抱き込んでくるくるする。いちおう部下たちもお迎えに出てるンだが「また始まったよ」みたいな生温かい視線で諦めているようだ。
秋蘭:「華琳様がおられなくてよかった」と、真顔で呟いておくっす。
白蓮:「あぁ。また戦争になったかもしれないからな……」と渋い顔でうなずいておくよ。
紫苑:こんなヒトに国境任せておいて大丈夫なのかしらねェ。
Y:お前が決めていいが、璃々はどうしてる?
紫苑:……割と真面目に、連れてこなかったことにするわ。公務だからお留守番で。
Y:判った。じゃぁ姜特が「太守殿! そーいう真似は慎んでいたらきたい!」と噛みながら叫ぶ。
つま:素で云うけどヤス、ショタ声じゃないとそーいうことしても萌えない。
Y:アキラ。
翠:ん? んー「太守殿! そーいう真似はつつ、つ、慎んでぇ〜いたらきたい! あぅっ……」と赤くなる。
白蓮:ぐっじょぶー!
蒲公英:アタシに理解できることして。
小蓮:……だから、脱線やめない?
Y:うむ。怒られた凰会は3人を解放して「あ、はいはい。いつもごめんなさいねー」と姜特の頭をなでた。赤いままの姜特は、手をはねのけて「だいたい太守殿は、ご自分が一城を預かる身である自覚が足りない……」云々と、噛みながら説教するンだが、凰会は微笑ましい表情であらあらうふふと受け流している。
小蓮:……いつも。
白蓮:うん、だいたいの力関係と人間関係は把握できた。
蒲公英:姜慕が口うるさかったワケね。それを見て育った姜特は、自分もしっかりしようと凰会にかみつくように?
紫苑:でも、年齢差が年齢差だけに相手にされていない、と。
Y:そんなところだ。凰会はもう一度姜特の頭をなでて「ああ、お待たせして申し訳ありません。お嬢様、皆さま、こちらへどうぞ」と歩きだす。
翠:逆らわずに続こうか。
蒲公英:状況が状況だしね。とりあえず政庁?
Y:いや、まっすぐ墓参りだ。凰徳は、馬騰の墓の隣に葬られていた。
白蓮:妥当な扱いかな。
Y:……幸市のダジャレはいつの間にかおさまっていたンだがなぁ。
白蓮:え? いやいやいや、いまのはそーいうつもりじゃなくて……えーっと、なむなむ。
蒲公英:仏式じゃないわよね?
Y:その辺シナリオでは指定されてないから、まぁ好きに祈ってくれ。西域に近いからキリスト教式でもいいが、イスラムはまだ成立してないからダメだぞ。
上座部系ブッディスト:それでは御仏に祈りましょう。
プロテスタント:アーメン。
スタンダード3名:アーメン。
?:いあ、いあ!
Y:あー子!

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