ルリタテハ

Kaniska canace nojaponicum


夏型♀(表) 夏型♀(裏)
千葉市緑区産 千葉市緑区産

概要

食餌 主食:県内ではほとんどの場合サルトリイバラ(ユリ科)が利用されるが、秋にはホトトギス類(ユリ科)を好む傾向がある。
代替:ユリ科のカノコユリ、オニユリ、ヤマユリやシオデ、オオバタケシマランなどが利用可能。栽培種のホトトギス類でも飼育できる。
増殖:サルトリイバラ実生が可能。実生は晩秋に採取した果実の果皮を取り除き、すぐに播種する。山採りも可能だが、球根(鱗茎)が地中のかなり深い場所にあるので掘りあげるのは大変である。鉢植え、地植えのどちらでも良いが、培養土は水はけを良くしておかないと地中で球根が腐ってしまう。鉢植えの場合、腰水は避けたほうがよい。
採集 ステージ:夏型・秋型共に幼虫。卵は春季は食樹の新芽や花、夏季は葉裏などに1卵ずつ産付されるので発見は容易。幼虫は全齢期を通じて食草を離れず、しかもほとんど食草の葉裏で静止しているので、これも簡単に見つけられる。蛹も同様である。
適期:夏型は卵が4月上旬〜中旬、7月。幼虫は4月中旬〜5月中旬(第1化)と7月下旬〜8月中旬(第2化)、蛹は5月(第1化)と8月。秋型は卵が9月中旬〜9月下旬、幼虫が9月下旬〜10月中旬、蛹が10月。
難度 幼虫:容易。食樹さえ十分に供給できれば、ほとんど手がかからないくらいカンタン。
成虫:困難。成虫の生態を考える限り、大規模な温室を使用できる場合などを除き、ほとんど不可能と考えられる。
採卵:夏型は卵が4月上旬〜中旬、7月。幼虫は4月中旬〜5月中旬(第1化)と7月下旬〜8月中旬(第2化)、蛹は5月(第1化)と8月。秋型は卵が9月中旬〜9月下旬、幼虫が9月下旬〜10月中旬、蛹が10月。
飼育法  サルトリイバラは水揚げがあまり良くないので花瓶挿しには向かないが、3日〜4日であれば十分に対応できる。ホトトギスの場合は水揚げに問題がないので花瓶挿しで飼育可能。一般に本種は葉が不足した場合を除いて食草を離れることはまずないので、ネットがけも不要である。蛹化の際も同様である。
備考  寄生バチの寄生率は低く、結構丈夫なので、初心者にも飼育しやすい。

記録

採集 記録 性別 食餌 備考
St Date Loc 産卵 孵化 終齢 前蛹 蛹化 羽化 産卵 給餌
2005年第1化(夏型)
1 E 2005/4/3 千葉市緑区 4/3 4/9 4/28 5/3 5/4 5/18 サルトリイバラ サルトリイバラ  
2 E 2005/4/3 千葉市緑区 4/3 4/9 4/28 5/5 5/6 5/19 サルトリイバラ サルトリイバラ  
3 E 2005/4/3 千葉市緑区 4/3 4/9 4/28 5/3 5/4 5/19 サルトリイバラ サルトリイバラ  
4 E 2005/4/3 千葉市緑区 4/3 4/9 4/28 5/3 5/4 5/20 サルトリイバラ サルトリイバラ  
5 E 2005/4/3 千葉市緑区 4/3 4/9 4/28 5/4 5/5 5/20 サルトリイバラ サルトリイバラ 蛹化時落下
6 E 2005/4/17 千葉市緑区 4/17 4/23 5/9 5/17 5/18 5/28 サルトリイバラ サルトリイバラ  
7 E 2005/4/17 千葉市緑区 4/17 4/23 5/9 5/18 5/19 5/30 サルトリイバラ サルトリイバラ  
8 E 2005/4/17 千葉市緑区 4/17 4/25 5/10 5/19 5/20 6/1 サルトリイバラ サルトリイバラ  
※採集総数8個体。すべて羽化。

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