ゴマダラチョウ

胡麻斑蝶 (タテハチョウ科)


概要 食樹の樹冠付近の葉や枝に1個ずつ産み付けられるが、オオムラサキと違って必ずしも大木である必要はなく、高さ2m程度の若木にも産卵される。
形質 直径1.4o、高さ1.2o程度。概形は底面の平らな球形。表面には18本〜20本の縦条を有し、その間を弱いが密な横条がつなぐ。色調はやや灰色がかった青緑色で、強い光沢を有する。孵化直前には幼虫体が透けて見えるようになる。

幼虫

4齢
越冬前 越冬中 越冬後
エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科)
終齢 前蛹
脱皮直後 老熟
エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科)
概要 終齢は5齢。若齢時は食樹の葉表先端、4齢以降は葉表の中央部に吐糸して座を作り、そこに静止する。越冬幼虫は食樹北側の根際に積もった落ち葉の裏にしがみつくように冬を越す。しがみついている枯葉が乾燥すると移動することがある。越冬後の幼虫は食樹小枝の分岐部などに厚く吐糸して座を作り、そこで日光浴していることが多い。
形質 概形は長い紡錘形。腹端は二又して尖る。側面から見ると半月状だが、腹部前半節が最も背が高い。後胸、第4・7腹節背面に各1対の鱗片状突起を有するが、第4腹節のものが最も大きい。頭部には1対の角状突起を有し、先端が枝分かれする。色調は緑色で一様だが、頭部〜後胸に各1対の黄白色縦条を有する。背中線は緑色だが濃緑色に縁取られており、明瞭。ただ、越冬幼虫は灰褐色〜明褐色で、越冬後の脱皮直後は頭部の角状突起と背側線が赤褐色を呈する。

蛹化直後 安定期 羽化直前
概要 食樹葉裏の中脈付近や細い枝先にぶら下がっていることが多い。
形質 垂蛹。概形は剣形。背中線はやや鋭い稜となる。側面から見ると半月状に近く、やや左右に扁平。腹部前半節が最も背が高い。懸垂器は太く短い。色調は淡緑色で一様。背中線は黄白色。