オオムラサキ

大紫 (タテハチョウ科)


概要 食樹の枝先や葉裏などに10個〜100個程度の卵群で産み付けられるが、稀に1個〜2個程度のことがあったり、100個以上の場合もある。
形質 直径1.5o、高さ1.6o程度。概形はやや背の高い球形。表面には20本前後の縦条を有し、その間を弱い横条がつなぐ。色調は灰色がかった緑色で、強い光沢をもつ。 孵化直前には暗色を帯び、幼虫体が透けて見えるようになる。

幼虫

4齢 5齢
越冬中 脱皮直後 老熟
エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科)
終齢 前蛹
脱皮直後 老熟
エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科) エノキ(ニレ科)
概要 終齢は6齢。若齢時は葉表の先端、中齢以降は葉表の中央に多量に吐糸して座を作り、そこに静止する。越冬幼虫は食樹北側の根際に積もった落ち葉の裏にしがみつくように冬を越す。しばしばゴマダラチョウに混じって越冬する。越冬中であっても、しがみついている枯葉が乾燥すると移動することがある。越冬後の幼虫は食樹小枝の分岐部などに厚く吐糸して座を作り、そこで日光浴していることが多い。
形質 概形はやや長い紡錘形。腹端は二又して尖る。側面から見ると半球形でほぼ中央付近が最も背が高い。中胸、第2・4・7腹節背面に各1対の鱗片状突起を有する。この突起は近縁種の中で最も大きい。頭部には1対の角状突起を有し、先端は枝分かれする。色調は緑色で一様。背中線は濃緑色で比較的明瞭。越冬幼虫は4齢、暗灰褐色でゴマダラチョウより一回り小さい。

蛹化直後 安定期 羽化直前
概要 食樹葉裏の中脈付近などにぶら下がっている。比較的低い位置の枝先の葉で蛹化することが多い。形や色が葉とよく似ているため野外での発見は困難
形質 垂蛹。概形は剣形。背中線はやや鋭い稜となる。側面から見ると半月状に近く、左右にやや扁平。腹部前半節が最も背が高い。胸部も若干膨らむため、その境の窪みは比較的明瞭。色調は淡緑色で一様 、背中線は黄白色で比較的明瞭である。