『引用(いんよう)』のしかた

 他人の文章(ぶんしょう)や説(せつ)を使うときのルールです。 


□引用とは、

@古人の言や他人の文章、また他人の説や事例(じれい)などを自分の文章の中に引いて説明(せつめい)に用いること。
「古典の例を―する」(三省堂提供「大辞林 第二版」より)

(引用)著作権法第三十二条
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行(かんこう)に合致(がっち)するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内(はんいない)で行なわれるものでなければならない。

□引用と言えるためには、

  1. 引用する資料等は既(すで)に公表(こうひょう)されているものであること、
  2. 「公正な慣行(かんこう)」に合致(がっち)すること、
  3. 報道、批評、研究などのための「正当な範囲内(はんいない)」であること、
  4. 引用部分とそれ以外の部分の「主従関係(しゅじゅうかんけい)」が明確(めいかく)であること、
  5. カギ括弧(かっこ)などにより「引用部分」が明確(めいかく)になっていること、
  6. 引用を行う必然性(ひつぜんせい)があること、
  7. 出所(しゅっしょ)の明示(めいじ)が必要なこと、(複製以外はその慣行があるとき)(第48条)の要件を満たすことが必要です(第32条第1項)。
著作権なるほど質問箱”文化庁”

出所の明示(しゅっしょのめいじ)

○引用、教科書への掲載(けいさい)、点字による複製(ふくせい)などについては、一定の条件を満たせば著作権者の了解(りょうかい)なしに利用することができますが、利用に当たって誰のどの著作物を利用しているのかを明らかにすることを「出所の明示」といいます(第48条)。
○出所の明示は、利用の態様に応じて、合理的と認められる方法及び程度により、著作物の題名、著作者名、出版社名などを明示しなければなりません。なお、利用形態(りようけいたい)によっては、その慣行(かんこう)があるときに出所の明示をすればよいことになっています。
●引用した場合は、本文あるいは注の中で出典を示すようにしましょう。

□引用の仕方(本)について

  1. 短い引用は、「」でわかるようにします。
    建築の歴史を見ると、「建築の外観はスタンティング・ストーンから始まったのである。」藤森照信『人類と建築の歴史』ちくまプリマー新書、2005、65頁*本文の例
    著者名(翻訳者名)『書名』出版社、出版年、引用頁 (ページ)を記入するようにしましょう。
    *引用部の注の例
    (1) 藤森照信『人類と建築の歴史』ちくまプリマー新書、2005、65頁
  2. 長い引用の場合は行を空けて、左右もわかるように空白(インデント)を空けます。 三井秀樹は、感性を以下のように述べている。

  3. 引用文の一部を省略(しょうりゃく)する時には、〔〕の中に「中略」あるいは「・・・」を入れます。

 道具というものは、わが身の延長である。自分と対立する「相手」ではなく、自分がそれで何かをしようとするときに、ほとんど意識.しないで、いつのまにか使っているようなものでなければならない。〔中略〕コンピュータがそういうものにならねばならない、という考え方を進めてみるのが本章である。(佐伯 胖『コンピュータと教育』岩波新書、1992年、52頁)
 

  4.  引用文にある段落を省略する時には、「/」(スラッシュ)を用います。


  5. 引用文に補足(説明)を入れる時は()を、()が引用文ですでに使われてしまっている時は〔〕などを使います。

 


□引用文献(ぶんけん)の書き方

1 単行本  著者名(翻訳者名)『書名』出版社、出版年、引用頁

2 雑誌論文  著者名「論文名」発行機関名『雑誌名』巻(号)、発行年、引用頁


□ネット上の引用の書き方

 著者名・タイトル名・発行年(又はアップデート)月日・<URL>・訪問日(資料にアクセスした日)を記入しましょう。


◇参考文献
小笠原喜康『大学生のためのレポート・論文術』講談社現代新書、2002年

◇参考サイト
Webサイトでの正しい引用の書き方と注意点|参考文献を活用しよう
https://edit.roaster.co.jp/web/2658/ (2021/02/08 アクセス)

インターネットのやくそく


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