河野勲の岩国ノート

 〔47〕からっぽの基地 1984/9/23

日米共同訓練の報道しきり

 九月十六日、日曜日、晴れ。近くにある中学校の運動会のマイクが風に乗って聞こえる。
 基地の全景がよく見える殖産団地のYさんに電話で、米軍機の駐機状況を調べてくれるよう依頼する。十八時すぎYさんから電話。

 「午前中は都合があって展望台に上れなかった。十六時ごろから約一時間見ていたが MAG−12(A7、A6、OA4M)は格納庫に隠れてよく見えないが一機もいない。MAG−15(F4)はF4が六機いる。昨日の午後A6が一機着陸した」

 MAG−12のA7は七月の初めからフィリピンへ移駐して、十一月にならないと帰らないといわれている。
 いま岩国基地の米軍機はA6とF4が十数機ほどでほとんどカラに近い。それを裏書するよう私の監視日誌も「十七日、月曜日。薄曇り。七時四十三分、C130北へ発進。七時四十五分、F4北へ発進。つづいてF4一機同方向へ。八時三十分、F4南から帰り旋廻して着陸。九時五十分、F4南から帰り二回旋回して着陸。十時五十九分、A6らしい爆音南へ発進」とつづき「十九時十分、A6北へ発進」でこの日は終わるが、発着進は少ない。
 十八日は雨だが、米軍機の発着進は前日とほとんど変わりない。
 十四日の読売新聞は「ミッドウェー出港、日米共同訓練」の見出しで「訓練は海上自衛隊側から艦艇九十隻、航空機百二十五機、隊員二万二千人、米軍側からは、ミッドウェーなど約十隻の艦船と航空機が参加、海上交通路保護などの大規模な作戦を展開する」と報道している。
 また十三日の「赤旗」新聞は、「海の日米演習始まる。核空母機動部隊、初の参加」の見出しで、「核空母ミッドウェーや八月に新配備されたばっかりの核巡航ミサイル・トマホーク積載用新鋭駆逐艦オルデンドーフなど艦艇など十隻のほか海兵隊の航空隊を初めて参加させます」と報道している。
 また、きょう(十九日)正午のテレビのニュースは、沖縄の北部で県道を封鎖して核・非核原子砲の実弾射撃訓練を放映。訓練が終われば東北地方でおこなわれる日米陸上演習に参加する、と報道した。
 いまのところ岩国の米軍機がこれらの訓練に参加する確証はないが、岩国基地が空に近い状況は今後十分に警戒を要するのではないか・・・。

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