河野勲の岩国ノート

 〔34〕海軍飛行部隊 1984/6/17

攻撃能力は強化された

 六月九日、読売新聞は「岩国に海軍攻撃中隊」の見出しでつぎのように報道した。
 「山口県岩国市の米海兵隊岩国基地に八日、米海軍第一〇五攻撃中隊(指揮官 D・A・ワイス中佐、隊員二百五十人)が着任した。海兵隊二一一攻撃中隊との交代で、海軍の飛行部隊が海兵隊の基地へ赴任したのは今回が初めて。
 基地報道部によると、第一〇五中隊は艦上攻撃機A7Eコルセア十二機を保有、着任の目的は海軍のパイロットの海兵隊の任地や訓練を体験させてもらうためという。
 海兵隊第二一一攻撃中隊は近くカリフォルニア州エルトロ基地へ帰るため、A4スカイホーク攻撃機二十機が岩国基地から姿を消す」
 前回「岩国ノート」のA7(核積載可能)の市中上空旋廻はA7が配備される途中であったといえる(米軍が発表するときは完全に配備が終わって任務に就いてからおこなう)。
 六月十一日、八時からA4が次つぎに南へ発進する爆音がする。あるいはA4がエルトロ基地へ移駐したのか?九時三十分双眼鏡を肩に自転車で基地沖へゆく。
 滑走路の北側、外来機駐機場に濃緑色に迷彩をしたC141とC130が目に入る。C130はまもなく飛び立つのかプロペラを回転させている。
 岩国基地は平地からはエプロン(駐機場)はMAG12の一部しか見えない。しかしそれも限られた場所からである。まずIETAのプレートをつけた弾薬庫bRの北側の道路から双眼鏡の焦点を合わす。普天間所属のKC130の機体の前に六機、後ろに二機A7Eの特徴のある水平尾翼が見える。A4の姿は一機もない。場所を昨年PS1が墜落した所へ移る。ここからもKC130に邪魔されA7Eは八機しか見えない。やはりA4は一機もいない。今朝八時に南へ向かった爆音はA4がエルトロ基地へ移駐したものであったか。
 正午すぎ中国新聞のM記者が電話でコメントを求めてきた。「今朝八時すぎ岩国を飛び立ちエルトロ基地へ向かい、空中給油を終わったA4が一機八丈島南二百メートルの海上に墜落したらしい。基地に問い合わせたら、岩国を離れたエルトロ基地の関係だという返事」という。

 なお十三日の中国新聞は「攻撃能力を強める A7Eコルセア配備」の見出しで一年以内にA7Eをさらに一個中隊、岩国に配備することを報道した。

BACK☆☆INDEXHOME☆☆NEXT