河野勲の岩国ノート

 〔31〕特殊兵器(下) 1984/5/27

基地内ため池の魚が大量死

 共産党のパンフレットから〜
 「岩国には米軍が日本においている唯一のCBR作戦の特殊学校がある。C・B・Rとは、現在最新兵器の頭文字で
   C=化学兵器(ケミカルウィポン、毒ガス)
   B=生物兵器(バイオロジーウィポン、細菌、毒素兵器)
   R=放射能兵器(ラジエーションウィポン、死の灰)
 これは、朝鮮戦争のとき捕虜になった、海兵大佐シュワーブル、空軍のケインとイノット両中佐によって明らかにされ、中国政府によって世界に報ぜられた。
 しかし、これについては米軍基地は厳重な管制をしいておって一切が秘密となっている」
 私は、岩国基地から大量の漂白剤(除毒に使う)が持ち出されたことを思い出した。
 スクラップブックの索引簿をめくる。bQ1、三ページ一九七六年三月五日、中国新聞「防御用の薬剤の漂白剤を撤去 岩国基地」の見出しが見つかった。それは次の内容である。
 「米海兵隊岩国基地(岩国市三角町)の沖合に貨物船パイオニア・コンデンダー(19.000排水トン)が三日から停泊し、物資の積み込み作業を進めている。同基地報道部が四日、明らかにしたことによると、物資は防御用薬剤に指定されている漂白剤。

 昨年五月末に『基地内にあった大量の漂白剤、フォルムアデヒットを六月二日から国外に撤去する』と発表しており、今回の積み込みもその一連、これで撤去が終わるという。パイオニア・コンデンダーは六日、岩国沖を離れるが行き先は明らかにしていない。

 漂白剤には殺菌、消毒作用があるため、昨年の発表当時、岩国市平和委員会は『核、生物、化学兵器(NBC)で汚染された時使う可能性もある』と問題にしていた」
 基地の沖には、基地があるデルタの排水をためて潮時に流すための池がある。このため池には、ボラ、フナ、イザなどたくさんの魚がいる。いつかため池が白くなるほど魚が腹を返して浮いていたことがあった。
 これは一回や二回ではなかった。そのつど基地は誤って廃油を流した。しかし、基地は何も流していないに終わってきた。
 私はあらためて、一九八一年の二月、日本共産党が国会で明らかにした「コマー証言」をここに記載し、岩国基地の危険性を訴えたい。
 「三個の海兵航空団兵器部隊(MARINE WING WEAPONS UNIT マリン・ウイグ・ウェポンズ・ユニット=MWWU)、各部隊ごとに四人の将校と四十五人の下士官。これらMWWUは、航空部隊用の空中投下の化学兵器と核兵器の両方を装備している」

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